I'm Giving the Disgraced Noble Lady I Rescued a Crash Course in Naughtiness [Episode 5 - 8]

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I'm Giving the Disgraced Noble Lady I Rescued a Crash Course in Naughtiness
Episode 5 - Episode 8

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Transcript
00:00:00ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:11アレンさん、いいお天気ですね。
00:00:15ああ、出かけるのにぴったりだな。
00:00:31ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:36ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:39ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:42ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:45ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:48ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:51ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:54ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:00:57ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:01:00ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:01:03ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:01:06ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:01:09ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:01:12ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:01:15ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
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00:01:30ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
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00:01:39ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:01:42ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
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00:02:48ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:02:51ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:02:54ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:02:57ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:00ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:03ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:06ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
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00:03:12ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:15ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:18ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:21ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:24ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:27ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:30ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:33ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:36ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:39ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:42ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:45ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:48ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:51ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:54ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:03:57ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:00ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:03ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:06ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:09ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:12ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:15ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:18ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:21ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:24ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:27ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:30ここはユノハ地方。 俺の住む屋敷から北東の方角に馬車で3時間ほどの距離にある。
00:04:33どうもどうも! マオさん、シャロットちゃん!
00:04:36配達は午前中に済ませてくれたはずでは?
00:04:39今回はお二人に特別なお届け物ですニャー!
00:04:43シャトスたちに?
00:04:45お届け物?
00:04:46ふんふんふん。 聞いて驚いちゃいけませんですニャ。
00:04:50つまり、ユノハ地方へ二名様のご旅行をプレゼントですニャ!
00:04:56へぇ?
00:05:02わぁ!
00:05:03そんなに見とれるほどのものか?
00:05:06はい。ニール島国は山場多いので、こんな綺麗な平地は初めて見ました。
00:05:13追ってから逃げる途中で荷馬車に紛れ込んだことがあるんですけど、
00:05:18あの時は景色を楽しむ余裕なんてなかったので。
00:05:22そ、そうか。広げる話題をミスった!
00:05:26うん。こちらの地方はずいぶん田舎だ。
00:05:29お前の手配証なども回っていないらしい。
00:05:32安心して羽を伸ばすといいぞ。
00:05:34はい。変装なしでお出かけできるなんて夢みたいです。
00:05:41まあ、悪くはない景色だな。
00:05:44そうでしょ?
00:05:46しかし、街の連中も粋な真似をしてくれるな。
00:05:51アレンさん、私がご一緒してよかったんですか?
00:05:55エルーカさんを誘いした方がよかったのでは?
00:05:58いや、あいつは野暮用があるらしい。
00:06:02何日か街を離れるよ。
00:06:04お兄に頼まれたニール島国の調査もあるし。
00:06:08あいつ、真面目に調査してるんだろうな。
00:06:15まんまと引っかかったね、お兄。
00:06:18御座会から出た金一分を旅行代に変えてプレゼントする。
00:06:22エルーカさん発案の温泉旅行作戦は正解でしたにゃ。
00:06:27お兄たちがあまりにもじれったい距離感だからさ。
00:06:30この温泉旅行でどこまで進展するか楽しみだね。
00:06:35このために有権を取ったのですにゃ。
00:06:37二人の給食金をしっかり見届けますにゃよ。
00:06:41なんだ、今寒気が。
00:06:44アレンさん?
00:06:45大丈夫だ。それよりそろそろ見えてくる頃だぞ。
00:06:49あ、あれが。
00:06:52今日から泊まる宿だ。
00:06:54あの親子、この本にも載っていますよ。
00:06:58見てください、アレンさん。
00:07:00湯の葉地方で一番人気、新しい三ッ星のリゾートホテル。
00:07:05温泉はもちろん料理やマッサージなど手広いサービスが特徴でリピーターも多いか。
00:07:12ニャーハが意見して魔王さんにぴったりなプランを選んでおきましたむにゃ。
00:07:17今日でお楽しみください。
00:07:21ひょっとして、お前が一番行きたがっていたのはあのホテルか?
00:07:28はい。
00:07:29嘘だな。
00:07:30なんで分かったんですか?
00:07:32今のは誰でも嘘だと分かる。
00:07:35うーん、ここではないのか。
00:07:37ならばこっちの孤島のホテルか。
00:07:40やまて、女性に人気となるとこちら。
00:07:43す、推理しないでください。
00:07:45温泉もちゃんと楽しみですし、その恥ずかしいですから。
00:07:49恥ずかしい?
00:07:50行きたい場所がバレるのがなんで恥ずかしいんだ?
00:07:54だ、だって小さな子供が行きたがるような場所なので。
00:08:01うーん、なるほど。
00:08:03そうなってくるとかなり候補が縛られる気がするな。
00:08:08そこまで嫌なら暴き立てるのはやめておこう。
00:08:11だが一つだけ言っておく。
00:08:13はい?
00:08:14子供の頃、できなかったことを大人になってから存分に試みるというのもオツなものだぞ。
00:08:21それもまた、いけないことだ。
00:08:24それに、俺がお前の行きたい場所を聞いて子供っぽいと笑うと思うか?
00:08:32いいえ。
00:08:33言いたくなったらいつでも言うがいい。
00:08:36どんな場所でも付き合ってやるからな。
00:08:40はい。
00:08:47ようこそ、我らがユノハリゾートへ。
00:08:56クロフォードだ。
00:08:57ご予約のクロフォード様ですね。
00:09:00お部屋の用意はできております。
00:09:02もう向かわれますか?
00:09:04ああ、頼む。
00:09:05温泉ももう空いているのか?
00:09:07もちろんです。
00:09:08ちょうど空いている時間でございますよ。
00:09:11うん。
00:09:12それじゃあ先に入りに行っても。
00:09:14はい、アレンさんがよろしいなら。
00:09:17温泉自体は本当に楽しみにしていたようだな。
00:09:21では、大浴場へご案内いたします。
00:09:24ありがとうございます。
00:09:27私どももとても喜ばしいですわ。
00:09:30新婚旅行に当ホテルをお選びいただいて。
00:09:34新婚?
00:09:35どこ?
00:09:37あら、ひょっとしてご夫婦様ではございませんの?
00:09:42ち、違うぞ!
00:09:43では、カッパル様ですね。
00:09:48それも違う!
00:09:49ちなみにだが、なぜそう思ったのかをお聞かせてくれないか?
00:09:54いえ、だってこちらカッパルご夫婦様限定のスペシャルパックですよ。
00:10:01嫌な奴ね、はかったな。
00:10:04そういえば妙に楽しそうだった。
00:10:07バカね、ただの旅行で終わるわけないじゃない。
00:10:11これが魔王さんにぴったりのプランですにゃ。
00:10:14さあどうするよ、おにぃ。
00:10:17あの、プランにご不満なら変更も可能ですが、
00:10:22こちらが一番高価なものになっておりますので、現状のプランのお連れの方も喜ばれるかと。
00:10:29で、では。
00:10:32さ、その、カッ、カップル夫婦限定パックで頼む!
00:10:36承知いたしましたー!
00:10:38イエス!
00:10:50お客様、こちらウェルカムドリンクになります。
00:10:55どうして一つなんだ?
00:10:58カップル夫婦プランのサービスですから。
00:11:04さあ、次なる試練だよ、おにぃ。
00:11:06二人で一つのドリンクを飲んでラブラブに。
00:11:15さあ、到着いたしましたよ。
00:11:17こちらが当ホテル自慢の温泉施設になります。
00:11:22どれも地下から組み上げた天然温泉ね。
00:11:25中でも露天風呂が一番の人気ですね。
00:11:28海が一望できるんですよ。
00:11:31ほう、それはいいな。
00:11:33景色を眺めて湯に浸かれば、このむずかゆいような心地も落ち着くはず。
00:11:39ところで、お客様、水着のご用意はございますか?
00:11:43み、水着?
00:11:44どうしてですか?
00:11:46それはもちろん!
00:11:48こちらは水着シャツ用でお入りいただく、男女兼用の大浴場となっておりますので!
00:11:55それでは、女性のお客様は私がご案内いたしましょうね。
00:11:59レンタルでは可愛い水着を多数取り揃えておりますので、じっくりゆっくりお選びくださいませ。
00:12:12マジか。
00:12:14空いている時間帯だと聞いていたが、それでも結構なにぎわいだ。
00:12:19確かに女優男優で分けてしまうより、こちらの方が広々と楽しむことができるだろう。
00:12:26いや、でも水着って、なあ。
00:12:30シャーロットの水着を実際に目の当たりにしてしまったら、俺はどうなってしまうのか。
00:12:37もしものときは心臓を止めよう。止めまくればいい。
00:12:40あ、あの、お待たせしました。
00:12:45平常心、平常心。
00:12:47いや、俺も今来たところ。
00:12:56心臓を止める必要などなかった。すでに止まっているからだ。
00:13:04ご隣中ですね。
00:13:06オニーンは刺激が強すぎたみたいね。
00:13:09あ、アレンさん。
00:13:12や、やっぱり、こんな格好似合いませんよね。
00:13:24よく似合っているぞ。
00:13:26そ、そうですか。
00:13:28あ、アレンさんも、お似合いだと思います。
00:13:33ああ、うん、なるほど。お互い様か。
00:13:37何がですか?
00:13:39あ、なんでもない。
00:13:41それより、早く行こう。
00:13:44さあ、温泉リゾートでしかできない、いけないことを楽しもうじゃないか。
00:13:53すごい強い!
00:14:00気持ちいいですね。
00:14:02そうだな。
00:14:04ずっとここにいたいですね。
00:14:07そうだな。
00:14:09シャーロットが楽しみにしていた温泉。
00:14:12そこでおせなわれるいけないことは、いわばメインディッシュよ。
00:14:16でもさっきから和んでるだけですニャ。
00:14:19このままだとのぼせちゃいそうですニャ。
00:14:22私初めて温泉に来たんですけど、こんな素敵な場所なんですね。
00:14:27いや、温泉の楽しみ方はこれだけじゃないぞ、シャーロット。
00:14:31え?
00:14:32お客様、ご注文の品をお持ちしました。
00:14:35ちょうどいいタイミングだ、礼を言う。
00:14:38アレンさん、いったい何を?
00:14:41温泉につかりながらアイスを食べる。温泉ならではのいけないことだ。
00:14:46ぜ、贅沢です。
00:14:48驚くのはまだ早いぞ。
00:14:51リモータルアイス
00:14:58これで湯の中でも溶けなくなった。ゆっくり味わうといい。
00:15:02ありがとうございます。
00:15:06わあ!
00:15:10美味しそうに食べるな。
00:15:13温泉でするいけないことってアイスを食べるだけ?
00:15:16健全すぎです、ニャンマオさん。
00:15:19ねえねえ、お父さん。僕もあのアイス欲しい。
00:15:22仕方ないな。エステチューのママには内緒だぞ。
00:15:26すみません、アイスを一つ。
00:15:28はい、少々お待ちください。
00:15:31僕もアイスが食べたい。
00:15:33私も私も。
00:15:37皆様、順番にご注文を受けてまいりますね。
00:15:41アイスが人気みたいですね。
00:15:44あの、よろしければこの子のアイスに魔法をかけてくれませんか?
00:15:50お姉ちゃんの食べてる魔法でキンキンに冷えたアイス、僕も食べてみたい。
00:15:55そう言って聞かなくて。
00:15:57だから注文が増えていたのか。
00:16:00アレンさん。
00:16:02もちろんお安い御用だ。今の俺は気分がいいからな。
00:16:07さあ、アイスを持ってくるがいい。
00:16:10魔法をかけてやる!
00:16:17本日は本当にありがとうございました。
00:16:20いやいや、とんでもない。
00:16:22いいえ、お客様のおかげで本日はアイスの売り上げが3倍に伸びたんです。
00:16:27おまけに他の器にもアイスが溶けない魔法をかけていただけるなんて。
00:16:32感謝してもしきれません。
00:16:34そんな大げさな。
00:16:36大したことはしてないから気にしないでくれ。
00:16:39でも皆さん喜ばれてましたよ。
00:16:42やっぱりアレンさんはすごい魔法使いです。
00:16:45お前まで。
00:16:46だからがアイスが溶けないようにしただけだぞ。
00:16:49明日の観光予定はお決まりですか?
00:16:52もしよろしければ当ホテルが全面バックアップいたします。
00:16:56ぜひともお礼をさせてください。
00:16:58なるほど、それはありがたい話だ。
00:17:01おすすめのスポットなどはあるのか?
00:17:04この辺りは観光名所がいくつもございます。
00:17:07ダイビングスポットや海水浴場、
00:17:10あとはフェンリルが見られる丘なんかもございますけど。
00:17:13この辺りはフェンリルが出るのか?
00:17:16フェンリル?
00:17:17争いを好まない気高い魔物で、
00:17:20一目見ることができれば幸運を授かるとも言われている。
00:17:24ただ、行っても無駄足になるかと思われます。
00:17:28今は子育てが忙しい時期なので、
00:17:30めったに山から降りてこないんです。
00:17:33そうか、タイミングが悪かったな。
00:17:35残念。
00:17:36ですが、魔物関連ならもっとおすすめのスポットがございますよ。
00:17:40ズバリ、ユノハ魔導動物園です。
00:17:43動物園!
00:17:45はっ!
00:17:48ほう?
00:17:52ここが俺たちの部屋か。
00:17:55す、すごいです。海が見えます。
00:17:58ああ、思った以上に広いみたいだ。
00:18:01なっ!
00:18:04はっ!アレンさん!
00:18:05こ、こ、これってまだか!
00:18:07ちょっと来てくれないか!
00:18:09コンシェルスだな!
00:18:12こっからが本番だよ!
00:18:14温泉でアイスを食べて終わり?
00:18:17そんなぬるいラブコメなんてさせないんだから!
00:18:20一つ屋根の下で一つのベッド。
00:18:22何も起きないわけがなく!
00:18:24さあ、どうでも好かにゃ魔王さん!
00:18:28そ、それじゃあ寝るか。
00:18:30はい、お願いします。
00:18:33カップル夫婦プランで用意された部屋なのだから、
00:18:37このベッドは正解なんだが、
00:18:39どうしてこんなことに!
00:18:41お部屋の交換は可能ですが、
00:18:43こちらのベッドは特別製となっておりまして、
00:18:46二人で寝ると見たい夢が見られるんです。
00:18:49今晩だけでも!
00:18:51夢魔族特製の夢見のベッドか。
00:18:54珍しい品もあるものだな。
00:18:57すみません、アレンさん。
00:18:59私のために付き合っていただいて。
00:19:01気にするな。
00:19:03人の夢に入り込む夢魔族の職人が作り上げた特殊なベッド。
00:19:07俺も興味があったんだ。
00:19:11とりあえず明日も早いし、寝るぞ。
00:19:14は、はい。
00:19:22寝心地はかなり上等だな。
00:19:25枕の高さやマットレスの柔らかさも心地よっ…
00:19:28そんな簡単に寝られるか!
00:19:31アレンさん、もう寝ましたか?
00:19:34いや、まだ起きてるぞ。
00:19:36やっぱりなかなか眠れないですよね。
00:19:39シャーロットは見たい夢はもう決めたのか?
00:19:43えっと、その…
00:19:45亡くなったお母さんに夢で会えるといいなって…
00:19:49小さい頃はよく一緒に寝てたんです。
00:19:53そうか、ならますます早く寝ないとな。
00:19:57で、でもその…寝つけなさそうで…
00:20:00だったら安心しろ。
00:20:03軽い催眠魔法だ。
00:20:06これでもうじき眠りに落ちる。
00:20:09かわいい…
00:20:11おやすみなさい、アレンさん…
00:20:16お、おう、おやすみ。
00:20:23どうやら魔法が効いたみたいだな。
00:20:26寝息も一定のリズムを刻んでいる。
00:20:30肌ツヤも問題なし。
00:20:32こじかのようなまつげに、
00:20:34艶やかで健康的な唇も。
00:20:40デッドレイダーウン!
00:21:01ふぅ…
00:21:04いい夢だったか?
00:21:07はい、夢の中でお母さんに会えました。
00:21:11たくさんお話できました。
00:21:13アレンさんのお話したんですよ。
00:21:16そうか…
00:21:19母君よ、安心してくれ。
00:21:22シャーロットは俺が守る。
00:21:27お客様!
00:21:29チェックアウトのお時間ですが…
00:21:38お客様!
00:21:40チェックアウトのお時間ですが…
00:21:49アレン・クロフォード
00:21:52貴様にシャーロット・エヴァンズを守ることができるかな?
00:22:02ユノハ魔法動物園
00:22:05お前が行きたがっていた場所は、やはりここだったか。
00:22:09行くぞ!
00:22:19アレンさんは何でもお見通しなんですね。
00:22:23でもいいんですか?
00:22:25私のわがままにお付き合いいただくなんて…
00:22:28ああ、それにしてもシャーロットが魔物好きだったとはな。
00:22:32ま、魔物さんというより…
00:22:37なるほど、触れ合いコーナーに行きたかったのか。
00:22:41はい、小さな頃絵本で読んだことがあって、いつか行ってみたいなって思ってたんです。
00:22:47よし、だったら今日は全力で楽しもうじゃないか!
00:22:51子供に戻った気になってな!
00:22:53はい!
00:22:54欲しいものがあれば遠慮なく言うがいい!
00:22:57何でも買ってやる!
00:22:59何でもなんて悪いです。
00:23:03だ、だったら…
00:23:05こ、これをお願いします。
00:23:07二つあるわ。
00:23:09その…アレンさんも一緒に付けませんか?
00:23:14よし!
00:23:16ご、ごめんなさい。こんな子供っぽいのアレンさんは嫌ですよね。
00:23:21え?まだ分かるか!
00:23:23店員、会計を頼む!
00:23:28決戦の時は間もなくだ。
00:23:34とっても似合いです。かわいいです、アレンさん。
00:23:38そうか。それを言うなら、シャーロットの方が似合っていると思うのだが…
00:23:47随分のどかな場所だな。
00:23:50へっ!地獄カピバラがいるのか!?
00:23:53空腹になると山を一つ壊滅させるまで暴れまわる凶暴な魔物だぞ。
00:23:58お詳しいですね、お客様。
00:24:01ですがご安心ください。今は森の奥地で休息をとっていますので。
00:24:07なるほど。平和な魔物ばかりなら安全だな。
00:24:11どうだ?気に入ったか、シャーロット?
00:24:13おお!
00:24:14ちょっと!ど、どうした?大丈夫か?
00:24:17先生!あ、あんなにもふわふわでフワフワでホロホロなんですよ!
00:24:23脳に深刻なダメージが!
00:24:26生きててよかったです。ありがとうございます、アレンさん。
00:24:31こんな天国が見られるなんて、もう思い残すことはありません。
00:24:36いや、まだ触れ合ってもいないみたいだな。
00:24:39そんなにいいものか。単なる毛まみれの魔物じゃないか。
00:24:44なあ、ともかく入るぞ。
00:24:47は、はい。心してモフモフさせていただきます。
00:24:51そこまで気に入ったのなら、少し手を貸してやろう。
00:24:55なあ、ちょっといいだろうか。
00:24:57おお、びっくりした!お客さん、僕らの言葉、喋れるんだ!
00:25:02ああ、初歩的な魔物の言語なら、多少は心得がある。
00:25:06それで、僕たちに何か用?
00:25:09実は、俺の連れがお前たちを痛く気に入ってな。
00:25:12好きなエサを買ってやるから、遊んでやってくれないだろうか。
00:25:16はい!やるよ!やるやる!
00:25:18これで買収は完了だ。
00:25:21おい、シャーロット。こっちに来て。
00:25:25魔物です。
00:25:28俺が体制した魔物たちが!
00:25:31あのお姉ちゃん、すごい!
00:25:33魔物にモテモテって、いったい何者だ?
00:25:36まさか、あいつ!
00:25:39本当に、すっごく楽しかったです。
00:25:42うん、よかったな。
00:25:48みなさんともすっかり仲良くなれました。
00:25:51そのようだな。
00:25:53彼らの泣き声を翻訳すると。
00:25:55俺らの姉さんに一筋でもくらえ!
00:25:58懐かれ方の癖が強い!
00:26:00いくら人馴れした魔物たちでも、これは少々。
00:26:04だが、こんな状況は前にも。
00:26:08シャーロット。
00:26:10ここで一つ教えておこう。
00:26:13この世には様々な魔法や特殊技能が存在する。
00:26:17中には、生まれ持っての才能が必要となるものもあってな。
00:26:22アレンさんが魔法が得意なのもそうですか?
00:26:26ああ。
00:26:27俺は魔法の才能を有しているから、
00:26:30高等技術である呪文の詠唱省略を使いこなせる。
00:26:34そしてシャーロット、お前は、
00:26:37ひょっとしたら魔物使いの才能があるのかもしれない。
00:26:41ま、魔物使い?
00:26:43その名の通り、魔物と心を通わせ、
00:26:46刺激する力を持った者のことだ。
00:26:49何の訓練も積まず、
00:26:51アレだけの魔物を魅了してしまった。
00:26:53可能性は十分にある。
00:26:55そんな力が私に…
00:26:58ああ、しかも相当素質がありそうだ。
00:27:02俺では下級の魔物と一卒を図るのがやっとだからな。
00:27:07まさか町の頃月どもがシャーロットを慕うのもそうした理由なのか。
00:27:12才能にあふれた魔物使いは、
00:27:14ペンリルなどの好意の魔物を意のままに操り、
00:27:17服従させることができる。
00:27:20人間にも効力があるという前例はなかったはずだが。
00:27:23あ、あの!
00:27:25さ、先ほど、
00:27:26プレイコーナーでたくさんの魔物に懐かれていましたよね?
00:27:30名のある魔物使いの方々ですか?
00:27:33どうした?何かあったのか?
00:27:37どうかお力をお貸しください!
00:27:39私たちではどうにもならないんです!
00:27:44魔法使いのお客様をお連れしました。
00:27:47おお!でかしたぞ!
00:27:49見たところ、まだ若いじゃないか。
00:27:52本当に。
00:27:54もしや、黒宝土家のご子息ですか?
00:27:58まあ、その通りだが。
00:28:00どこかでお目にかかったかな?
00:28:02ええ。
00:28:03アテナ魔法学院の公開講座で一度。
00:28:06おお!黒宝土家の方ならば心強い!
00:28:10私はこの魔導動物園の園長です。
00:28:14どうかお力をお貸しいただけないでしょうか?
00:28:17構わないが、一体何が?
00:28:20見ていただいた方が早いでしょうな。
00:28:32フェンリル!
00:28:33ひどい怪我。
00:28:35親とはぐれた上に密漁者にやられたようでして。
00:28:40絶滅危惧種のフェンリルは傷つけただけでも均衡型だ。
00:28:44だがその毛皮や骨などは良質な魔法道具の材料となるため、
00:28:48密漁が後を絶たない。
00:28:50この園でフェンリルを保護したのはこれが初でして、
00:28:55スタッフの誰も意思の卒合を取れないため、
00:28:58回復魔法を使える距離まで近づくことも難しく。
00:29:02確かにそれは問題だな。
00:29:05おい、話を聞いてくれ。
00:29:07俺たちは警備員だ。
00:29:09話すら聞いてもらえないとは。
00:29:12保護してからずっとこの調子で餌も食べず、
00:29:16食べられるのを待つにしても体力が持つかどうか。
00:29:20魔物使いはいないのか。
00:29:22さすがにフェンリルとなると、
00:29:25うちのスタッフもレベルが足りず。
00:29:28フェンリルさん。
00:29:31分かった。俺もできる限り協力を。
00:29:34大変です。
00:29:35母親と思われるフェンリルがこの園に向かってきています。
00:29:39何?そんな馬鹿な。
00:29:42保護した時に気配断絶魔法を使ったはずだ。
00:29:45どうしてここが?
00:29:46親の魔力がかなり上だったとしか思えんな。
00:29:49確かに100年以上この土地に住まう個体だが。
00:29:53フェンリルが有名なのは希少性だけでなく、
00:29:56純粋な強さによるものが大きい。
00:29:59弱い100年以上の個体ともなれば、
00:30:01街一つ滅ぼすことすら造作もないだろう。
00:30:04明らかにまずい時代だ。
00:30:07大人しく返すのは愚策か。
00:30:11向こうからしてみれば子供をさらった犯人だものな。
00:30:15まだ治療が済んでおりませんし、外に出すのは危険です。
00:30:19おまけに傷ついた子を見て親がどう思うか。
00:30:23火に油を注ぐだけか。
00:30:26仕方ない。
00:30:28俺がひとまず母親を食い止める。
00:30:31いくら何でも無茶ですよ。
00:30:33気にするな。俺の得意分野だ。
00:30:36その代わり万が一に備えて客の避難は頼んだ。
00:30:40すみません。分かりました。
00:30:43よし、それじゃあシャーロットも一緒に逃げる。
00:30:46アイズ!さっきおっしゃいましたよね。
00:30:49私には魔物使いの才能があるかもしれないって。
00:30:52確かに言ったが。
00:30:55それはやめておけ。危険すぎる。
00:30:58でも、何もせずいるなんて我慢できません。
00:31:02お願いします。
00:31:04危ないと思ったらすぐに逃げますから。
00:31:07あの子とお話させてください。
00:31:10シャーロット。
00:31:12お嬢様一体。
00:31:14お客様ならできるかもしれません。
00:31:17触れ合いコーナーで何の魔法も使わずに魔物たちを手懐けていましたから。
00:31:22だがあそこの魔物はおとなしい部類だ。
00:31:25いくら何でもフェンリルは。
00:31:27そうだよ。
00:31:29以前までならダメだと言ったらすぐに折れていただろう。
00:31:34出会った当初は人形のようだった少女が誰かのために戦おうとしている。
00:31:41ならば任せた。
00:31:43説得して治療を受けさせてやってくれ。
00:31:46はい。
00:31:47園長殿。どうかフェンリルの子供と対話させてやってくれないか。
00:31:52彼女には魔物使いの素質がある。
00:31:55クロフォード殿のご推薦とあらば、
00:31:58どちらにせよ私たちに打つ手はもうありませんからな。
00:32:03よし、話はまとまったな。
00:32:07これまでにもシャーロットと二人で何かすることはあった。
00:32:11だがこれは二人の初となる共同戦線だ。
00:32:16さて、フェンリルとの話し合いだ。
00:32:19はい。
00:32:33最高だね。
00:32:36ユノハリゾート警備部です。
00:32:38フェンリルがこちらに向かってきています。
00:32:41お客様は
00:32:43せっかくバカンスを楽しんでたのに。
00:32:46でも魔王さんがいらっしゃるから安全ですにゃ。
00:32:49だね。
00:32:50やはりここにいたか。
00:32:53お兄?
00:32:54お前たちがつけていたのは分かっていた。
00:32:57だがちょうどよかった。
00:33:04ユノハリゾート警備部
00:33:11一目見れば幸福を授かると言われているフェンリルだが
00:33:15それが本当なら俺の運気は凄まじいものに違いない。
00:33:21今のうちに結界を張っておくか。
00:33:26これでひとまずユノハリゾートにいる人は安全だろう。
00:33:29さて、シャーロットが子供を説得し終えるまで時間を稼ぐか。
00:33:35アイスバイト!
00:33:38足止めは成功。
00:33:40あの子供の兄弟だろうか。
00:33:48こいつが母親!
00:33:56パラダイス!
00:33:59パラダイス!
00:34:02妖道とは恐れいる。
00:34:04防御魔法が間に合わなければ負傷していたぞ。
00:34:10話を聞いてくれ、俺は。
00:34:20やはりダメか。
00:34:22仕方がない。
00:34:23やりたくはなかったが。
00:34:25いいのか、魔法を使って。
00:34:28フェンリルを傷つけたら親子の再会がままならなくなる。
00:34:32あの方を悲しませるぞ。
00:34:34お前は地獄カピガラ?
00:34:37さあよう、それは我が種族の名。
00:34:40真の名はゴーセツ。
00:34:43まさか魔道童部全能。
00:34:45ゴーセツとやらが俺に何の用だ。
00:34:48わしの目的は貴様の側から離れられないあのお方をお救いすること。
00:34:54シャーロットのことか。
00:34:56あの方の名を気安く呼ぶな。
00:34:59どうしてあいつのことを知っている?
00:35:02簡単な話だ。
00:35:04魔道童部全から抜け出し、各地をさすらっていたところ、
00:35:09あのお方に、シャーロット様に出会ったのだ。
00:35:13とても美しいシャーロット様をどうにか助けねばと思っていたところ、
00:35:19お前が現れた。
00:35:21そして知ったのだ。
00:35:23シャーロット様の根も葉もない噂の数々を。
00:35:27あの美しい方が悪女なわけがない。
00:35:30実際にその後の生活を見て、そう確信が持てた。
00:35:35そして同時に気づいたのだ。
00:35:37シャーロット様の身を守るためには貴様を排除する必要があると。
00:35:42なるほどな。
00:35:43つまりは嫉妬しているというわけか。
00:35:46ふざけるな!
00:35:54この威力、さすが地獄カピバラだ。
00:35:57貴様は生ぬるい。
00:35:59シャーロット様とただ満々と日々を過ごすだけで、
00:36:02あの方を救うわけもしない。
00:36:04ただの怠惰だ。
00:36:06怠惰だと?
00:36:07聞き捨てならんだ。
00:36:09貴様はシャーロット様を救うのではなく堕落させているだけ。
00:36:13ならお前はどうするつもりだ。
00:36:16封じていた力を解放してお前を倒し、
00:36:19そしてニールズ王国を滅ぼす。
00:36:23滅ぼす?
00:36:24そんなことしてシャーロットが喜ぶと思うのか?
00:36:27だから貴様はぬるいのだ。
00:36:30あの国はシャーロット様を苦しめた元凶。
00:36:33すべての一切合切を怪人にきし、
00:36:36至算決断を見事に開いてみせて死んぜよ。
00:36:39邪魔をするなら容赦はしない。
00:36:42ペンギルたちにはお前が子供をさらった犯人だと伝えてある。
00:36:48ワシが相手をするのでもないかもしれんだ。
00:36:51なるほど。ペンギルの誘導作戦はお前のいれじえか。
00:36:56地獄カピバラにペンギルの大群か。
00:36:59全力で向かい撃つにしても無事で済むかどうか。
00:37:06あれは!
00:37:10アレルタ!
00:37:12シャーロット!治療は終わったのか?
00:37:15はい。あれから頑張ってこの子に話しかけたら治療に応じてくれたんです。
00:37:20シャーロット、頼もしくなったな。
00:37:23はい。
00:37:24で、あれは一体?
00:37:26ヴァレンさんの元に行こうとしたらみなさん心配だとおっしゃって。
00:37:31まさか、魔物の言語がわかるのか?
00:37:34はい。なんとなくですけどわかるようになりました。
00:37:40俺は初歩的な魔物言語の修読に半年ほどかかったものだが、
00:37:45これはきちんと訓練すれば俺の隣に立てる実力の魔物使いに育つのでは。
00:37:51では、あの親子の会話が何を意味しているのかわかるか?
00:37:55はい。えっと、え?
00:37:59ペンギルのお母さんはアレンさんが密漁所だと誤解してたみたいです。
00:38:04その嘘も吹き込んだの?
00:38:07シャーロット様、その男から離れ。
00:38:11わしのもとに来るのです。
00:38:13ざれ事!まだ言うか!
00:38:15その男はあなたをもっと不幸にする。
00:38:18国から逃げてきたあなたのために報復をしようともせず、
00:38:22平らな道へ誘うばかり。
00:38:24それは違います!
00:38:26アレンさんは私に恐れるもののない穏やかな日々をくれたんです。
00:38:30一緒にいて私は生きることができたんです。
00:38:35アレンさんを悪く言うのは私が許しません。
00:38:38そ、そこまで言わなくてもだな。
00:38:40わしならば、あなたを正しくお救いできると言うのに。
00:38:45ならば力づくで連れて行くまで。
00:38:49下がっていろ、シャーロット。
00:38:51アレン・クロフォード!それでシャーロット様が救えるものか!
00:38:56馬鹿ましい!
00:38:57俺もあの国に乗り込もうと何度思ったことか!
00:39:00アレンさん…
00:39:01だが俺はこいつが決断するまで待つ!
00:39:04貴様のやり方では、シャーロットが苦しむだけだ!
00:39:08悪を裁くことの何が悪い!
00:39:10シャーロット様もそれを望んでおられるはずだ!
00:39:15ならば待たず見過ごせんな。
00:39:18何?
00:39:19シャーロットにいけないことを教え込むのは、
00:39:22この俺だけの特権だ!
00:39:31大丈夫か?
00:39:33やりすぎて悪かったな。
00:39:38とても良い拳でしたぞ。
00:39:40思いは十分伝わりました。
00:39:43互いを思い合う若者たちの邪魔をするのは、
00:39:47いくら何でも部粋というものでございましょう。
00:39:50ん?互いを思い合う?
00:39:52その証拠が貴様の頭についておりますよ。
00:39:56一体何の話?
00:39:58あ!
00:39:59え、こ、これ、これ、これ、これはね?
00:40:03今回は誠にありがとうございました。
00:40:06聞きましたよ、お客様。
00:40:08フェンリルを救ってくださったとか。
00:40:11まあな。
00:40:12ちなみにその功労者はこいつだ。
00:40:15え?
00:40:16そんな、フェンリルさんの怪我を治したのは、
00:40:19動物園の皆さんです。
00:40:21私はお話をしただけで、大したことは。
00:40:25だがお前がいなければ、
00:40:27こうしてマルクは収まらなかった。
00:40:29これはお前の手柄だ。
00:40:31胸を張るといい。
00:40:33私の…
00:40:34ありがとうございます、お客様。
00:40:37これでまた、
00:40:38あの子たちの元気な姿が見られます。
00:40:41はい。
00:40:43温泉旅行は楽しくもあり、
00:40:45シャーロットにとって、
00:40:46得るものの多いイベントとなったようだ。
00:40:49多少プランには思うところがあったものの…
00:40:54場所の用意はできておりますよ。
00:40:56こちらへどうぞ。
00:40:58さあ、それでは帰るか。
00:41:00はい。
00:41:01どうもお世話になりました。
00:41:03ってあれ?
00:41:09フェンリルです!
00:41:10人も大勢!
00:41:11こんなに近くで見られるなんて、
00:41:13二百年生きてきて初めてです!
00:41:18ひょっとして挨拶に来てくれたのか?
00:41:20ア、アレンさん。
00:41:22忘れていました。
00:41:24フェンリルさんに怪我をさせた密漁舎が…
00:41:26密漁舎なら捕まえておいたよ!
00:41:28またフェンリルの子供を狙っていたみたいですにゃ。
00:41:32エルアーカさん、ミアハさん。
00:41:34リゾート内で出くわしてな。
00:41:36密漁舎を捕まえるよう頼んだんだ。
00:41:39すごいです。
00:41:41でも、どうしてこの場所にいるんですか?
00:41:44どうしてですかにゃ。
00:41:46偶然ってあるものね。
00:41:49さて、
00:41:50密漁舎の顔を拝んでおくか。
00:41:53あとちょっとで高く売れたのにゃ!
00:41:55覚えてな!
00:41:56つま逃さないからな!
00:41:58お前にせったら金も殺されない!
00:42:00ほう、反省の色なしか。
00:42:03ならば。
00:42:08大丈夫だ。
00:42:09今魔法でお前たちの防御力を高めておいた。
00:42:14これでフェンリルたちも安心して遊べるぞ。
00:42:17お前たちと。
00:42:21アレンさん、この子私たちについて行きたいと言っています。
00:42:25いいのか?大事な子供だろうに。
00:42:28ご家族と離れて寂しくないんですか?
00:42:32お客様のご自宅は確かグロル地方ですよね。
00:42:36フェンリルならここまで小一時まで来ればいいのに。
00:42:40お客様のご自宅は確かグロル地方ですよね。
00:42:43フェンリルならここまで小一時まで来ればいいのに。
00:42:46お客様のご自宅は確かグロル地方ですよね。
00:42:49ここまで小一時間で帰って来れちゃいます。
00:42:52なるほどな。ちょっとしたホームステイってことか。
00:42:57よし、ならば俺の家に来るといい。
00:43:00シャーロットと仲良くしてやってくれ。
00:43:03いいんですか?私だけじゃなくてこの子まで。
00:43:07構うものか。
00:43:09屋敷は広いし気兼ねなく散歩できる環境も十分だ。
00:43:14それに家族が増えるのはいいことだろう。
00:43:17家族?私もですか?
00:43:21何を言うか当たり前だろ。
00:43:24お前は俺の家族当然だ。
00:43:30どうした?何かおかしなことでも言っただろうか。
00:43:34なんでもないです。
00:43:38鈍感なくせに大胆なのよね、お兄。
00:43:41罪なお人です。
00:43:44な、なぜお前が乗っている?
00:43:47ご迷惑をおかけしたお詫びにシャーロット様の身分敬語をさせていただきたい。
00:43:52あの、ずっと気になっていたのですが。
00:43:55ん?
00:43:56どちら様ですか?
00:43:59今さら何をおっしゃいますやら。
00:44:01あなたを愛する家族ですよ。
00:44:04勝手に家族になるな!
00:44:06おむつに買いに!
00:44:08本当の進行旅行の際にはぜひとも我がホテルをお使いくださいね。
00:44:18それでは、ルーちゃんとお散歩に行ってきますね。
00:44:22ああ。
00:44:27ルー、シャーロットをよろしくな。
00:44:32あれ?
00:44:34行きますよ、ルーちゃん。
00:44:39ふむ。
00:44:42湯の端方への旅行でフェンリルのルーが我が家の仲間に加わり。
00:44:47おかげでシャーロット様と、
00:44:49いけないことをする時間がめっきり減ってしまわれた。
00:44:55ルー殿にシャーロット様を取られてしまい、お寂しそうですな。
00:45:00ゴーセツ、お前いつまでいるつもりだ?
00:45:03いつまでも何も。
00:45:05何せシャーロット様の家族ですからな。
00:45:08俺は認めた覚えはないぞ。
00:45:11つれないですな。
00:45:13アレン殿もシャーロット様を愛する気持ちは、
00:45:16わしと同じでしょ?
00:45:18あ、あい?
00:45:24ま、ま、家族として、な。
00:45:27いやで。
00:45:29確かに、この地獄カピバラの言う通り、
00:45:32シャーロットとの時間が減ったのは、
00:45:34多少寂しくは感じる。
00:45:39だが、うれしいことにシャーロットには目標ができたんだ。
00:45:43魔物使いになる、という目標が。
00:45:49ユノハ地方から帰ってきた夜。
00:45:53アレンさん、魔物使いについて、
00:45:56きちんと学ばせてもらえないでしょうか。
00:45:59こんなに前向きになったのか。
00:46:02初めて来た時は、
00:46:04何時間も床の木目を数えるだけだった少女。
00:46:08そうか。よし、
00:46:10それでは基礎からみっちり教えてやろう。
00:46:14よろしくお願いします。
00:46:18それからのシャーロットは、
00:46:20とにかく勤勉で優秀。
00:46:22飲み込みが早く、
00:46:24毎晩遅くまで予習復習に時間を割くほど熱心で、
00:46:29実績に色々と調べる意欲にもあふれる、
00:46:32素晴らしい生徒だった。
00:46:39魔物使いの勉強をし始めてから、
00:46:42毎日シャーロットの新しい一面を発見している気がするな。
00:46:47じゃあ、やってみろ。
00:46:51それじゃあ、
00:46:54行きますよ。
00:46:59お願いします。
00:47:30よくできましたね、ルーちゃん。
00:47:34もう完璧だな。
00:47:36ここまでフェンリルと意思の疎通ができた魔物使いもいないだろう。
00:47:41まさに天才だ。
00:47:43さすが俺の可愛い教え子。
00:47:46どさくさに紛れて、
00:47:48可愛いというのを伝えたかっただけに見えますが。
00:47:52そんなわけあるか。
00:47:54というかお前はマジで帰れ。
00:47:56動物園に帰ってくれ。
00:47:58何度言えばわかるのですか。
00:48:00わしの家はここです。
00:48:03はい、ルーちゃん。
00:48:04ご褒美ですよ。
00:48:07シャーロットも偉いが、お前も偉かったぞ。
00:48:15ルーちゃん、だめですよ。
00:48:17人を噛もうとしちゃう。
00:48:20すみません、アレンさん。
00:48:22いや、大丈夫だ。
00:48:24だがこの通り、ルーとこれほど信頼関係を築けるのは、
00:48:28お前しかいないという証明だな。
00:48:31そんな。
00:48:32確かに。
00:48:34シャーロット様は、わしの見立てでは、
00:48:36もう十分ビーストコンバセーションもできるレベルかと思いますぞ。
00:48:42ビーストコンバセーションですか。
00:48:44心を通わせた魔物さんの言葉を、
00:48:47人間の言語に強制変換する魔法、ですよね。
00:48:51さすが、よく勉強しているな。
00:48:54ありがとうございます。
00:48:56この前読んだ本に書いてありました。
00:48:59そういえば、
00:49:01ゴーセツさんは何でおしゃべりできているんでしょうか。
00:49:05確かに。
00:49:06何か魔法がかかっているのか。
00:49:09もし参考になるなら、詳しく。
00:49:11独学!
00:49:13わしは長く生きておりますゆえ、
00:49:15自力で人間の言語を習得しました。
00:49:22だが、ビーストコンバセーションが
00:49:24フェンリル相手に成功した事例は聞いたことはない。
00:49:27まだ挑戦するのは早いんじゃないか。
00:49:31ぜひ、やらせてください。
00:49:34ビーストコンバセーション。
00:50:05ルーちゃん、何かお話してくれませんか。
00:50:10気にするな。
00:50:11まだまだできなくて当然の魔法なんだが。
00:50:14お前、何でママの体に触ってんの。
00:50:18ルーちゃん、おしゃべりできるんですね。
00:50:21え、ほ、ほんとだ。
00:50:23ルー、ママとおしゃべりしてる。
00:50:25ママ?
00:50:26わたし、ママとおしゃべりしてる。
00:50:29ママ、ママとおしゃべりしてる。
00:50:32ママ、わたしもルーちゃんとお話できて嬉しいです。
00:50:36やったー!
00:50:38ルーちゃん、ちょっと待ってください。
00:50:42だから言ったでしょ。
00:50:44あのお方は特別なんですよ。
00:50:47やはり俺の可愛い教え子だ。
00:50:54あ、しかしルー殿は
00:50:56やはりアレン殿のことを嫌っておられるのですが。
00:51:00そんなことはないよな。
00:51:13ルーにも専用の水浴び場があった方がいいと思ったな。
00:51:17ルーと話せるようになったお祝いだ。
00:51:20ありがとうございます。
00:51:22よかったですね、ルーちゃん。
00:51:24うん。
00:51:25ほら、ルーちゃん。
00:51:27ちゃんとお礼を言わなきゃダメですよ。
00:51:30ありがとう。
00:51:32ルーちゃん、もうちょっと大きな声で言いましょうね。
00:51:36言えただけ十分だ。
00:51:38ほら、一緒に遊んでこい。
00:51:43なぜお前が先に使ってるんだ!
00:51:45家族ですからな。
00:51:47ペンリルと人間専用だ!
00:51:49地獄カピバラの使用は想定していない!
00:51:53それはカピバラ差別というものですぞ。
00:51:56カピバラ差別というものですぞ。
00:52:01ルーも入っちゃおーっと!
00:52:12カピバラ禁止とあらば、いたしかたなし。
00:52:17地獄森林ネズミ流奥義。
00:52:20水面の揺らめき。
00:52:26人間の街にてグルメを堪能すべく得した、
00:52:29天下の技ではございますが、
00:52:32ちょうど良い機会。
00:52:34いかがですかな?
00:52:38というか、お前、
00:52:40メスだったのか。
00:52:42そこですか。
00:52:44ルーちゃん、冷たいですよ。
00:52:46冷たいですよ。
00:52:48冷たいですよ。
00:52:50冷たいですよ。
00:52:52冷たいですよ。
00:52:54ルーちゃん、冷たいですよ。
00:53:00平和だな。
00:53:02いつまでもこの河原の日々が続けば。
00:53:06なんて、がらにもない考えだな。
00:53:11しかし、初めてここにやってきた時と比べ、
00:53:14だいぶ変わったな。
00:53:18心臓がおかしい。
00:53:20さすがに無理やり飛びすぎたか?
00:53:23え?
00:53:27それとも?
00:53:31アレンさん、どうしたんですか?
00:53:34いや、なんでもない。
00:53:36それよりシャーロット、
00:53:38そろそろ上がらないか?
00:53:43そうですね。
00:53:45ルーちゃんとゴーセットンは、
00:53:47もう少し遊んでますか?
00:53:49うん。
00:53:52では、先に上がりますね。
00:53:54ごゆっくりどうぞ。
00:53:56うん。
00:53:59アレンさん。
00:54:01本当に、何から何までありがとうございます。
00:54:05何を今さら。
00:54:07言っただろ?
00:54:09お前にはありとあらゆるいけないことを教え込むと。
00:54:12このくらいのは些細なことだ。
00:54:15なんなら、流れるプールだって作ってやるぞ。
00:54:18本当に広いお庭で、流れるプールも作れちゃいそうですね。
00:54:23ああ、前の持ち主も持て余してたのか。
00:54:27庭にはほとんど手が付けられてなかったようだしな。
00:54:30アレンさんの前にも住人さんがいらっしゃったんですか?
00:54:34ああ、俺は会ったこともないが、
00:54:37その住人は、
00:54:39失踪したらしいんだ。
00:54:42え?
00:54:4430年前、この家に住んでたのは変わり者のエルフらしくてな。
00:54:49街にも寄りつかず人付き合いもせず、
00:54:52何かに追われるように机にかじりついていたそうだ。
00:54:55だがある日、忽然と姿を消したんだ。
00:54:59度重なる研究の失敗を食い、崖から身を投げたとか、
00:55:03己の生み出した魔物に食い殺されたとか、
00:55:06禁忌を犯して体中がキノコに寄生されて今も彷徨っているとか。
00:55:12まあ、そんな噂があったおかげで、
00:55:15この屋敷は相場よりはるかに安く。
00:55:20しまった。やりすぎたか。
00:55:23すまん、シャロット。
00:55:27まさか。
00:55:29おい、ゴーセス。大丈夫か?
00:55:35何ですかな?
00:55:37生きてたか。
00:55:39しかし、何なんだこれは。
00:55:42何なんだというのが現象についてなら、
00:55:45わしにも分かりません。
00:55:47浮いているものについてなら、キノコでしょうが?
00:55:51いや、キノコなのは分かって…
00:55:53こら!
00:55:56僕の大事なキノコを盗んだのは、おたくらっすね!
00:56:00お?キノコ?
00:56:03キノコばっけ。
00:56:10いや、さっきはびっくりさせちゃったっすね。
00:56:15申し訳ないっす!
00:56:17はあ。
00:56:18えっと…
00:56:20アレンシー…でしたっけ?
00:56:23キノコを盗もうとしたわけじゃないのは分かったっす。
00:56:27というか貴様、何者だ?
00:56:30そういや、自己紹介がまだでしたね。
00:56:34僕はトロテアグリムバレンシュタイン。
00:56:37トロテアグリムバレンシュタイン。
00:56:39奇策にトロテアさんと呼んでほしいっす!
00:56:43またややこしそうなやつが…
00:56:46お?いや、待て。
00:56:48見たところしばらく住みついていそうだが、
00:56:51今まで気配を感じたことはないぞ。
00:56:54ん?
00:56:55まさか…
00:56:57おばけさんですか?
00:56:59え?
00:57:02やっぱりいらしたんですね。
00:57:04おばけ?
00:57:06何の話っすか?
00:57:07そうか、聞きたいのは僕の方っす。
00:57:10あんたたちこそ何者なんすか?
00:57:13アレンさん…
00:57:15何者って…
00:57:17この上の屋敷に住んでいる者だが?
00:57:20はあ!
00:57:21上の屋敷って僕の家っすよ!
00:57:24何をわけのわからないことを…
00:57:27まさか貴様…
00:57:2930年前に失踪したエルフか?
00:57:32えええええ!
00:57:34ん?
00:57:3530年…
00:57:41いや、30年も経てば変わるもんっすね。
00:57:45こんな珍しい魔物さんたちも住みつくようになるとは。
00:57:49アレン殿、このお方おそらくダークエルフでは…
00:57:53確かに、おかしなやつだと思ったが…
00:57:56おお!ご存じとは!
00:57:58さすがは地獄カピバラさんっすね!
00:58:01何なんですか、それ?
00:58:03エルフの中でも特にエリートとされる希少種だ。
00:58:07ほぼ伝説上の…
00:58:09ダークエルフとなれば、飲まず食わずでも、
00:58:12大気中の魔力を取り込むだけで100年は生きていられましょう。
00:58:17しかしまあ…
00:58:19フェンリル、地獄カピバラときてダークエルフか…
00:58:23こんなスリーショットを見たことある奴なんかいないだろうな…
00:58:27というか、ダークエルフが30年も身を隠さなきゃいけない事情って…
00:58:32一体なんだ?
00:58:33僕って失踪に扱いなんすよね…
00:58:37まずい!
00:58:38そうだが…
00:58:40いやー、やっぱそうなんすねー
00:58:43前の住人がいたとなると、この家の権利は…
00:58:48間違いなく法的に揉める案件だ!
00:58:52だが、お尋ね者のシャーロットが暮らすのに、
00:58:55ここよりいい場所なんてない。
00:58:57ルーやゴーセツにしてもそうだろう。
00:58:59何としてもここは丸く収めないと…
00:59:04ドロテア、物は相談なんだが…
00:59:07なんすか?
00:59:08申し訳ない話だが、この屋敷を譲ってもらえないだろうか…
00:59:20別にかまわねーっすよ!
00:59:23僕は地下室が主張に合ってますから、
00:59:26屋敷は好きに使ってください!
00:59:28た、助かる!
00:59:30それじゃあ、金額などは改めて話し合いを…
00:59:33いや!お金なんかいりません!
00:59:37その代わり、ちょっとした交換条件を出させてもらおうかと…
00:59:41ぜひ!僕を救出から助けてほしいっす!
00:59:47できれば金の方が手っ取り早くて助かるんだが…
00:59:51あの…お困りのようですし、
00:59:54お話を聞いてあげられませんか?
00:59:58いや、とはいえ…
01:00:00わ、私にもできることがあれば力になります!
01:00:04ママがやるならルーも手伝う!
01:00:06わしも助力いたしますぞ!
01:00:13わかったわかった、ひとまず話を聞かせてくれ…
01:00:18マジっすか!?アサース!
01:00:21でも、お願いしたいのはアレン氏とシャーロット氏だけなので…
01:00:25お二人がいてくれたら大丈夫っす!
01:00:32それで、お前を救出から救うために、
01:00:35俺たちは何をすればいいんだ?
01:00:37まあ、その前にちょっと僕の話をしてもいいっすか?
01:00:42僕はもともとホラーにミステリー、
01:00:45社会派に歴史者と何でもござるのマルチ作家だったんっすよ!
01:00:50文壇からもてはやされ、
01:00:52実際僕自身、自ら天才だと自負もしてたんっす!
01:00:57でもある時、恋愛小説を書こうとして…
01:01:01超特急のスランプに陥っちゃったんっす!
01:01:05締め切りが来ても、一文字も書けず…
01:01:09それで、追い込まれたわマリー…
01:01:12マリー…
01:01:17まさかとは思うがお前、
01:01:20締め切りから逃げるために30年もあの地下室に引きこもっていたのか?
01:01:25だってうちの担当編集めっちゃ怖いですもん!
01:01:30こいつ、控えめに言ってもクズですな!
01:01:34うん、うん
01:01:35やっぱりこんなやつ、助ける義理は…
01:01:39やっぱこの屋敷、手放すのは惜しくなってきたっすね
01:01:44まあ、困ってる奴は放ってはおけないしな
01:01:47でも、30年にわたる僕のスランプもここまでっす!
01:01:53お二人を見て、僕はビビッときたんっす!
01:01:57この組み合わせは間違いなく、受けるに違いないってね!
01:02:02そう…なんですね…
01:02:05僕はまた、自分のすっばらしい作品で世の人たちに喜んでもらいたいだけなんっすよ!
01:02:13わかってくれますよね、シャーロット氏!
01:02:16は、はい…
01:02:18それで、具体的に何をやると?
01:02:22うんうん、俺様キャラと可憐な少女は面白い設定じゃないっすか!
01:02:29僕のセンサーにピンピンくるっすよ!
01:02:34おい、聞いてるのか?何をさせたいんだ?
01:02:38ふっふっふ、そんなの決まってますよ
01:02:42ん?
01:02:43さあお二人とも、非大の小説家、このドロペア・グリム・ヴァレンシュタインの新作のために
01:02:50今ここでいたずいてもらいましょうか!
01:02:56おーい!
01:03:05クロフォード様、どうしてあなたはクロフォード様なの?
01:03:09今日限りで、クロフォードの名は知ってる!
01:03:12だから、俺とこの街を出て、一緒に暮らそう!
01:03:16はい!
01:03:35シャロット
01:03:38ヴァレンさん
01:03:46カッター!
01:03:48何魔法で楽しちゃってくれてるんすか!
01:03:57いや、そうではないのだな
01:03:59じゃあなんすか?
01:04:01その、お姫様抱っこはやはり恥ずかしくてだな
01:04:06おんどれは小学生なんすか!
01:04:14二人が自発的にイチャつけそうにないから
01:04:17こっちが台本を用意したっていうのに、なんなんすか?
01:04:21やはり安易に引き受けるんじゃなかった
01:04:24さあお二人とも、非大の小説家、このドロペア・グリム・ヴァレンシュタインのために
01:04:30今ここでイチャついてもらいましょうか!
01:04:35何もチューしろとは書いてないじゃないすか
01:04:38チュー?
01:04:40ただ台本通りにイチャつく
01:04:42そしたらこの屋敷はアレンシュたちのものになる
01:04:44僕も次回作の参考になる
01:04:46ウィンウィンじゃないすか!
01:04:49これも屋敷のためだ
01:04:51俺に選択肢はない
01:04:53だが
01:04:54いや、やはり断らせてもらいたい
01:04:58いや、やはり断らせてもらおう
01:05:01シャーロットも嫌だろうしな
01:05:03わ、私ですか?
01:05:05好きでもない男とイチャつくなど、到底無理な話だ
01:05:09えっと、無理じゃないですよ
01:05:13そら、シャーロットもこう言って
01:05:18アレンさんなら、全然嫌じゃ
01:05:22アレンさん!
01:05:24だ、だ、大丈夫ですか?
01:05:27大丈夫だ
01:05:28少し我を失いかけたから応急処置をしたまでだ
01:05:32だ、大変です
01:05:34お顔が血だらけじゃないですか
01:05:36あ、あ、うん、問題ない
01:05:39ナチュラルにイチャついてますな
01:05:41それっすよ!それをもっとやってくれればいいんすよ!
01:05:45まあ、お二人にお任せだとさすがの僕もロース意志しちゃうんで
01:05:49台本通りにイチャついてもらうっすけど
01:05:52一度演じてみてわかった
01:05:54こいつの台本を演じるのは色々な意味で危険だ
01:05:58だが、従わなければ屋敷を追い出されるやもう
01:06:02アレンさん、頑張りましょう
01:06:04シャーロットが乗り気である以上、腹をくくるしかないようだな
01:06:09いいだろう、やってやる!
01:06:11ただし、王女両族に反するような行為は断固として拒否するからな
01:06:17望むところっす
01:06:19ワシも互いを思いやう若者たちの一助になるよう、力をお貸ししましょう
01:06:25ママはルーだけのママだもん、手助けなんてしないもん
01:06:29でも楽しそうだし、手伝ってあげてもいいけど
01:06:33よーし、決まりっすね!
01:06:35これが新しい台本なんで、この通りにやってくれればいいっすから!
01:06:44ザ・チンコンテ!
01:06:50よーい、アクション!
01:07:02ただいま、帰ったぞ
01:07:04ちょっと!この台本役者、黙りすぎっすよ!もう少しナチュラルに!
01:07:09す、すまん、人に見られていると思うと緊張してしまって
01:07:14だいたいなんだよこの格好!
01:07:16僕が考えた設定に文句つけるなら、屋敷を返してもらうっすよ!
01:07:21え、そりゃ困る!次からはちゃんとする!
01:07:24じゃあもう一度!よーい、アクション!
01:07:30ただいま、帰ったぞ
01:07:32あ、旦那様、お帰りなさい
01:07:39まただ
01:07:41どうかしました?
01:07:43どうかしました?
01:07:45あ、いや、なんてもない
01:07:48ねえ、ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも…
01:07:56わ、た、し?
01:07:59クラウンドカット!
01:08:02ちょっと何やってくれちゃってるんすか!そんな演技指導はしてないっすよ!
01:08:07バレンさん、大丈夫ですか?台本通りに読んだつもりだったのですが、何かいけませんでしたか?
01:08:14いや、何も悪くないぞ
01:08:16悪いのは…
01:08:18ドロテア、お前だ!シャーロットになんて台詞を言わせているんだ!
01:08:22えー、これくらい普通っすよ
01:08:25いいか?シャーロットに変なことを言わせるのは禁止だ!
01:08:29わかったっすよ
01:08:31くそ、屋敷の所有権問題さえなければこんな茶番!
01:08:36じゃあ開催するっせ!よーいアクション!
01:08:41今日はシチューを作ってみたんです。ニンジンもほら、うさぎさんにしてみたんですよ
01:08:47さすがシャーロット、自然な演技ができている。これなら世界一の女優も目指せるぞ
01:08:54冷めないうちに食べてください
01:08:57ああ、いただきます
01:08:59はい、あーん
01:09:03あーん
01:09:06俺だって、やるときはやるんだ
01:09:09おいしい?あーたん
01:09:12あ、あーたん!?
01:09:14カットカットー!
01:09:17ふぅ、いい感じだったんすけどね
01:09:20アレンさん、大丈夫ですか?
01:09:23おいドロテア、あーたんってなんだ、あーたんって!
01:09:27そりゃ新婚さん設定なんで、お互い愛称で呼ぶのが普通っすから
01:09:32ちなみにシャーロット氏のことはシータンっす
01:09:36シータン!?
01:09:38まあいい、これが本当にお前の次回作の参考になるのならば
01:09:43もちろんっすよ
01:09:45俺たちをおちょくって楽しんでいるだけにしか見えないのだが
01:09:50新婚さんの設定はこれくらいにして、次やるっすよ
01:09:54次は学園ものっす
01:09:56まだ続くのか
01:09:58うわー、今回はお二人以外にも登場人物がいるんでした
01:10:03誰かできそうな人は
01:10:06僭越ながら、わしが勤めましょう
01:10:13これでどうですかね?
01:10:16というか、ゴーセツ氏、メスだったんすね
01:10:19いや、そこですか
01:10:21まあ、敗役にはぴったりっす
01:10:23ルーンもやるー
01:10:25オーケー、じゃあいくっすよ
01:10:28おーい、キャッチャー
01:10:31一匹狼のヤンキー、アレン・クロフォード
01:10:35ある日、幼馴染のシャーロットが不良どもにとらわれてしまう
01:10:39アレンは彼女を助けるため、単身敵地へと乗り込むのであった
01:10:45大丈夫か、シャーロット
01:10:47来たな
01:10:49シャーロットを返せ
01:10:51女を返して欲しければ、力づくで奪い返してみな
01:10:55後悔するぞ
01:10:57お手並み拝見され
01:11:18噂通り、そこそこ骨があるよね
01:11:22あたいらの仲間になりな
01:11:24断るっ
01:11:26そんなこと言って
01:11:28あの子がどうなってもいいのかい
01:11:32なんだと
01:11:37シャーロットに指一本でも触れてみろ
01:11:39肉剣一つ残らず擦り下ろすぞ
01:11:47ああ
01:11:55これほどとは
01:11:57大丈夫か、アレン
01:12:00大丈夫か、シャーロット
01:12:02ごめんなさい、私のせいでこんなことに
01:12:06すまん、喧嘩するつもりはなかったのだが
01:12:10いえ、私を助けるためだったんですから
01:12:15私がアレンさんを怖がるはずがありませんよ
01:12:19俺の
01:12:23俺の大切な女だ
01:12:27懐かしいな
01:12:29かつてゴロツキに絡まれた時も同じようなことが
01:12:33ハンカチを濡らしてきますね
01:12:36いかん、台本ではここでシャーロットを追いかけるんだったな
01:12:40待ってくれ
01:12:43どうしたんですか
01:12:46確かここで壁ドンと顎食いの片寸
01:12:50ってなんだそれは
01:12:52聞いたこともない行動だぞ
01:12:54壁にドンだから壁に手をつけばいいのか
01:13:01あ、いや、これは
01:13:04まただ
01:13:06シャーロットを見ていると不意に心臓が大きく跳ねる
01:13:11彼女の仕草や行動の一つ一つが
01:13:14俺の心をかき乱す
01:13:17まさか俺はシャーロットのこと
01:13:21アレン、あんたにとってその女はなんなのさ
01:13:25敵地に一人で乗り込んでくるなんてよっぽどさね
01:13:29俺にとってのシャーロットは
01:13:33これは演技だ
01:13:35本当に告白するわけではない
01:13:37だから
01:13:41俺は俺はシャーロットの
01:13:44保護者だ
01:13:46だからいつもそばで見守っている義務があるんだよ
01:13:49カットカット
01:13:51ちょっと何台本と違うセリフを喋ってるんか
01:13:54そこは俺の大切な女だって告白をするところなのに
01:13:59アドリブだ
01:14:00こっちのセリフがいいと思ったから変更したまでだよ
01:14:03なんか低欲逃げられた感じっすね
01:14:07まあいいっすけど
01:14:12優しいシャーロットのことだ
01:14:15俺が告白をすればその気がなくても
01:14:18俺の気持ちに応えようとするだろう
01:14:21それは本当にいけないことだ
01:14:31次はシンデレラストーリーをやってもらうっす
01:14:34まだやるのか?
01:14:35もちろんっすよ
01:14:37いい加減疲れた
01:14:39シャーロットからもドロテアに言ってやってくれ
01:14:42私は楽しいです
01:14:44でもアレンさんがお疲れでしたらこの辺で
01:14:47この程度で疲れるものか
01:14:49まだまだやれるぞ
01:14:51ありがとうございます
01:14:53ドロテアさん私ちゃんとできていますか?
01:14:57演技は初めてで
01:14:59シャーロット氏はバッチリっす
01:15:01ありがとうございます
01:15:03これが次の台本っす
01:15:05アレン氏には白馬の王子様役を
01:15:08シャーロット氏には不遇でかわいそうな姫様役をやってもらうっす
01:15:13あと意地悪なママ母役を豪雪氏に
01:15:17ルーは?ルーは?
01:15:19ルー氏にはとっておきの役があるっすよ
01:15:22わーい
01:15:23配役も決まったんで本番行くっすよ
01:15:26よーいアクション
01:15:29見かけの子であったシャーロットは
01:15:32ママ母に毎日ひどい仕打ちを受けていました
01:15:36なんだか昔を思い出します
01:15:39アレンさんのお屋敷でお世話になる前は
01:15:42公爵家のお掃除が日課でしたもの
01:15:48埃が残っているわ
01:15:50全てやり直しよシャーロット
01:15:53ごめんなさいお母様
01:15:55まあいいよ
01:15:57我が家にも王国から武闘会の招待状が届いたのだけれども
01:16:02あなたは私が帰ってくるまでに
01:16:05屋敷をきれいにしておきなさい
01:16:07はいお母様
01:16:13こんな生活もう嫌
01:16:17どうして私がこんな目にあわなきゃいけないの
01:16:25あなたは?
01:16:26私は魔法使い
01:16:28かわいそうなあなたを武闘会に連れて行ってあげる
01:16:38わあきれい
01:16:40では参りましょう
01:16:57お母様の言いつけも守らず
01:16:59私なんかが武闘会に来てよかったのかしら
01:17:06あの子はどうしてここに
01:17:13まさかあの人は王子様
01:17:19とても素敵だな
01:17:21ありがとうございます
01:17:26王子様姿のアレンさん素敵です
01:17:30その良ければ俺と踊ってくれないだろうか
01:17:35でも私踊ったことなんてなくて
01:17:39奇遇だな俺もださあ踊るぞ
01:17:47はい
01:17:49顔を上げてくれ
01:17:51その方がお互いの息を合わせられそうだ
01:17:54は、はい
01:18:03なんだか
01:18:07胸がドキドキして
01:18:10アレンさんといると私
01:18:16勝ったー
01:18:20シャーロット氏最高にお姫様でしたっす
01:18:23ありがとうございます
01:18:25アレン氏はそこそこでした
01:18:27なんてだ俺だってしっかりやっただろ
01:18:30なんだか
01:18:32アレン氏はそこそこでした
01:18:35なんてだ俺だってしっかりやっただろ
01:18:38ママお水だよ
01:18:40お疲れ様です
01:18:42ありがとうございます
01:18:45シャーロット様さすがの名演技ですな
01:18:49そんなことないですよ
01:18:51ルー俺にも水をくれ
01:18:55お前
01:18:57アレンさん良かったら私のをどうぞ
01:19:01いや、結構だ
01:19:05そろそろ最後のシーンいくっすよ
01:19:08最後のシーンはこうっす
01:19:10いつもの生活に戻ったシャーロット氏
01:19:13王子様との一夜は甘いひと時だったと忘れようとするが
01:19:17王子様が探しにやってくるっす
01:19:20どうかしたか
01:19:22いいえ、なんでもないです
01:19:24何を考えているんでしょう私は
01:19:27視線とアレンさんを目で追ってしまいます
01:19:30しっかり頑張らなくては
01:19:32じゃあラストティーン
01:19:34用意アクション
01:19:37この髪飾りを落とした者はいるか
01:19:40それでしたらきっと私のですわ
01:19:45たわけが
01:19:46探しているのはこの髪飾りと同じ色の目をした娘だ
01:19:50ちっ
01:19:51まさか
01:19:55髪飾りと同じ色だ
01:19:58あ、あなたは
01:20:00俺はこの国の王子
01:20:02そなたを迎えに来た
01:20:04私なんかに王子様のそばにいる資格はありません
01:20:08だって私は目かけの子でみんなの嫌われ者
01:20:12そんなことはない
01:20:14私はあなたを愛している
01:20:16すみません
01:20:17だって私は目かけの子でみんなの嫌われ者
01:20:21そんなこと関係ない
01:20:23いいえ、絶対に迷惑がかかってしまいます
01:20:27だから
01:20:28大丈夫
01:20:30俺はお前の手を離さない
01:20:32どんなものからも守り抜くと誓う
01:20:35だから行こう
01:20:38アレンさんは私のことを本当にいつも守ってくれた
01:20:43でもどうして
01:20:45あの、私のことどう思っているんですか
01:20:49アドリブか
01:20:52これはちゃんと答えなければ
01:20:56俺はシャーロットのことをどう思っているんだ
01:21:00シャーロット
01:21:02お、俺はお前のことが
01:21:11な、なんだ
01:21:16お前は
01:21:23気配を察知してまいりました
01:21:27突然の訪問失礼します
01:21:35お久しぶりです
01:21:37ドロテア先生
01:21:41逃がしません
01:21:43まさか原稿をせっついた次の日に失踪なさるとは
01:21:48担当編集として一生の不覚でした
01:21:51しかしずっとご自宅にいらっしゃったのですね
01:21:55農場下地下室は厳重な封印をしましたから
01:21:59どんな手垂れだって僕の気配を感じ取れなかったはずんだ
01:22:03すごいじゃん
01:22:05その労力を原稿に費やしていただければ
01:22:08私としても30年も無駄な時間を使わず済んだのですが
01:22:12ごめんなさいっす
01:22:16どうもお騒がせしました
01:22:18壁の修理費です
01:22:20お紙ください
01:22:24では
01:22:25助けてくださいアレンジ
01:22:27このままじゃ海に沈められるっす
01:22:30何をおっしゃいますやが
01:22:32大事な担当作家にそんなことをするわけがありませんよ
01:22:36ほんとっすか
01:22:38海なんて生ぬるい
01:22:40手始めに火山の河口へ参りましょう
01:22:43死ぬーエルフの僕でもマグマは死ぬっす
01:22:46作家は何事も経験してこそだな
01:22:51河口での臨時体験を恋愛小説にそういかせた
01:22:57あ あの
01:22:59アレンさん その
01:23:03すまない
01:23:04エレ
01:23:06あの アレンさん
01:23:08さっき言おうとしてたことって
01:23:14いえ 何でもないです
01:23:17兄 大変だよ
01:23:19どうした
01:23:20それがね シャーロットの妹ちゃんが大変なの
01:23:26ナタリアが
01:23:35星空に囲まれて
01:23:40あなたのことを思う夜
01:23:47手のひらが冷えてたの
01:23:52その優しさに触れるまで
01:23:59流れ星が導いた
01:24:04この景色 忘れない ずっと
01:24:15ねえ 歌わせて
01:24:19あなたが教えてくれたこと
01:24:25感情も感動もひとつひとつが幸せで
01:24:33ねえ 歌わせて
01:24:37あなたと出会えた喜びを
01:24:43知らなかったの
01:24:45世界はこんなに美しい
01:24:53Love you

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