巨大企業なのに“ベンチャー”!TOPPAN快進撃の秘密:カンブリア宮殿

  • 11 か月前
カンブリア宮殿
巨大企業なのに“ベンチャー”!TOPPAN快進撃の秘密

凸版印刷 社長麿 秀晴(まろ ひではる)
長年、印刷業界でトップを争ってきた「大日本」と「凸版」だが、ここ数年、凸版印刷がリードを広げ、トップの地位を不動のものにしつつある。好業績の裏にあるのは、印刷で培った技術を大胆に飛躍させる新規事業の成長だ。今年10月には、ついに社名から「印刷」を外すことを決断した。その裏には、凸版に宿る創業以来のベンチャー魂がある。巨大企業とは思えない攻めの経営で快進撃する、TOPPANの強さに迫る。

放送内容詳細
じり貧の印刷業でなぜ成長!? TOPPANの突破力
1997年に9兆円近くあった市場が、デジタル社会の急拡大で半減してしまった印刷業界。そんな業界で凸版印刷が好業績を叩き出せる理由は、印刷テクノロジーをベースにした様々な新規事業にある。例えば、高級ホテルのロビーで和のテイストを演出する壁や天井の美しい木材、実は凸版の技術が作り出した、木目を印刷した建材なのだ。さらに、紙で作られた飲料容器「カートカン」も凸版の技術。アパレル店などで使われる、電波で情報を読み取れるタグ「RFID」の“印刷”も凸版の急拡大事業だ。印刷で培った「色を再現する技術」はデジタル分野も開拓している。高野山の寺院の内部を本物と見紛う色彩でバーチャル体験できる施設は、凸版の技術力によって実現した。新分野で次々と結果を出す凸版の突破力とは?

若手技術者の起業から120年!新分野に挑むベンチャー魂
明治33年、大蔵省印刷局の若手技術者たちが、当時最新の「エルヘート式凸版印刷」を武器に設立した凸版印刷。その後も最新技術を積極的に取り入れ、時代のニーズをつかむ新事業に次々と挑戦してきた。技術者出身の麿は、そんなベンチャー精神を受け継ぐ10代目社長。特殊なコーティング技術で食品の保存性を飛躍的に高めた「GLバリア」の開発を主導し、凸版の新分野を一気に拡大した。今やGLバリアは凸版のドル箱だ。そんな麿が決断したのは、社名から「印刷」の文字を外すこと・・その真意とは?

ゲストプロフィール
麿 秀晴
1956年 宮城県出身
1979年 山形大学工学部卒、凸版印刷入社
2019年 社長就任

企業プロフィール
会社名:凸版印刷(株)
本社事務所:東京都文京区水道1-3-3
創 業:1900年(明治33年)
従業員:54336名(22年3月)
連結売上:1兆6388億円(23年3月)

村上龍の編集後記
明治33年、大蔵省印刷局から独立した若手技術者ら5人が立ち上げたベンチャーが開祖で、「凸版」という名前を使い、技術を株券の印刷などに使用した。情報を外に漏らさないということが会社の強みとなり、歴史となった。長いこと紙の印刷がメインだったが、当時役員でも何でもなかった麿さんが「GLバリア」というフィルムを開発した。印刷とは関係ないと思ったが違った。機能が印刷されているらしい。麿さんは、約5万人の社員を率いている。把握してますか、と聞いたら、1人1人は無理だが、おおよそのところはと答えた。

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