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  • 一昨日

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テレビ
トランスクリプション
00:00me
00:04京一くん 首を右に向けてみたらいい
00:10
00:14何かあってみとっ
00:19
00:21それが君の手だ
00:29ほら行き過ぎた
00:34
00:36
00:39
00:41
00:43
00:44ok 正面にドアが見えん
00:50ドアの
00:53開けられるか
00:59
01:05そこから先はまだ作ってないんだ
01:08ok いいだろう
01:11きょうし君もう外していいよ
01:17はい
01:19これが最も勝負的なバーチャルリアリティ
01:23はい
01:25しかし仮想現実と言ってもあのタイプのものはまだおもちゃですよ
01:29現実と全く同じ近くを体験できなければ本当のバーチャルリアリティとは言えない
01:35あの皿は大たかったから
01:38君がさっき持った皿だよ
01:40ああ
01:41いいえ
01:42手触りや重さはあんなデバイスじゃ再現できない
01:45そこで我々は全然違う方法を選ぶことでした
01:48さあ着いたぞ
01:51このデータスーツとさらに脳への直接信号を併用することによって
02:00触覚や嗅覚まで再現できるようにした
02:03もちろん身体的には何の危険もない
02:07君はこの状態で一週間そこに描かれる仮想空間で過ごしてもらうことになる
02:14その間様々なデータを取らせてもらうが
02:17君は自由に過ごしてくれればいい
02:20怖がらなくていい
02:30脳を疾患させる薬だ
02:32我々が必要としているのは
02:35仮想空間で長時間過ごすことが
02:38心理的生理的にどんな影響を与えるかという点なんだ
02:42ちょうど無重力状態が宇宙飛行士にどう影響するかを
02:48調べるようなものだと思ってくれればいい
02:56瞬きをしないで
02:58左右の目の視差を調整するから
03:04よし
03:06最初は君の脳が慣れてないから
03:08風景がぼやけるかもしれないが
03:10それも直慣れるだろう
03:13あのー
03:15そこはどんな世界なんですか?
03:17あらかじめ先入観を持たれると困るから
03:20細かなことは言えないが
03:22まあ
03:23もう一つの現実そのものといったところだろう
03:27良ければ
03:28こちらはOKです
03:30よし
03:31行こう
03:34構わないかね
03:37ええ
03:38ええ
03:40いいえ
03:41えええええ
03:43お待ちしております
04:13その世界はとてもリアルだった
04:32最初はモザイク状に見えた風景も慣れるに従い
04:36本当の街の風景と変わらないように見えてきた
04:40誰もいないのがかえって不思議に思えるくらいだ
04:43驚いたことに街の一角には僕の部屋があった
04:49と言ってもいくつも並んだ部屋の中でドアが開くのがその部屋だけだった
04:55中のベッドで休んでいるうちいつの間にか巡ってしまった
05:00二日目街の外へ出てみようと思い歩いて行ったが
05:07街の外はなかった
05:10外は白い平面が続いているだけでその先へは行けなかった
05:16多分研究所の人たちがまだ作っていないのだろう
05:22三日目に初めて街に人が現れた
05:35僕は試しに話しかけたが答えてくれる人はいなかった
05:39そこまではプログラミングされていないのだろうか
05:43僕は話しかけるのを諦めて人々の観察を始めた
05:49なんとなく不自然な感じがすると思ったら
05:52彼らの顔がいくつかの同じパターンしかないことに気づいた
05:56同じような顔をした人が何人もいて
05:59まるでテレビゲームのキャラクターみたいに思えた
06:03何日かも過ごしていると不思議なことに
06:13この世界が本当にリアルなものに感じられてくる
06:17お腹がまるで空かないってことや
06:19同じような顔をした人たちが変といえば変なのだけど
06:22決められた世界の中でただなんとなく暮らしている分には
06:26この世界は普通の現実と何ら変わることはない
06:30たまにノイズが走ったり風景がぼやけたりしなければ
06:35そしてもっと
06:37どうしたんだ
06:41意識が薄れていく
06:43意識が
06:45京一君
06:50京一君
06:52聞こえるか
06:53はい
06:54実験装置にちょっと故障があるから
06:57心配だ
06:58どうしたんです
07:01急に何も見えなくて
07:04間もなくなりません
07:04もうちょっと待ってくれ
07:06もうちょっと
07:08もう外していいよ
07:14実験は終了したよ
07:22どうかの気分は
07:24ええ
07:25なんだかまだぼーっとして
07:28一週間経ったんですか
07:31ああ
07:32あの
07:34真っ暗になったのは一体何だったんですか
07:38いや
07:40回路のちょっとした接続ミスだ
07:43事故か何かのような
07:45君はそんなことは気にしなくていいんだ
07:47はい
07:49あの世界が君にどう影響を与えたか調べさせてもらうから
07:54もうしばらくこの研究所で
08:24何かあったらインターホンで呼んでください
08:40わかりました
08:43何かあったらインターホンで呼んでください
08:50わかりました
08:51まさか
09:20ご視聴ありがとうございました
09:50
09:51ええ
09:52大丈夫です
09:55具体的な検査はいずれやっていくとして
09:58とりあえずは率直な感想をよかったら聞かせてもらえないかな
10:03感想ですか
10:05もちろん
10:09あの世界での君の行動は全て記録されているが
10:12その生な実感みたいなものは
10:15君の口から出ないと判断しかねるからね
10:18どうかしたかね
10:22いえ
10:22なんて言ったらいいのか
10:25あの街は本当は存在しない街なんですよね
10:28ああ
10:29いろんな街のデータを混ぜ合わせてあるから
10:32特にどこかの街がモデルというわけじゃない
10:34いやそうじゃなくて
10:35え?
10:36あの世界があまりにもリアルだから
10:38っていうより
10:40この世界とあの世界の区別がつかない気がするんです
10:44ひょっとしてたった今
10:47こうして僕と先生が話しているこの世界も一種のバーチャルリアリティで
10:51作り物なんじゃないかって思えてくるんです
10:55なかなか面白い反応だと思うよ
11:00それは君の脳が仮想空間に慣れてしまったから
11:04逆にこの現実が奇妙に思えるんだ
11:06一種の副作用と言ってもいいかもしれない
11:10その種の錯覚は
11:11錯覚じゃない
11:12だからもし仮にこの部屋が実在しなくて
11:17僕に見せるために作られた空間だとしたら
11:20例えばそこの窓
11:23その窓の外の風景は僕が窓を開けない限り必要ないですよね
11:27でも僕がカーテンを開けた途端
11:31そこに初めて
11:33新しい世界が作り出されるかもしれないじゃないですか
11:36だったら当てていいか
11:38先生
11:40開けてみてください
11:44どこだね
11:53正解はそこにあるだろう
11:55前からあったし
11:57これから先だったり続けるんだ
11:59でもないんです
12:00え?
12:03風景の中の人の顔がないんです
12:06本当によくできているから
12:10うっかりすれば見逃してしまう
12:11でも細かい点で
12:14ほんの些細なところにミスがあって
12:16容量が足りないのか
12:18それともコンピューターのバグなのか
12:20予想できない事実には対応しきれないんですよ
12:24言ってることがよくわからないんだ
12:27実験はまだ終わっていないんじゃないですか
12:31何をバカなこと
12:34この世界は僕に見せるためにあらかじめ準備されたものじゃないんですか
12:38非常に興味深い症状だ
12:41現実に対する感覚が一時的に麻痺を起こしてるんだろう
12:45いえ
12:46僕は本当のことが知りたいんです
12:50ここは本当はどこなんです
12:52実験室のベッドに僕はまだ寝てるんですか
12:55それとも実験室なんか最初から存在しないんですか
12:58この世界そのものが初めから作り物なんじゃないですか
13:01バカ上げてる妄想だよ
13:03バーチャルリアリティの後遺症だ
13:04それについてはすぐに検査を開始しなくては
13:07いえ
13:07先生は本当のことを知ってるはずだ
13:10なぜ僕にこんな世界を見せる必要があるんです
13:13先生
13:14僕は今どこにいるんです
13:16本当の僕はどこで何をしてるんですか
13:19君の言ってることは妄想に過ぎない
13:21この現実を否定する根拠なんかどこにもないじゃないか
13:23証明で聞こない
13:24こういうことです
13:31こんなことは予測不能だった
13:37だから割れる画面も割れる音もインプットされていない情報だから
13:40このグラスは割れない
13:41違いますか
13:43大丈夫か
13:53随分強引ですね
13:55今は人を呼んでくるから
14:01すぐに刺激するから
14:15なにただの麻酔だよ
14:30うそだ
14:31どこなんだ
14:47俺は
14:48俺は一体
14:50俺は
15:20ああああああああ
15:25ああああああ
15:28ああああああ
15:32転車ナンバー31信号普通
15:36フィードバック回路に以上
15:40引き続き予備回線に情報を送りますか
15:44もうやめましょうこんな実験は
15:46やはり彼に気づかせないでいることは不可能だったんです
15:49しかしここで回路を遮断してしまったら
15:51彼はもう我々の世界とつながることはできないんだ
15:54でもこれより彼を騙し続けるのはあまりに残酷じゃないですか
15:58この状態のまま彼を暗闇の中に置き去りにするほうが残酷なんじゃないかね
16:02それとも君は彼に自分の本当の姿を教えてやればいいっていうのか
16:07しかし
16:09これまでの情報を消去しもう一度彼とコンタクトをやり直す
16:20回路を繋いでくれ
16:23やり直すってどこからです?
16:27実験の開始からだ
16:29よし
16:41キョイチ君
16:43首を右に向けてみたまえ
16:51そう
16:52それが君の手だ
16:55何かは手に取って
17:00何かは手に取って

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