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教育
トランスクリプション
00:00では次です
00:01兵もなければ鉄格子もない
00:04国内で唯一
00:05解放処遇を行う少年院があります
00:08自然豊かな環境で行われる独自の取り組みと
00:13自殺願望を口にしていた
00:15一人の少年の姿を取材しました
00:17マジで気をつけるときな
00:20ここは危ないらしい
00:22こっちになります
00:24はい
00:24北アルプスの険しい山を
00:30黙々と登る若者たち
00:32彼らは窃盗や障害
00:37詐欺などの罪を犯し
00:39少年院に収容された少年たちだ
00:43雨降ってたから濡れてるね
00:47スベリアしてねえだろうけど
00:49毎年夏に行われる
00:55登山プログラム
00:57少年たちは日常生活を離れ
01:01自然の空気を味わいながら
01:04標高2700メートルの山頂を目指す
01:08今もうこうやって完全に外に出て
01:19登山なんてやる少年には
01:21ものがないような気がしますね
01:23できれば経験してほしかったことを
01:27できてない子もいるだろうから
01:28それを味わってほしいなと思いますね
01:31スタートから6時間
01:36少年たちは全員無事頂上へとたどり着いた
01:42ここまで何かをやるっていうのは
01:53こういう登山っていう形では
01:55人生初めてだったので
01:56経験できてよかったなと思います
01:58長野県安住野市にある少年院
02:08有明高原寮
02:09もともと温泉旅館だった建物を
02:14法務省が買い取って開設した
02:17この少年院には
02:1914歳から20歳まで
02:2110人余りの少年が収容されている
02:25ここには一般の少年院にあるような
02:33高い塀や鉄格子はない
02:35自然豊かな環境の中で
02:39少年たちの心を育てる
02:41国内で唯一
02:43開放処遇を行う少年院だ
02:46開放的な平田フェンスではなくて
02:50教育の中身をですね
02:52社会化していって
02:54現実の世の中に
02:56合わせられるものを合わせていくと
02:58心の垣根っていうのは
03:00少しずつ我々が低くしていって
03:03少年たちをこっちへ向ける
03:05目をこっちに向かせる
03:07その人間関係を
03:08他の少年院よりも密に作って
03:11まさに心でね
03:12つなぎ止める
03:13解放処遇とはどのようなものなのか
03:19番組では去年6月から取材を始めた
03:25高原寮の一日は朝の誓いの言葉から始まる
03:33午前7時半
03:48朝食
03:49通常少年院では死後は厳禁
03:58だがここでは
04:01少年たちの自主性を養うため
04:10上級生が下級生に
04:13寮内の規則を教えるなど
04:16集団生活に必要な会話が
04:19認められている
04:20午前9時
04:29朝礼を終え
04:31向かったのは
04:32寮から少し離れた場所にある
04:35
04:35少年たちは行動を一列で歩いて移動するが
04:42手錠や腰縄はつけていない
04:46逃走事件は20年ほど前にあったというが
04:51それ以降は起きていないという
04:56畑では小松菜やほうれん草など
05:0020種類以上の野菜を栽培
05:03ここにも塀やフェンスは設けていない
05:08高減量に収容されているのは
05:15比較的飛行が進んでいない少年だが
05:19ここ数年
05:20発達上の問題を抱える少年も増え始め
05:24指導が難しくなっているのが現状だ
05:28少年たちは実際どんな罪を犯してきたのか
05:33特別に話を聞くことが許された
05:38タイマーを使用したということは
05:45別にどうってことないでしょっていう
05:48むしろタイマーを吸ってるっていうことが
05:54悪として他の人より上の立場に立ってるっていう
05:58唯一感を感じてたのかっていう
06:01つつもたせのようなことで
06:07SNSを使って人を集めて
06:11先輩とその人を囲んで暴行してしまって
06:16やっぱり勉強とか運動で輝けなかった分
06:20悪いことってすごい簡単だと感じて
06:23最近は闇バイトに手を染める少年も増えているという
06:31詐欺の受け子です
06:35弁護士を名乗って
06:37そのおばあちゃんから荷物で受け取って
06:39その中に現金が入ってるからって言われて
06:41そこで詐欺だって気づいて
06:44詐欺なら僕はやりたくないですって言ったんですけど
06:47もう身分証とか知られちゃってるから
06:50住所とか行って迎えに行けるよとか
06:52ああこれ本当に逃げられないと思って
06:54そんな少年たちの多くは
06:59家庭環境に問題を抱えていて
07:02負の感情を抱いているものも少なくない
07:06去年の春に収容されたA少年
07:12大麻と道路交通法違反で捕まった彼は
07:17強い自殺願望を抱いていた
07:20自分が生きてる意味って僕正直分かってないので
07:26自分ってこの世にいらない存在と思ってるんですよ
07:30幼い頃両親が離婚
07:35母親に引き取られたが
07:38その母親からたびたび虐待を受けていたという
07:42夜になるとほっぺたつ寝られて
07:48そのまま廊下引きずりられて
07:50ベランダとか玄関の外とかに投げられて
07:54母親による養育が困難だったため
07:59小学校に入ると祖父母の下で暮らし始めた
08:04だが親のいない寂しさから
08:08飛行に走るようになった
08:11今って違う自分を出してるって言い方もおかしいんですけど
08:16本来の僕ではないんですよ
08:18本来の僕ってもう出したらずっと自殺メッセージをしちゃうので
08:23首をつったりだとかそういうのばっか考えてるので
08:26本来の僕は死に大願望がとても強いと思います
08:30そんな少年を入院当初から見ている担任の江藤法務教官
08:39戦争をテーマにした課題で
08:43A少年が実際に描いた絵を見せてくれた
08:47そもそもこのぐちゃぐちゃっていう
08:50この首がないとか血だらけとか
08:54実はもう2,3回ぐらい見てて
08:56彼の過去の話とかも考えると
08:59やっぱりリンクしざるを得ないなというか
09:02日誌にもこんな言葉を綴っていた
09:08今少し助けていただきたいです
09:14精神的に行っちゃいそうに
09:24この日江藤教官は
09:26A少年を近くの渓流に連れ出した
09:30高原漁では少年たちがより心を開けるように
09:48屋外でのプログラムを積極的に行っている
10:23少年との信頼関係をさらに深めるため
10:28民間の施設と連携して
10:31温泉カウンセリングを定期的に行っている
10:35今どうなっているかなというのは
10:40振り返っていった方がいいと思うよ
10:42僕も正直なんか
10:44どの自分が本当の自分かが
10:46いまだにちゃんと分かっているわけじゃない
10:48今先生と話しているのは
10:50本当の自分での話を
10:51本当の自分だと思ってはいるんですけど
10:54取り繕うとかさ
10:56なんていうの表面的
10:59社会で見せている自分があることが
11:02別に悪いとは思わない
11:03ただ心配なのは
11:05見せていない自分
11:07死にたいって言うし
11:09人殺したいって言う時もあるし
11:11もうどうでもいいやって言って
11:13それも多分自分なんだよ
11:15そうですよ
11:16自分のことが分からないというA少年
11:23カウンセリングを受けるうちに
11:26少しずつ本音を語り始めた
11:29違ったりすることもあったりするから
11:31まだ多分
11:32ずっと思ってたことなんですけど
11:34人を信頼するっていうのは
11:37本来の意味がよく分からなくて
11:39そもそも信頼って何なの?
11:42その人を信じて
11:44その人に自分の全てを見せることです
11:47少なくて後継流で
11:48それはできてるかな?
11:50人を僕信じれてないんだよ
11:52先生やっぱり信じれてないの?
11:56人間を信頼できないと言う
11:57こうした少年たちには
12:02粘り強く話を聞くことが大事だと
12:07江藤教官は考えている
12:09職員の服着ていれば
12:12先生って言われちゃうんで
12:14どうしても壁が一線引かれちゃうわけですよ
12:17途中からこの人の言うこと聞いてたら
12:19なんとかうまくいったなとか
12:20そういう風になってたら
12:22多分やっと初めて信頼かな
12:278月初旬
12:30少年たちは農業祭で太鼓の演奏を披露するため
12:35練習に追われていた
12:37温泉カウンセリングを受けていたA少年も
12:45炎天下で汗を流していた
12:48あんたさ数えてるからね
12:54言わない
12:54つくどんって言うんだよ
12:56私は睨むとようやく言うの
12:58睨まんない
12:59つくどん忘れずにね
13:00あれね数えてるからでしょ
13:02農業祭当日
13:08高原寮には子供からお年寄りまで
13:13地域の人が大勢集まった
13:16盆踊りの輪の中には
13:25笑顔で踊るA少年の姿があった
13:29楽しいです
13:33地域の人から見る少年たちの印象は
13:44とにかく礼儀正しいし
13:48別の男の子ですよみんな
13:50平和大鼓行くぞー
13:54おー
13:55祭りの最後は少年たちによる太鼓の演奏
14:02A少年も大きな声を張り上げ
14:10力強い演奏を披露した
14:12普通の人として感じれる感性というか
14:26祭りを一緒に楽しんだら楽しいとか
14:29誰かと協力して作り上げるものは
14:31素晴らしいんだなみたいな
14:33そういう感覚が少しでも芽生えてくれると
14:35私たちとしては嬉しいのかなと
14:37それから2ヶ月
14:43自殺願望を口にしていたA少年が
14:52出院することになった
14:54高原料で本当に多くのことを学ばせていただきました
14:59本当にありがとうございました
15:01A少年は別れを惜しみ涙を流した
15:18A少年は迎えに来た祖母の車で
15:33高原料を後にした
15:35今年1月
15:48高原料に手錠と腰縄で拘束された
15:52一人の少年がやってきた
15:55少年は別の少年院に収容されていて
16:05近く出院することが決まっている
16:08高原料では他の少年院と連携して
16:13出院が近い少年を受け入れ
16:16社会復帰に向けた特別講座を行っている
16:20折りとかフェンスとかは結構ない環境なので
16:26やっぱりより一層社会に近い環境がしていて
16:30少年はここで2週間
16:35高原料の少年たちと
16:37神職を共にする
16:39この日は寮を出て
16:45近くの公園と神社の清掃活動を行った
16:49これから会社に行くにしろ
16:56学校に行くにしろ
16:58新しい地域社会に
16:59とてこむ上での練習になっていると思います
17:02特別講座を受けた少年は
17:07なんかこういう環境の中でからこそ
17:11なんかすごいです
17:13社会に近づいてきたな感じがしています
17:16頑張る
17:17そうですね
17:19頑張ります
17:20出院したA少年は
17:26その後後生の道を歩んでいるのか
17:303か月が過ぎた頃思わぬ知らせが
17:35A少年が逮捕されたというのだ
17:39早速自宅に向かった
17:43お邪魔します
17:46結局怪我をさせてしまったということと
17:51お金をせびったということで
17:54仕事も探したけど
17:55仕事もうまくいかないみたいな形で
17:57A少年は出院後
18:01祖父母の下で暮らしながら
18:04営業の仕事をしていたが
18:06プレッシャーに耐えかね
18:08一月ほどで辞めてしまった
18:11その後後輩との間でもめ事を起こし傷害と恐喝未遂の疑いで逮捕された飛行少年が再び検挙される数は2004年以降減少していたが一昨年から増加に転じ20%以上も増えている
18:37彼は暴力的な面とあるんですか?
18:40普段はないですよ
18:43私の知らないところでやっぱり何かあったんだろうな
18:46心にきっと傷になることがあったんだろうなっていうのは感じましたし
18:50それから1週間余り
18:58A少年は自断金を払って釈放され自宅に帰ってきた
19:05雰囲気は少年院にいた頃と明らかに変わっていた
19:11最初はすごい頑張る気があったんですけど
19:18自分が仲良くなるのがそっち系の人たちで
19:21どんどん元々の自分に戻っていって
19:25少年院だと常に寄り添ってくる担任だったり
19:29ある程度の規則っていうのがあるので
19:31それに従って動いていればいいだけなんですけど
19:33社会っていうのは自分でやることを見つけたり
19:36時間を調節しながらやっていかなきゃいけないんで
19:39そこがやっぱ難しかったり
19:42周りに相談する人とかいる?
19:45いないです、いないです
19:47自分が人生の中ですごい相談できたのは
19:50唯一江藤先生なんで
19:52そこは本当なんで
19:53それ以外はないですね
19:55部屋には抗原料にいた頃に書いた
20:01努力目標が貼られていた
20:03毎日出てくる時は見るじゃないですか
20:10こんなこと考えてたなって感じで
20:13頑張ろうとはしてるんですけど
20:15積極的に相談なんてしてないっていう感じなんで
20:18この日、A少年は自ら車を運転して
20:29お世話になった江藤教官の元を訪ねた
20:33これまで出院後に法務教官が相談に応じる制度はなかったが
20:582015年の少年院法改正で
21:03社会復帰支援が盛り込まれ
21:06出院後もこうして面接を受けることが可能になった
21:10ここら辺の判断はしていかないといけないって
21:12出てから1ヶ月くらいからはめっちゃ面白かったんですけど
21:17その後も落ちこぼりすぎて
21:20そうかね
21:22やっぱり思った以上にギャップはあったって
21:24ありすぎましたね
21:25ここにいる時も言ったと思うんですけど
21:29自分信頼できる大人いないんですよ
21:31で、結局外に行ってちょっとでも話せる人
21:34見つけようとしたんですけど
21:35やっぱどうしてもダメなんですよね
21:38表面上で取り繕っている間は
21:41多分向こうだって心開いてくれないし
21:43自分だって疑心暗鬼のままだから
21:45少しずつ少しずつ時間を重ねていけば
21:48この人ってこんな人なんだろうとかって見えてくるんですよ
21:50ちゃんと見てる人は見てるからね
21:53その人たち裏切らないのにしっかり頑張って
21:55はい、頑張って
21:56面接を終えたA少年は
22:09多少気分変わったかな
22:12だいぶ変わりましたね
22:14やっぱり江藤先生の影響力やばいですね
22:16来てよかったです、本当に
22:19A少年の中に
22:24生きづらさが完全に消えたわけではない
22:27それでも今はタクシードライバーになることを目標に
22:33就職活動に励んでいる
22:35まずは真面目にちゃんと職探して
22:40安定するまで頑張って
22:43もうちょっと現実から逃げないで
22:45そうですね、もう何かあったら
22:49もう食べないで
22:50場合によって江藤先生やったりとか
22:51話を聞いてもらって
22:53もうちょっと解決できていったらなと思います
22:56A少年は今
23:01祖父母の下で暮らしながら
23:03タクシードライバーになるために
23:05就職活動を頑張っているそうなんですけれども
23:08少年自身も言っていましたが
23:11少年院にはルーティーンがあって
23:12やることがある
23:13さらには気にかけてくれる
23:15共感がたくさんいるわけですよね
23:17でも社会はそうではないので
23:20少年院も出た後に
23:22なかなかうまくいかないという少年は
23:24多いそうです
23:25生まれながらにして
23:27生きづらさを感じて
23:29もがいている人がいるということ
23:31そしてそういった人こそ
23:33人とのつながりというのが
23:35とても大事になってくるということを
23:37改めて心に留めておきたいと
23:40強く感じました

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