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教育トランスクリプション
00:00ネット上の誹謗中傷が激しさを増す中、住所などの個人情報がさらされ、実生活にまで被害が及ぶケースが相次いでいます。
00:11立花貴志氏に住所をさらされた男性が今月亡くなりました。自殺でした。
00:17一体彼に何があったのでしょうか。
00:22今週水曜日、兵庫県の斉藤元彦知事が会見に臨んだ。
00:28SNSやメール等による心ない誹謗中傷というものはやはり許されない行為だということですね。
00:37その言い方をずっとずっと繰り返している間に抑止効果があるどころか、誹謗中傷であるとか、あるいは殺害予告のメールがいろんなところに広がっていっています。
00:50なぜそのようなことが起こっているというふうに捉えていますか。
00:55先ほどNHKの方に答えていないから、今重ねて聞いています。
01:02十分じゃないというふうにおっしゃるかもしれないですけど、精一杯答えさせていただいている答えですね。
01:06斉藤知事への批判をネット上で始めたことで、名前や住所を晒されるようになった人がいる。
01:17論理的におかしい部分であるとか、また倫理的におかしい部分についても指摘して発信してましたね、斉藤建成のね。
01:30なるほど。
01:31名前を探られたり、だから私の素性を探られましたよね。
01:37投稿の内容から名前を特定され、顔写真、住所を突き止められた。
01:46それがSNS上で一気に拡散され、嫌がらせを受けるようになったという。
01:52軽自動車に来たんですよ。軽自動車でゆっくりゆっくり来て、家を左右に見ながら来てたんで、なんなんやと。
02:06見ず知らずの男の人が、うちの前をふらついてました。
02:12ご自身のそういった住所であるとか顔写真がネット上に晒されたので、なんでだと思われますか。
02:19それは私のポストを抑え込みたい。もうそれしかないと思います。
02:26発信し続けると、とんでもなくやっぱり攻撃されますんでね。
02:32この男性は、亡くなった竹内元県議とも親交があり、斉藤知事を批判した人に対する攻撃の激しさに不安を感じている。
02:44彼が自殺、自死した、それを受けて、これは私にもあり得ることなのかなと思いましたね。
02:54さらに、この人物も。
02:59県議会議員、百条委員会の委員長、彼をまず被告にします。
03:05奥谷委員長、晴れて、奥谷被告になりました。
03:10ぜひですね、この奥谷被告に関しての裁判、皆さんの方を注目していただければと思います。
03:17今週火曜日、立花氏が百条委員会の元委員長、奥谷県一氏を訴えた裁判。
03:29だが、立花氏は東京地裁に出庭せず、請求を放棄した。
03:34この日、立花氏はYouTubeに動画を掲載。
03:41そのトップ画面で、奥谷県議の住所の一部が記された文書を晒し続けた。
03:52同じように立花氏から住所を晒された被害者がいる。
03:57みんなで作る党のボランティアスタッフだった岩井千代孝さん。
04:06今年2月、プライバシー権の侵害などとして立花氏を裁判で訴えた。
04:12一番被害を受けたのは妻です。
04:16私はもう覚悟を決めて、矢元に立って顔も晒して名前も公開してますから、それはそれでいいんです。
04:24妻には説明はしたんですけれども、やはり非常に恐怖を感じるんです。
04:30おそらく立花さんは、そういうことまで想定しているとしか考えられないんですね。
04:37だが、岩井さんは今月9日、遺書を残して自ら命を絶った。
04:46岩井さんが追い詰められたんだなと思う反面、やっぱりこういう手段を取ってほしくなかったなと。
04:52一緒に戦っていきたかったという気持ちが強いです。
04:59遺書には私が死を選んだ選ばざるを得なかった最大の理由は橘隆です。
05:09亡くなった岩井清隆さん、なぜ立花市に自宅住所を晒されてしまったのか。
05:21去年7月に行われた東京都知事選挙。
05:26NHKから国民を守る党が、候補者と無関係なポスターを貼る掲示板ジャックが問題となった。
05:35岩井さんがこうした行為をやめさせようとして署名活動を展開。
05:44賛同は3万室を超えた。
05:46今年1月、立花市が街頭で選挙活動を手伝っていた岩井さんに出くわすと。
05:58岩井さん、あんたは僕の誹謗中傷してるじゃん。
06:02誹謗中傷してるから聞いてるんですよ。
06:05すいません、警察の方行って。
06:06だから警察に一緒に行こう。岩井さん、警察に一緒に行こう。
06:08この翌日、立花市が自身のXに岩井さんの住所が判明したと投稿した。
06:20そこには番地を除いた町名までの住所に続いて、
06:25この後は秘密と書かれていた。
06:28この投稿のおよそ10時間後、立花市は岩井さんの名前は書かなかったものの、
06:40番地まで住所が完全に分かる投稿をした。
06:46岩井さんの代理人を務めていた石森雄一郎弁護士は、
06:53住所を2回にわたって投稿されたわけですよね。
06:56この手法といいますか、これはどういったことなんでしょうか。
07:01一つ一つを見れば、住所と名前をフルで晒したものにはならないわけですよね。
07:07ただ、実際はこの2つのポストというのは近接した時間になされていまして、
07:11見た人はこの2つには関連性があるということは一目瞭然なわけです。
07:17なので立花市としては一応、何か訴訟とかされたときには、
07:20リスクを考えて分けたんじゃないかと思いますけども、
07:23実際読み手は、これは2つ合わせて岩井さんの自宅住所だというふうに読んでますから。
07:30実際に立花市が示した住所に多くの人が反応した。
07:35そのうちの一人、男性Aは立花市の投稿の翌日、
07:43自身のXに岩井さんの自宅付近の写真を掲載。
07:49書き込みには岩井さんの名前を広び込ませていた。
07:53その後、岩井さんの自宅付近を歩き回る様子もライブ配信した。
08:01もう一人、別の男性Bは立花市との会話を投稿。
08:20立花市が岩井清高の住所を晒したじゃないか。
08:24はいはいはい。
08:25そのことで今日何か訴える的なことを言った?
08:27ああ、全然訴えてくれたら、別のこと。
08:29俺、岩井清高の住所を晒しない。
08:32俺は住所を書いただけ。
08:34ああ、全然誰のとは言ってない。
08:35いや、あの、微行として出したのと、
08:38その、あなたの住所分かっているから、
08:41もうちょっと黙れっていうのはあった。
08:43別に、そこに行って何かしろって意思はなく、
08:46あの、まあ、簡単に言うと彼は訴えているのにね、
08:49あの、俺のC賞。
08:50ああ、ああ。
08:51そこから、あの、原告、岩井が原告で訴えているから、
08:55岩井の住所が分かる。
08:56僕も岩井を訴えたいんで、
08:58事務所欲しくてもらったんだ。
08:59ああ、分かるんですか。
09:00岩井の住所ゲットだぜ。
09:04男性Bは、これまでも自身のYouTubeに、
09:09岩井さんに触れた40本以上の動画を上げてきた。
09:14はい、今日の岩井。
09:15はい。
09:16えー、なんか、岩井清高さん。
09:18はい。
09:18さん?
09:19はい。
09:20このことを取り上げと伸びない。
09:21もう、うちの動画、岩井だらけや。
09:23島井に、岩井に訴えられちゃうからね、これ。
09:25現実的に、犬増えと言わざるを得ないような事態が大きく発生しているわけです。
09:33やったくと、自宅の写真が晒されたり、あるいは近くに訪問したことを脅しのような文句をつけて公開するといったようなことが起きています。
09:43あえてこういう言い方をしますけど、立場の高橋現象というのは、立場の高橋さんという一人の個人を核とした一連のムーブメントであるということを、現実的な事象を持って、ぜひとも知っていただきたいと。
09:57そうすることによって、結果的に少しでもそうした動きに対して、くさびを打ちたいという狙いがあります。
10:06しかし、裁判仕様の寒波をSNSで募った岩井さんは、さらに追い詰められていく。
10:16寄付者に対し、会計報告を行うと発信すると、それを逆手に取った寄付が相次いだのだ。
10:24これは岩井さんが投稿した通帳の画像。
10:311円や5円など、極めて奨学での寄付が記されていた。
10:36振込人名義には、差別用語や、裁判でお金欲しいといった抽象する言葉も。
10:461円ほど勤務させていただきました。
10:54今、流行りのことを真似してみました。ご縁がありますように。
11:02これは私も見て嫌がらせたなと思いましたけれども、そういった行為に関してはすごく傷つかれていました。
11:08この頃、岩井さんはこう投稿していた。
11:15精神的な殺し屋に囲まれ、監視され、標的にされていることは痛感する。
11:24一番最初に、奨学での寄付をした男性が、電話取材に応じた。
11:33この男性をきっかけに、1円や5円での寄付が相次ぐようになった。
11:38その後、振り込みに差別用語などが使われたことについては。
11:58ネット上で岩井さんへの攻撃を繰り返していた2人が、報道特集の取材に応じた。
12:26自宅周辺の映像を配信していた男性Aは、岩井さんが亡くなったことに対し。
12:37申し訳ありませんが、持病もあり、気持ち的にも誰かとも喋りたくありません。
12:45逃げるつもりはありません。後悔しています。
12:48さらに自身のチャンネルで繰り返し岩井さんの動画を掲載してきた男性Bがカメラ取材に応じた岩井さんの訃報を聞いて以来自分の行動を顧みる日々が続いているという
13:18動きもしていなかった。亡くなり方をされて、正直ショックでした。
13:25精神的に負担、負荷をかけていたんじゃないかなというふうにも思うんですが、今振り返ってみて、
13:30彼の住所についての言及というのがどう思われますか。
13:38今思えばそうだったのかなとは思いますけど、
13:42ちょっと配信の中でやったのは不要意だったかなとは思っております。
13:46立ち話を批判した岩井さんに対しての不満が現場で顔を合わせるうちにどんどん膨らんでいったという。
14:01こういうふうにかけりゃよかったんですよ。
14:04だから後悔ですね、それは。
14:07こういうふうにかけて岩井さんと和高まりをお互い修正して、
14:14なんていうんですか、和解というか仲直りですよね、簡単に言ったら。
14:20そうしたらいい結果になってたかもしれないじゃないですか。
14:22ひょっとしたら、祝いは敵やとかいうことじゃないですか。
14:30こんなきれいごと言うつもりはないんですけど、本当にそう思ったんです。
14:35兵庫県知事選中、立花氏は虚偽や誹謗中傷を含む演説をし、男性はその内容を配信し続けた。
14:47その理由については。
14:49立花さんを追っかけるのが楽しいからですね、やっぱり演説がうまいじゃないですか、やっぱり、面白い。
15:00その中でですね、事実に基づかない発言とかデマとか誹謗中傷がですね、繰り返されていた。
15:06僕はこういうのもあれですけど、報道のつもりでやってますので。
15:11男性は、岩井さんに関する動画を非公開にし、今後、削除する予定だという、兵庫県の竹内秀明元県議が自殺し、家族が傷ついていることを伝えると、最後に男性は。
15:32竹内さんが亡くなったことに、なんちゅうかな、めっちゃ感情移入してる方とかにいるじゃないですか。
15:43何度かの人はこんな、別に家族でもないように、感情移入してるんやろとか思ってたんですけど、今回分かりましたね、っていうのが、やめます。
15:55あれです。あれです。
16:02実は、名前や住所、電話番号などを無断で公表し、誹謗中傷が繰り返された場合に、この無断公表は、私生活の平穏などの人格的利益を違法に侵害し、不法行為責任を免れないとする最高裁判決がある。
16:27ネット上の誹謗中傷に詳しい西浦弁護士は、今回の立原氏の投稿のように、名前と住所を別々に投稿した場合でも、違法となる根拠として、異なる判例を挙げた。
16:48平成22年の最高裁判例というのがありまして、投稿というものは、一つ単独で評価すべきじゃなくて、他の投稿や、その投稿に至る経緯を合わせて評価すべきだと、それによって違法性を判断するというような、いわゆる一つの枠組みが提示されました。
17:10一般の方が見れば、岩井さんの住所はここですよというのを言っていますよね。
17:19過去に同じようなことをして、同じように支持者が相手の自宅に行ってしまったことがあるとか、物を送りつけたことがあると、そういう状態であれば、
17:32それは当然、橘さん自身も、その可能性は認識するわけですよね。
17:40橘氏は、昨日の会見で、亡くなった岩井さんについてこう述べた。
17:46僕が警察に行ったことによって、相手にしちゃいけない人を相手にしちゃったことについては、すごく活用している部分はありますね。
17:57ちょっとその、あくまでも普通のおじさんなのでね、おじいちゃんと怒られるけど、
18:03僕自身も、許されるなら遺族の方に、謝罪と供養させていただきたいなとは思っています。
18:11弱い者いじめはやめようというのは、すごい思っています。
18:16YouTubeやXは、それぞれ、住所など個人情報の公表を禁じる方針を詳細に定めている。
18:28橘氏の動画について、YouTubeを運営するGoogleに問い合わせたところ、
18:352つの動画を削除した、と回答があった。
18:39橘氏には、住所を晒した他の動画についても、YouTube側から警告があったという。
18:50僕はなぜ公開しているかというと、これが本人のものであるとか、真実性を高めるために出していたんですけど、
18:57僕はそう思っていても、いや、それは支援者に攻撃させるために住所を開示しているんだ、みたいなことを言われて、
19:05それはそう思う人がいることの事実なので、
19:09以降はやらないということは、お約束させていただきたいと思います。
19:13世界では、ネットの誹謗中傷に対する法整備が相次く。
19:21EUは今年2月、プラットフォーム事業者などに、
19:26誹謗中傷やデマなど違法な投稿の削除を義務付けた。
19:33中でもドイツは、明らかに違法な投稿について、
19:3824時間以内の削除を求めている。
19:43プラットフォームに対して、最大で5000万ユーロの制裁金が課される可能性もある。
19:55専門家は、プラットフォームによる自主規制だけでは限界があると指摘する。
20:03いろんな国がビッグテクに対して、戦略的に強い対応をしていく。
20:09そこで引いたら、攻められるというか、SNS企業のやりたいようになってしまうという危機感がある。
20:18日本でも今月から、プラットフォーム事業者に新たな対応を求める法律が施行された。
20:291週間以内に削除の判断を義務付けたが。
20:33ネットって本当1週間ってめちゃくちゃ長いと思うんですよ本当に炎上して誹謗中傷がわっとくるような案件で1週間以内にっていうのがどれだけのスパンかって考えたらちょっとやっぱり厳日的ではない。
20:47誹謗中傷の拡散に歯止めをかけられるのか試行錯誤が続いている。
20:57自宅の住所をネットでさらされることの恐ろしさは本当に計り知れないと思うんですよね。
21:05自宅というのは本来一番心が休まる場所であって安住の地じゃないですかそれが失われてしまうのは人間の尊厳が失われることでもあるというふうに思っていてまたさらに言うと家族も住んでますよね家族にも危険が及ぶかもしれないとなるとこれも自分のこと以上に恐ろしいですよね。
21:25この住所をさらす行為の悪質性を改めて認識する必要があるなと強く感じました。
21:32誹謗中傷と表現の自由が関連づけて語られることがたびたびありますけれども2つは全く別物です。
21:41憲法で定められた様々な自由というのは権力によって自由が抑えつけられた過去の反省の産物なんですね。
21:50権力の圧力から市民を守るための自由で事実に基づかない他人を傷つけることが目的の誹謗中傷は表現の自由でもなんでもない卑劣な行為です。
22:03誹謗中傷に対する当局の反応が鈍いと私も感じます。
22:07一方で全てを当局に委ねていいのか。私たちの意識一つで変えることができるのではないか。そういう思いも持っていますね。
22:17岩井さんがこのような形で亡くなったことの重みそしてご遺族の悲しみを私たちは真剣に受け止めないといけないと思います。しかし同時に岩井さんの死をきっかけに誹謗中傷の連鎖が起きることは決してあってはいけないと思うんですね。
22:33岩井さんを攻撃していた人たちをまた誹謗中傷することは新たな被害者を生むことです何かを投稿するときにそれが正義感に突き動かされているときほどその投稿が誰かを傷つけていないか立ち止まって考えていただきたいと思いますそして悩みがある方苦しんでいる方こちらの相談窓口に連絡していただければと思います