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00:00記者としての取材経験を生かし経済や社会のリアルを描くベストセラー作家相葉秀夫が迫る創業120年を超える老舗大企業トッパン社名から印刷の文字を外し今大変身を遂げようとしている何をなさってるんでしょう?
00:29ロボットの目
00:31なんとロボットの目となる高性能センサーの開発に挑んでいたそしてこちらです
00:43シートですね
00:48実はこれ厚さがたった1ミリという超薄型のレンズ
00:56近い将来スマホカメラのあの出っ張りがなくなるかもしれない
01:02さらに
01:04がん患者さんの組織をここへ持ってきてそれを100個複製すると
01:08悪性度の高いがん細胞を体外で再現する3D細胞培養技術を開発
01:18なんと医療の領域にも挑み始めていた
01:24大きくビジネスを展開していくっていうきっかけになったのはそもそも何だったんでしょう?
01:30これまで使ってきた印刷テクノジーが
01:34様々なところに展開していけるようになってきた
01:38今回は作家相場秀夫が印刷技術の限界を突破し世界を変える
01:47突販の未来に切り込む
01:50未知なる世界に挑む
01:54不屈の開拓者に迫る
01:57ブレイクスルー
02:04相場が訪れたのは東京都文京区にある突販本社
02:11従業員およそ5万4千人を抱える印刷業界最大手の突販
02:17世界に150以上の拠点を持ち
02:20売上高は1兆7千億円に迫る
02:23言わずと知れた大企業だ
02:26西原さん突販です今日は取材が
02:28昔の突販印刷が今突販になったと
02:31そういうことですね
02:32社名変更したということで
02:34どんなことを伺えるか
02:35あっもういらっしゃってます
02:37どうもこんにちは
02:38こんにちは
02:39本日の開拓者はこの人
02:45突販ホールディングスの常務で
02:47事業開発本部長を務める遠藤陣
02:51事業開発の陣頭指揮をとる人物だ
02:56ではこちらにどうぞ
02:58ありがとうございます
02:59早速こちらはどういったところなんですか
03:03私どもの事業をご紹介するショールームになっております
03:08弊社ですねこちらにございますように
03:111900年の創業です
03:15125年の歴史があるということですけれども
03:18もともとは大蔵省の印刷局の若手の技術者がスピンアウトをして立ち上げた技術ベンチャーがスタートです
03:30そうだった
03:32知らなかった
03:33当時最先端の印刷技術と呼ばれたエルヘイト突販法から突販の歴史が歩み始めた
03:42もともと紙幣を作る大蔵省印刷局のメンバーが独立して立ち上げた印刷局初のベンチャーだった
03:53創業以来培ってきた印刷テクノロジーで長年日本の印刷を支えてきた老舗大企業
04:00しかしそこに乗り越えなければならない大きな壁が
04:05それが
04:09社用産業からの脱却だ
04:15印刷業界は1991年をピークに右肩下がり
04:21今や最盛期の半分ほどに縮小している
04:24そんな中
04:27いかにして立ち向かったのか
04:29作家相葉秀夫が切り込む
04:35突販印刷から印刷の文字が消えましたじゃあ突販は印刷捨てたのかというふうに思う方もいらっしゃると思いますその辺はいかがですか突販印刷というのは印刷方法の一つ印刷を捨てたとかですねそういうことでは全くありませんので
04:54一つ意地悪な質問していいですか 例えば今出版業界が
05:00大変な不況でですね私もえらい目にあっているんですけれども印刷ということ自体についてはもう社用産業というふうに捉えていいんでしょうか
05:09神媒体の印刷については数字が示している通りですね
05:141990年の半ばをピークに減少の傾向をたどっています
05:22ただ産業そのものは神媒体の印刷からさまざまなところに先ほど申し上げた通り移ってきておりますので私どもとしてはこれまで培った技術をそういったところに移して活用し事業展開してきていると
05:40あえて一番突販の強みって何ですか やっぱりチャレンジ精神
05:46創業から脈々と続いてきているチャレンジ精神
05:52長年受け継がれてきたというそのチャレンジ精神が今
05:58新たな事業を生み出していた
06:02まずこちらをご覧ください ここに並べてあるのはですね私どもが製造しているパッケージの一部です
06:12なんかすごく身近な感じがしますけれども そうですね
06:16突販とある
06:19これのどの辺が突販の技術のすごいところなんでしょうか一番左側にあるGLフィルムといいます私どもが長年培ってきたコーティング技術これを活用して世界最高水準のバリア性能を持ったフィルムということになります
06:42実は突販 このGLフィルムで世界シェアトップを誇っている
06:52パックご飯でおなじみの砂糖のご飯や お好み焼き用のソースやキャンディーのパッケージ
07:02洗剤やシャンプーなどの日用品までさまざまなものに活用されている
07:09例えばここにあるこのパンですね このパンのケースですと
07:14GLバリアフィルムを使わないケースですと消費期限が3日のものが これ21日まで7倍に伸びるということが確認されておりますので
07:27食料ロスに削減ですね 大きく貢献できる素材でもあります
07:34金属で薄い膜を作る印刷技術と ラミネート印刷技術
07:412つの技術が使われたGLフィルム
07:44吸湿 乾燥 腐敗などから 内容物を保護することができるのだ
07:54さまざまな印刷テクノロジーを駆使して 新たな商品を生み出してきた突販
08:00さらに意外なものまで手を広げていた
08:05ピュアウォーター 突販と入ってますけど
08:11これもしかするとコンビニやスーパーで ご覧になったことがあるかもしれませんが
08:18これはですね 私どもが作っている これもパッケージになります
08:24突販が開発した紙製飲料容器 カート缶
08:31容器の内側にGLフィルムを使っているのだが
08:37実はこれらの商品には 突販のさらなるチャレンジが
08:42中身もですね 我々クリーンな環境の下で
08:47材料の調合から充填まで 事業の幅をちょっと広げて
08:52対応させていただいております
08:55一貫生産ということですね
08:58そうです お客様から依頼のあった 充填ということになりますけれども
09:03そこまで対応させていただいている ということになります
09:06すごいですね
09:08飲料メーカーのような存在になっている ということですよね
09:14なんと突販が容器だけでなく 中身の飲み物まで作っていたのだ
09:23他にも洗剤の詰め替え用パウチなども製造
09:29日々落下試験を繰り返し 生活に欠かせない製品を作り出してきた
09:34突販
09:41その最先端の研究所に テレビカメラが初めて入った
09:46そこで目にしたのは
09:48何をなさってるんでしょう
09:51ロボットの目
09:53印刷テクノロジーを駆使して
10:07様々な領域にビジネスを展開し
10:11殻を破る老舗大企業 突販
10:14その原点となった出来事が
10:191つポイントになるところを挙げるとすると 1960年ですね
10:271960年何が
10:29ここでエレクトニクス事業への参入というのが
10:35国産の半導体を作ろうということで
10:37メサ型半導体用のマスク
10:401950年代後半
10:45一気に普及したトランジスタラジオ
10:49突販は
10:51その回路の製造に使われる
10:53メサ型トランジスタ用マスクを初めて国産化
10:58この技術をもとに
11:01その後国内の半導体製造を支えてきたのだ
11:06このターニングポイントを境に
11:09突販が今も挑み続ける大きな壁
11:12それが
11:13印刷技術と電子技術の融合だ
11:18半導体関連などのエレクトロニクス事業の売上は
11:25突販全体の16%にとどまるが
11:28利益ではすでに3分の2に関わる稼ぎ頭
11:33今後さらなる拡大を図るこの事業の
11:39最重要拠点がこの研究所だ
11:42ここではですね
11:47トッパングループの最先端の技術開発を中心に行ってまして
11:54ここにテレビカメラが入るのは初めてです
11:59ありがとうございます貴重な機会を
12:03テレビ初公開となる研究所で
12:08相場が目にしたのは
12:10えっ
12:13なんだか
12:14体操の時間とかじゃないですよね
12:16昼休み後の
12:18楽しそうに踊ってらっしゃいますけれどこれは
12:21決して体操したり遊んでいるわけではなくてこれも重要な大切な実験の一つなんですトッパンさんのお仕事と全く結びつかないんですが正直何をなさってるんでしょう?
12:38いわゆるロボットの目になります
12:42なんとトッパンが開発していたのはロボットの目
12:47一体どんな特徴を持っているのか
12:51こちらの我々が開発しております3Dトップセンサーといいまして距離情報を認識するというカメラになっておりましてそれがこれから広がってくるロボットの目として使われると考えて今開発の方を進めております
13:05そこでだからミリって出てるんですね
13:07そうですね
13:07彼女とこのカメラの位置のということですね
13:113Dトップセンサー最大の特徴は光で正確な距離を測定できること
13:18光が反射してくる時間を計測することで距離だけでなく被写体の形状や動きまで3次元で認識する
13:28車体の隅にいろいろセンサーがついていて運転席の横に大きいモニターがあって横バイクがすり抜けましたようなみたいなのがあるんですけどあれと同じような原理ですか
13:39そういったこともできますけど原理が少し違っていまして
13:43小筒安全防止とかってのはたくさん車についてますけども
13:47あれは物体を認識できないものなんですね
13:50あくまでものが近くにあるかどうかという判定だけなんですけども
13:54先ほどロボットの目を作っているというお話しましたけども
13:58そこまでわかると例えば犬や人だったらちゃんと止まりましょう
14:01でも草だったら別に少し当たっても大丈夫じゃないですか
14:04目を越えてロボットの脳みそになる
14:08なるほど
14:08いや頭脳になるっていう
14:10実は突販
14:14ハードウェアの開発だけでなく
14:16AIなどのシステム開発まで手がけている
14:21具体的にどんなことができるんですか
14:26画像を使って人の骨格を検知した上でジェスチャーが認識できるようになっております
14:32無人タクシーというのが結構評判になってきているかと思うんですけども
14:37ここでヘイタクシーってここであげれば
14:39家庭に認識してお客さんだって止まってくれると
14:43ロボットもやはり動き回るロボットを想定しておりますので
14:47配膳ロボであったりとか
14:48それこそこれこそアマゾンとかの自動配達の中のラストワンマイルと言われてますけども
14:54そういった荷物を各家庭に届けるような動くロボット
14:57車だけではなくて動き回るロボット全てに
15:00自立自走型の機械にも使えると
15:03そう考えています
15:04この技術にも印刷の技が入っているんでしょうか
15:10空いたセンサー類というのは
15:11まさに印刷テクノロジーの塊でできていると言えます
15:15例えばこちらの特センサーの
15:17センサーの回路というのは
15:19こちらのナノメートルという
15:2210億分の1メートルという
15:24非常に細い配線で回路が描かれているんですけども
15:28その配線をするために
15:30フォトマスクという
15:31いわゆる印刷版みたいなものがあるんです
15:33印刷版を何十枚も使って
15:36回路を焼き込んで作っているのが
15:38センサーになっていますので
15:41印刷技術がないとセンサーが作れないと
15:43ぐらい言えると考えています
15:46わかりました
15:46そしてロボットの目の精度をより高めるため
15:51さらなる研究開発が
15:54突販の印刷テクノロジーって
15:57いくつか種類あるんですけども
15:58その中に画像処理技術がありまして
16:01こちらはその画像処理技術を使って
16:04雨だったり雪だったりのノイズを除去するという技術になります
16:08こちらが今ちょうど雨の中撮影をした動画になっているんですけども
16:14光を使って撮っているので
16:16光が雨に当たるとこういった形で
16:18雨で乱反射してしまって
16:21これがノイズになってしまうというのが
16:22非常に問題になっております
16:24画像処理で消せないかというのが
16:28今取り組んでいるところでして
16:29そちらがこちらの画像になるんですけども
16:32左側が今と同じものですね
16:34右側が画像処理後になってまして
16:37こういった形で雨を除去できるようにすると
16:41比べてみるとその差は歴然
16:46左側の映像は雨に反応して赤く表示されている
16:51一方画像処理を施すと
16:55ほとんどの雨に反応していないのがよく分かる
16:58雨が本当にたくさん降ってたら見えないですもんね
17:03この雨が非常に近い距離で赤い距離で見えていますので
17:08ロボットがもしこの雨を見てしまうと何かが来たって
17:12すごい止まってしまって動けなくなってしまうんですね
17:14そのためにこういったノイズはやはり除去しなければいけないと
17:18これを可能にするのが
17:20トップパンが高画質印刷をするため培ってきた
17:24カラーマネジメント技術
17:26雨を撮影すると光が乱反射しノイズが発生する
17:32そのノイズを除去することで雨を消すことができるのだ
17:38様々な物体を正確に認識することで
17:42ロボットの安全な自立走行を支援するこのセンサは
17:45今年の10月に量産化が始まる予定だ
17:50さらに今
17:52これからの生活や産業を変えうる驚きのものを開発していた
17:59メタレンズと呼ばれるレンズなんですけども
18:04このモジュールの厚みイコールほぼこのカメラレンズの長さなんですね
18:08今試作で作ったものがこちらです
18:11わあ
18:13薄いシートです
18:15シートですね
18:16これだと
18:17これになるとそれこそ貼るだけでもできたりとか
18:19これはメタレンズというカメラレンズ
18:24厚さはなんと1ミリという超薄型のレンズだ
18:29でもこれが本当に身近な生活に入ってきたら
18:34ものすごい便利になりますよね
18:36そうですね
18:37例えばスマホにこのセンサーなり入れて何かできそうですよね
18:41そうですね
18:42これまでレンズの厚みによって多くのスマホが悩まされてきた出っ張り
18:50メタレンズの開発に成功すればこれがなくなりさらに薄く便利になるかもしれないという
18:57実はこのレンズ
19:00意外な技術が使われていた
19:03これ本物のモロフォ蝶と呼ばれる
19:09こちらの蝶も実際こういった色の色素があるわけではなくて
19:15羽の表面に非常に細かいナノ構造が付いていて
19:18こういったきれいな青色の発色をする
19:20こういった構造を我々の方で実際物として再現して作ったものが
19:27こちら青色のシートに見えるかと思うんですけど
19:31青ですねきれいな青
19:32これ全くインクとか使っていません
19:34本当は実はこれ透明なんです
19:37青く見えるこのシート
19:41実は色は付いていない
19:44シートの表面に微細加工技術が施されており
19:51光の中の青色だけを反射することで
19:54人の目では青く見えるというのだ
19:57突破の技術って見えないところで活躍する印象ありますね
20:04そうですね
20:05必ずしもそれを意識して見えなくしているわけではないんですけれども
20:10いろんなものって徐々に徐々に見えなくなっていくじゃないですか
20:13最後の例えばスマホは見えても
20:16その中に入っているものって全て分からないですよね
20:20その中の一つの重要な部材を我々も手掛けて
20:25今後も新しい技術なりで
20:29新しい事業に結びつけていきたいというのが
20:32我々の思いですね
20:33分かりました
20:33作家というなりわいをしておりまして
20:39私が書いた文章が紙に印刷されるというところで
20:45私突販さんには非常になじみがあるという仕事をしておるんですが
20:49出版事業からいろんな分野にお仕事
20:53大きくビジネスを展開していくというきっかけになったのは
20:57そもそも何だったんでしょうか
20:59やっぱりこれ一つはですね
21:01世の中の大きな変化があるのかなというふうに思っています
21:06いわゆる半導体とコンピューティング技術の発展があって
21:12例えばスマホが実現されたことについても
21:16そういったベース技術がどんどん進化してくることによって
21:20新たな製品やサービスが出てきていると
21:23これまで使ってきた
21:25いわゆる我々が言っている印刷テクノジーが
21:30紙媒体ということではなくて
21:33さまざまなところに展開していけるようになってきた
21:37また世の中のそういうニーズが高まってきたというところが
21:41一つのポイントになっているというふうに思います
21:44今日いろいろ研究所の方を邪魔してですね
21:48いろんな新製品の開発というところを見させていただいて
21:52え、突販ってこんなことをやっているのって
21:56非常にびっくりしたんですけれども
21:57会社として期間決定するにあたり
22:00いろいろ混乱はあったかと思うんですが
22:02その辺はご苦労はなかったですか、皆さんに
22:05そもそも弊社はですね
22:081900年創業の技術ベンチャーがスタートですので
22:13印刷機とベースに
22:15さまざまな領域に事業を展開してきています
22:19まさに挑戦の連続だったろうなというふうに思います
22:23じゃあそのスピリットがずっと創業当時から生きているということですね
22:27ですからそういうものを容認する風土が
22:30我が社にはあるということなんだというふうに思います
22:34ブレイクスルーはTVerで配信
22:38120年以上前に印刷局初のベンチャー企業として創業
22:45印刷業で培ってきた技術を確認しながら
22:49その殻を打ち破り
22:50新たな領域に挑み続けてきた突破
22:54そして今その挑戦はさらなる変革を起こそうとしていた
23:01ここはですね3D細胞培養の研究開発をしている部屋です
23:07医療の分野で挑むのは
23:10がん治療
23:12がん患者さんの組織をここに持ってきて
23:17それを100個複製すると
23:19何種類も抗がん剤を当ててですね
23:22どれが効くか判定をしてしまうと
23:24さらにまさかのものまで作り出そうとしていた
23:29和牛のステーキをそのまま作ろうと
23:32次回印刷技術を武器に変革を起こす突破の
23:38驚きの最先端研究を初公開
23:41ブレイクスルーはテレ東ビズユーネクストで配信
23:46テレ東ビズでは作家相場秀夫の深掘りコンテンツも
23:52ご視聴ありがとうございました
24:00ご視聴ありがとうございました