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ライフスタイルトランスクリプション
00:00今日は幕末のことを少し話します
00:05幕末は2つの大きな特徴
00:09欠点から見た大きな特徴があって
00:13それは芸術がほとんどなかったこと
00:15それから宗教が全くなかった時代であります
00:20どういうわけだか
00:23この2つが大きな欠落したようにないんであります
00:27これは幕末のこの2つからだけでも幕末とは何かと
00:32幕末の日本って何かと
00:34幕末の日本人とはどういう日本人なのかということが出てくるわけであります
00:39それは渡辺火山といったような大天才が江戸末期に現れますけれども
00:47この人は不正室の天才でありまして
00:51天才はいついかなる場所でも現れてくるわけで
00:55時代の風潮の中から現れてくるもんじゃないんであります
00:58ポールのようにして現れてくるわけで
01:02突き立っておるわけで
01:04ピラミッドの頂点の上に天才が立っているんじゃないわけであります
01:09だから火山は天才であるがために例外であって
01:13他の例えば絵描きたち芸術家たち絵描きたちはどうであったかといったら
01:19前時代のつまらない絵を描いておったわけであります
01:22文人画で筆かなんかで筆をちょっと寝返してですね
01:26寝返してスーッとやると
01:28ああ竹になったというような
01:29それを付け立てと言うんですけれども
01:31付け立てというのはどういう語源か知りませんが
01:35絵描きの世界では付け立てと言うんです
01:37スーッと寝返してですね
01:38ちょっとこう押さえてちょっとこう節作っていったら竹だったと
01:423日も習えばですね
01:43もう竹描けるんです
01:44そしてまた今度は
01:47なんか勝負家なんか描くのに
01:52ここはちょっと力入れてと先生が全部教えてくれるんです
01:55そして勝負家なんかができあがる
01:57こんなつまらない絵が日本の江戸時代の絵
02:01特に幕末の絵であります
02:02これ余談ですけれども
02:04日本人の洋画家が
02:06アメリカかなんかに行くというときに
02:10今行くというときに
02:12全部じゃありませんけれども
02:14私の友人は全部でありましたが
02:16これ習っていくんです
02:18日本画家から
02:19これずっとこうやっていきますとですね
02:21飯食えるんです
02:22すごいで
02:22なんと不思議な魔法みたいなことをすると
02:25これはスミ絵でありますけれども
02:29スミ絵の中の付け立てを
02:30これは何種類もあって
02:31これ習っていって
02:32これずっと描いて回っているだけでもですね
02:34いくらかなるんです
02:36それで向こうで
02:39割合もう本当の油絵を修行すること忘れちゃって
02:43それでもって結構に暮らしている人もあるそうでありまして
02:48それは江戸時代に
02:50芸術が衰弱しきったときに出てきた
02:53形式芸術であります
02:55そういうものばっかりがあったんです
02:58学末では
02:59もうつまり文芸復興の頃とか
03:03あるいはそれ以外のこの芸術が
03:07群がり起こってくる時代というものではなかった
03:11やっぱり不思議な革命期であります
03:13革命期であるということは
03:15いろんな要素を導き出してくるんですけれども
03:20ないんです
03:22宗教の方はどうかというと
03:26これは人の精神の中で最も重要な一つでありますけれども
03:29これもない
03:30幕末の死死というものは
03:32人よりも宗教信者がいなかったということは
03:35言えると思うん
03:36江戸時代は全部お寺に所属しておりまして
03:40みんなお収支があるんですけれども
03:42ですからその意味では
03:43白党としては
03:46大変宗教時代であります
03:48どの人間もお収支
03:49お前はお収支なんだと言って
03:51臨済州
03:51お前はなんだと言った
03:52日蓮州
03:53今の我々と同じであります
03:55お前のところお収支なんだと言った
03:57なんとか州
03:59浄土神州とか浄土神州とか
04:02禅州とか
04:03いうわけである
04:05それ江戸時代から名残であります
04:06その幕末の死死も全部
04:09家のお収支は持っておるわけですけれども
04:11誰も信仰しているものがなかった
04:13浄土神州などというものは
04:15戦国時代にあっては
04:18一行一騎を生むような
04:20日本全国を揺り動かした
04:22大きな信仰でありますが
04:23それも幕末では
04:26何の力も持っていなくて
04:28冷え冷えと
04:29死へ切った状態であります
04:30幕末の父たちは
04:31死ぬことが平気で
04:34すぐ死んじゃう
04:35すぐ死んじゃうのに
04:36死んだ後どうするんだと言って
04:39僕がきっと追いかけて
04:40聞いても
04:42何にも答えないだろうと思う
04:43死ぬことは平気だった
04:45どういうわけだか
04:46死ぬことが平気なくせに宗教がなかったというのは
04:49これはヨーロッパ人が見れば
04:51もうこれほど不思議な現象がないと思うんであります
04:54そのヨーロッパ人はいまだにやはり
04:57非常に宗教が大事だというのは
05:01ヨーロッパ人というものは
05:02死ぬのが怖いわけであります
05:04やっぱりあれだけ生命として
05:06我々よりもエネルギーがたくさんある人種というのは
05:11生き生きとしていて
05:12我々の3倍ぐらい食事を食べて
05:16ご飯を食べて
05:17体も大きいと
05:18そういう連中というのはやっぱり
05:21死ぬということはきっと怖いに違いない
05:23我々の3倍だけ怖いに違いない
05:25我々は大変
05:28つまり植物的な民族でありますから
05:31死ぬということは
05:33割合比較的怖くない
05:35その点で日本人というのは
05:38多少不思議なところがあるのであります
05:40幕末の死は特にそうである
05:43幕末の死というのは何だといって
05:45これは何回か人に話したことで
05:48私にとってもだいぶ手垢がついている話なんですけれども
05:52幕末の死というのは
05:54一言で言ったらどんな奴だといったら
05:56非常にたぎった時代ですから
05:59このたぎるという言葉は
06:00高田ロバンが発明した言葉でありまして
06:03この沸騰している時代
06:07たぎった時代というのは
06:08たぎった人間を出すわけで
06:11我々この平和な時代で
06:13想像できない人間を出す
06:15人間の行動も想像できないわけであります
06:17だからその時代の気分になって
06:19その時代を見なければ
06:21その時代がわからない
06:23今の畳の上で我々は
06:25タバコ飲んで
06:2612時になったら飯を食っているという
06:28この平和な時代で
06:31平和な状態で
06:33なかなか幕末の日本人の心というのはわからない
06:37一つティピカルな例を挙げますと
06:41文旧3年の早い時期に
06:46まだ有名な新選組ができていなくて
06:50文旧2年であります
06:51文旧2年の秋に
06:52まだ新選組は文旧3年の早春に成立するわけですから
06:58京都の町に
07:00将軍が来たのであります
07:02将軍家持という人が来て
07:05京都の町は
07:06いわゆる空出た前夜のような状態で
07:09その後再び反動事態があって
07:12金能党は弾圧されますけれども
07:14文旧2年の
07:152年の時期と
07:16一時期というのは
07:17非常にこのあだまなのように
07:20金能党がバッコした
07:22そして砂漠とみれば
07:23ただきったと
07:24そういう騒ぎで
07:27無警察状態
07:28無政府状態が京都の町にあったわけです
07:31そのために
07:32その翌年
07:33文旧3年の春に
07:34新選組が登場するわけですが
07:36それを弾圧するために
07:38そしてそれは成功するんですが
07:40そのちょっと前
07:43文旧2年
07:44将軍が来た
07:45みんな志士が
07:46もう将軍の行列を見ておる
07:50そしてその
07:51高杉晋作が
07:52長州の人間で
07:53高杉晋作が
07:54それを見ておりまして
07:55普通ならば土下座して
07:57将軍を迎えなきゃいけないのに
07:59もう乱れ切っておりまして
08:01立ってみておりまして
08:03みんなが
08:03伊予正義大将軍と
08:05言ったそうであります
08:06伊予まるで芝居の
08:09占領役者
08:09東京
08:11その当時江戸ですね
08:13江戸から来た
08:14将軍大月で来た
08:15旗本の連中は
08:16悲憤の涙を
08:17飲んだそうであります
08:18その時代に
08:20この高杉晋作が
08:22将軍を暗殺してやろうと思った
08:24暗殺する必要はないんですが
08:27何も将軍は大物でないですから
08:29ところが将軍が
08:30将軍が暗殺されるという
08:33政治的効果を
08:34この革命の天才は
08:37思ったんですね
08:38将軍が暗殺されるとなれば
08:40もう今まで
08:41徳川幕府というのは
08:43大変なもんだと思ってたら
08:45なんだこの程度かと思って
08:47その時代の風潮が
08:49いっぺんに変わると
08:50いうようなことで
08:52将軍を暗殺してやろうと
08:54思いついた
08:54下宿でですね
08:56二条城の近いところの
08:58下宿で
09:00仲間と一緒に
09:02相談しておったわけですね
09:04そしたら
09:06外は雨が降っておりまして
09:08見てきたようなことを
09:09言いますけれども
09:10その雨の中をついてですね
09:17一人の老子が
09:19やってきた
09:20これは老人の死死のことを
09:22老子と言うんですけれども
09:24老子がやってきまして
09:27どこの半島もつかない
09:28老子がやってきまして
09:30そして高杉とは
09:32多少の知り合いであったらしくて
09:33高杉さんいらっしゃいますかと
09:36言ったら高杉が
09:372階から降りてきて
09:39この人は
09:40本当の意味での天才のような人ですから
09:42非常に
09:44愛想の悪いところがあって
09:46剣道のようなところがあって
09:48何か用ですかと言ったら
09:49いや実は
09:50私は
09:52ちょっと聞いたんですが
09:54将軍暗殺されるそうでと
09:56まあごちつり手軽な話ですけれども
09:59そんなの私も
10:00加えてほしいと
10:02その仲間に入れてほしいと
10:04言ったら高杉が
10:05本当は高杉って人は
10:08そんなことできないと思ってましたから
10:09将軍暗殺するのは不可能です
10:11本当に不可能ですから
10:12そういうところに
10:14一つの政治的効果を持ってたのかもしれませんから
10:17本気でそう思ってたんじゃないんですが
10:20だから
10:21それもあってですね
10:23それは断りますと
10:24なぜと言えば
10:27将軍暗殺するということは
10:29自分たち長州藩の人間であるんで
10:31他藩の人間の力を借りませんと
10:34こう言って
10:35もう木で花くくったようにして
10:37断ったわけじゃない
10:39そうしたらその浪人はですね
10:41別の場所で起こっちゃったんです
10:43つまり
10:44自分を臆病者だと思ったのかと
10:47そういうことで起こったん
10:48で
10:49その
10:49あなたは私を
10:50臆病者だと思うんですかと
10:53言ってその
10:53怒り出してですね
10:55自分が臆病者でないか
10:56どうか
10:58証拠を見せてやると言って
11:00雨の中で飛び出して
11:01軒下で
11:03立腹切って死んじゃったん
11:04考えられないことじゃないですか
11:08死んだらそんでしまえたのに
11:10これで実証はされたわけであります
11:13だいたいその種類の人間が
11:17いわゆる京都で走り回っておるわけであります
11:20これが一番ティピカルな例であります
11:23そしてまた
11:24その人が何らかの宗教を持っておったかと
11:29カトリックは何もないですけど
11:31その
11:32何らかの宗教を持っておったかというと
11:35決してそうじゃない
11:36何も持ってない
11:37無神論であります
11:39なぜ無神論であるということが分かるかと言いますと
11:42江戸時代ってのは
11:43まあ初期の間までは
11:44侍も宗教を持ってたん
11:47徳川家康って人は
11:49浄土宗の信者でありまして
11:51戦争に行くときには
11:52その
11:53大きな旗にですね
11:55関ヶ原の駅も
11:56彼は関ヶ原に掲げた
11:58大きな二つの旗は
12:00恩利浄土
12:01いや恩利浄土じゃねえ
12:03ゴング浄土
12:05ゴング浄土と言ったら
12:06浄土を恋願うということだ
12:08お浄土を恋願う
12:09恩利江戸
12:12江戸ってのはこの世
12:13この世という意味
12:14恩利ってのは嫌う
12:16この世はもういとましいと
12:18うとましいと
12:18とっても嫌だと
12:19お浄土へ行きたいという旗
12:22これはまあ侍を見たら
12:23そのつもりになって
12:24死んじゃうのかもしれませんけれども
12:26だいたいこの旗が言うことを聞いた時代であります
12:29関ヶ原までは
12:30そして徳川初期もこういう気分があった
12:36気分がありました
12:38ところが徳川中期頃から
12:40日本人というのは非常に教養民族になったわけであります
12:43非常に教養があってですね
12:46もう日本国中でですね
12:48勉強し始めたのは
12:50今が初めてじゃないんです
12:53徳川時代はですね
12:55もう一つにきちがい勉強をしたわけであります
12:58それはもう江戸中期
13:00元禄くらいからそうなった
13:02つまり戦争でもって
13:04手から取っていることはできませんから
13:06学問でもって身を立てようというので
13:08侍もそれから百姓も
13:11百姓もまかり間違えば学問でもって
13:13侍になることができますから
13:15それでもっても学問をし始めた
13:17この学問というのはご存知のように
13:20儒教であります
13:21儒教の中で一番
13:23最新式の儒教だと言われておった
13:26もっともその当時
13:27最新式かどうか分かりませんけど
13:29まあ朱子学というやつです
13:31朱子学というのは
13:32今勉強なさってもつまらない学問ですけれども
13:34これはその当時としては意味のある学問ですが
13:37朱子学というのは
13:40要するに道徳のもとを
13:44科学的に尋ねていくという学問であって
13:49非常に科学的なものなんです
13:52だけど要するに道徳なんです
13:55儒教というのは学問といっても
13:57明治以後の学問というのはサイエンスのことですが
14:00人文科学自然科学のことですが
14:02明治以前の学問というのは
14:04人はどうやって生きるかという
14:06どう行動すれば美しいか
14:08この時にはこういうことをしちゃいけないという
14:13取り決めを習うことが学問です
14:16つまり要するに
14:17儒教であります
14:18その
14:19儒教を徹底的にあったわけですね
14:22儒教というのは本質無心論なんです
14:25儒教の無心論というのは
14:27例えば話が飛びますけれども
14:31小石様がですね
14:32小石様が元祖ですから
14:35宗教を否定はしなかったけれども
14:38逃げた人でありまして
14:39弟子がある時
14:41小石様は死んだらどうなるんでしょうと
14:45先生はそれをともおっしゃいませんけれども
14:48人間死んだらどうなるんでしょうと
14:50言ったら
14:50俺は生きていることもわからないのに
14:52死んだ後のことはわからないと
14:54大変科学的な答えをなさって
14:58そのまま来たわけであります
15:00そして非常にこの科学的なもの
15:02いわゆる宗教
15:04無心論的なものであります
15:06それに
15:08その禅宗の無心論が加わりまして
15:10禅宗というのは本来無心論なんです
15:12禅宗の話までしていると
15:16これきりがありませんから
15:18その2つの無心論が
15:20このミックスされましてですね
15:22日本の武士道的なものの中で
15:26花を開いたわけであります
15:28ですから
15:29それの煮え詰まった
15:31教養時代の
15:33無心論的教養時代の
15:34煮え詰まった時が
15:35幕末でありますから
15:37そして幕末の死というのは
15:39全部
15:39もう実に死を厭わない
15:41平気で死ぬと
15:43つまり道徳で死ねるわけであります
15:45人間というのはどうやって生きていくかというのは
15:49宗教と道徳がありますけれども
15:51道徳だけで十分だという人もおるし
15:55宗教が必要だという人もおりますけれども
15:58幕末の日本人というのは道徳だけであります
16:03庶民は別として
16:04いわゆる侍階級は道徳だけであります
16:07その侍階級の中で多少血の気の多い人間が
16:12いわゆる革命運動に参加したわけで
16:14それらはみんな道徳で死ねたわけであります
16:17非常に珍しい
16:19世界的にも珍しい例であります
16:21そして
16:22一般風潮としても
16:25宗教はほとんど大敗しきって
16:27堕落しきって
16:28そして何者もなかった
16:30宗教時代じゃない
16:31そうすると幕末の大いなる欠落は
16:34宗教がないということと
16:35それからさっき言った
16:36造形美術で見るべきものがないということと
16:402つであります
16:41この2つないということからだけでも
16:45これだけ語れるわけであります
16:46幕末の時代相というのは語れるわけで
16:50歴史というのはそのようにして
16:51いろんなところから接近していくべきものであります
16:54接近してとんでもないところに行っちゃうことがありますけど
17:01それはたくさんのファクトを並べてないから
17:03抑えてないからとんでもないところに行くので
17:06できるだけとんでもないところに行かないように
17:08行かないようにですね
17:09ファクトはたくさん並べておく必要がある
17:13そうしたら幕末の日本人の関心というのは何だったんだと
17:19言ったら政治と経済であります
17:20もう特に経済というものに実に関心
17:24つまり尖閣者的な人間というのは実に経済に
17:27例えば幕末の尖閣者というと
17:33幕末ではないけどちょっとそれよりも
17:37ちょっと前の佐藤新園とかそれから幕末になってくると
17:42横井湘南とかそういう思想家あるいは行動的な思想家として
17:47勝海州とか坂本龍馬とかいうような人たちは
17:51全部経済的感覚のある人であります
17:55どうやって国を運営すれば儲かるかと
17:59そういう時代であります
18:02幕末でネガティブな方で活躍する
18:07越後長岡藩の家老であった
18:09河井嗣之介という人は
18:12それ以前初生時代の長かった人で
18:16諸国を変略していい先生を探そうとして
18:1910年ばかり歩いた人である
18:21その時にやっと岡山県の山の奥で
18:24一人見つけて
18:26そしてその先生についていろいろ学んだ
18:29学んだことは全部いわゆる経済学であります
18:32藩というものをどのようにして立て直したらいいかと
18:36どのようにして次の時代に藩を生かしめたらいいかと
18:39藩というのは国家のことですが
18:41それまでの藩というのは米国中心の経済であって
18:46侍の国高は百穀取りといったようなもので
18:49お米で換算されているんですが
18:51ところが外国の経済と一緒に
18:54草になってくるとそんな具合にいかないので
18:55非常に違った具合にやっていかなきゃいけない
18:59どうしたらいいかということを
19:01いろいろ岡山の山の奥で
19:03河井嗣之介さんがその先生を学んだ
19:07それで別れしなり
19:09嗣之介が先生を褒める言葉に
19:11先生も侍なんですよ
19:12褒めることに
19:13先生のような人ならば
19:17三井の番頭が務まりますねと言って褒めた
19:19そんな時代なんです
19:21三井の番頭というのは長人ですよ
19:23長人なんです
19:25侍が長人の三井の番頭を憧れたぐらい
19:29長人の三井の番頭の方が能力ありとしたわけ
19:34長人の三井の番頭の方の思考法の方でやっていかないと
19:38これからはダメだという時代なんです
19:40要するに政治経済の時代
19:43人の心はみんなそこに向かっていて
19:45日本はダメになると
19:48潰れると
19:48このままじゃとってもダメということで
19:50革命運動が起こる
19:52それを全部政治経済への関心であります
19:55ですから精神的な仕事は
19:59つまり宗教とか芸術とかというようなことは
20:02二の次どころか
20:03もうなしと同然なの
20:05なしと同然ということからでも
20:11いろんな具合で観察できるわけで
20:15そうやっていろいろ考えていくというわけです
20:21しかしこれもっといろんなことをしゃべらなきゃ
20:24講演会ならないんでしょうけどね
20:26うまくこの時間が来てるんです
20:28坂本龍馬の言葉の中で
20:38やはり今の話の延長でありますけれども
20:41彼が長崎で海援隊をやっておって
20:46海援隊をやっておって
20:48そしてそれは貿易会社兼
20:53消費会社兼
20:56私立海軍兼
20:58浪人結社みたいなものであります
21:00そういうものをやっておって
21:04古文といいますか
21:06要するにいろんな
21:08つまり同志を集めて
21:09好きなようにやっておったわけですが
21:11その時に一番可愛がっておったのが
21:15六宗宗光であります
21:1621、22歳で
21:17奇襲の脱藩老子であります
21:20この人は日清戦争の時の外務大臣で
21:25不正室の外務大臣と言われておりまして
21:28いまだに六宗宗光を超える者はいませんけれども
21:32その六宗光に対して
21:35龍馬がこの我々の海援隊ですね
21:40長崎の海援隊
21:41我々の中で
21:44両刀を出しても飯が食えるのは
21:50俺とお前だけだなと言って
21:52二人で越に行ったわけであります
21:54要するに商売人になっても飯食っていけると
21:58要するに侍という肩書きなしでも
22:02飯食っていけるというのは俺とお前だけだなと
22:04つまりそういうようなもんでないと
22:06ダメだという時代のこの風潮がもう崩壊としてあったわけで
22:11非常に実利的な
22:13非常に
22:15この実利的な時代であります
22:18実利的発想法だけが横行しておる
22:21革命期ってのはだいたいそんなもんでしょうね
22:24実利的発想法だけが横行しておる時代であります
22:29もっとも革命でありますから
22:32非常な
22:33つまり抽象的飛躍が伴うわけで
22:35そこで
22:36詩だけはいい詩が生まれるんです
22:38ポエジの詩は
22:40やっぱり江戸を300年を通じて
22:43日本人が作った詩の傑作を挙げたといったら
22:47やはり幕末にもう集中するわけであります
22:51非常にいい詩が無名の人間からも出ておりますし
22:56これは人の心が高揚しておりますから
23:00詩には向くわけで
23:02ポエジには向くわけで
23:04同じ芸術の中でもそういうものには
23:07ものは非常に高揚するのでありましょうけれども
23:10他のところはダメなんです