オコエ瑠偉 走塁で掴んだプロ初3塁打

  • 8 年前
<日本生命セパ交流戦:楽天5-1ヤクルト>◇7日◇郡山

 楽天を支えてくれたアモーレの皆さま、ありがとうございます! オコエ瑠偉外野手(18)が「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で2回、プロ初の三塁打で感謝感激の2打点をマーク。4回にはプロで初めて直球を安打にして、2度目のマルチ安打を記録した。13年8月から続いた、コボスタ宮城を除く東北主催試合での連敗が11で終了。初のお立ち台に上がり、福島のファンを大喜びさせた。

 野球が楽しくて仕方がない。初のお立ち台に上がったオコエが上体をのけ反らせ、福島の夜空に笑顔で叫んだ。「最高です! 何も言えねえ! です」。プロ初の三塁打に初の直球打ち。好守も見せた。極め付きは、則本と並んだヒーローインタビューで、満員御礼の福島ファンへの勝利報告だった。金メダル級の活躍で北島康介氏ばりに喜びを爆発。場内1周では「アモーレ!」の絶叫3連発で、サインボールを左翼のファンへ投げ入れた。

 迷わずに二塁ベースを蹴った。2回2死二、三塁から右中間三塁打。外角スライダーを完璧に捉えた瞬間から、もう次の塁しか見えなかった。「飛んだコースもよかったし、次の塁というのはいつも狙っていますから」。大歓声に押されてストライドが伸びる。三塁に右足スパイクを突き刺し「うれしくて、自然に出ちゃいました」と、両手を広げて万歳する「ダブルBURN!」で大喜びした。

 三塁への到達タイムは日刊スポーツ計測で11秒37。「二塁を回るときに足を合わせにいっちゃいました」と悔やみながらも、右打席から左打ち快足打者級の数字をはじき出した。梨田監督は「無理かなと思ったら途中で加速した。土を走っている感じがしない。水面を滑るよう」と独特の例えで表現する。この回に一挙4得点。50メートル5秒96の快足がチームの勢いを加速させ、東北主催試合の連敗記録を止めた。「自分はまだ技術が足りない。そういう中で足を生かしたり、全力を出していかないと」。絶好機に持ち味を凝縮させた。

 打席を楽しむ余裕がある。4回、プロで初めて142キロ直球を投手強襲安打とした。「低めに目つけをして、直球をセンター前に狙った。今は打席の中で冷静にいける」。タイミングが取れず、凡打に苦しんだ4月の初スタメンの姿ではない。「前回の1軍は梨田さんの配慮で勉強させてもらったもの。今は甘い気持ちじゃダメ」。考え方もプレーも進化したゴールデンルーキーが、ファンに歓喜を届けた。【松本岳志】

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