• 5 months ago
アメリカでの利下げ観測の高まりは、今週の為替と株価に大きく影響しました。
7月末に迫った日米中央銀行の会合で金融政策に大きな動きはあるのでしょうか?

【ゲスト】山口真弘(SMBC信託銀行)
【コメンテーター】白井さゆり(慶應義塾大学 総合政策学部教授)

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00:00アメリカでの利下げ観測の高まりは今週の川瀬と株価に大きく影響しました。
00:07今月末に迫った日米中央銀行の会合で金融政策に大きな動きはあるのでしょうか。
00:19東京ビッグサイトで開催中の資産運用エキスポ。
00:24投資に関する日本最大級の展示会で、期間中3万人を超える個人投資家が来場します。
00:54投資家の関心はもちろん株高です。
00:59今週、日経平均株価は11日に初めて4万2000円を突破するなど、
01:065営業日連続で取引時間中としての市場最高値を更新しました。
01:13昨日は利益確定の動きもあり大きく下げましたが、好調な株価の要因はどこにあるのでしょうか。
01:24利益確定の動きは株価につながったのかもしれません。
01:34アメリカの利下げ観測が高まったのが一つ大きな要因としてはあったと思います。
01:42利下げ観測が高まったことでアメリカの半導体株が上昇し、
01:48ハイテク株が上昇し日経平均を押し上げたというようなことが一つ大きくあるのだろうなと思います。
01:55今後の株価の見通しについては。
01:58資本効率の改善への期待というのは、本決算を経て株主総会を経てより一層高まってきているというふうに思いますので、
02:08その面から株高の効果は期待できるということだと思います。
02:13日本株はかつていうとブームが過ぎると割安権まで売り込まれるような流れがありましたけれども、
02:22そういう流れは止まってきているのではないかなというふうに思います。
02:26アメリカの利下げ観測の高まりには、この人の発言が大きく影響しました。
02:33最新の労働市場データは、あなたの意見によると、
02:37労働市場の状況は2年前と比べて大きく冷やしています。
02:43これはもう温まったエコノミではありません。
02:46もし、ポリシーを太く緩やすと、エコノミの活動を傷つけるかもしれません。
02:56アメリカのFRB、連邦準備制度理事会のパウエル議長は、
03:01利下げの時期こそ明言しなかったものの、市場では9月にも利下げが始まるとの観測が広がりました。
03:10さらに、11日に発表されたアメリカの消費者物価指数がインフレの原則を裏付けたとして、
03:189月利下げは確定路線と受け止められました。
03:23この消費者物価指数の発表直後、演奏場は1時1ドル157円台と、
03:30要演も円高に触れました。
03:33昨日日銀が公表した統計から、3兆円規模の為替介入があった可能性が推測されています。
03:41CPIの発表直後って、要するにアメリカの市場の一大イベントじゃないですか。
03:46その時にそこのマーケットをかき乱すようなことをするっていうのが、ある意味意外だったんですけど、
03:53逆に言えば、財務省のそれなりに強い姿勢は確認できたし、
04:00もっと言うと、アメリカ当局との間のある種の握りはやっぱりできてるんだなと。
04:06ちゃんと金融正常化っていうことに対して、道筋を示すっていうことをしない限り、
04:13やっぱり介入はだけではですね、時間稼ぎにやっぱりすぎないのかなと。
04:21その後、演奏場は再び159円台まで戻しましたが、
04:26昨日夜にも急速に円高に振れる場面があり、市場では2日連続で
04:32政府・日銀による為替介入があったのではないか、との見方が出ています。
04:40私から申し上げることはありませんけれども、
04:42ずっとその一方向で都道的に変動があったということを無視して語れない状況ではないかと。
04:53今月末に開催される日銀の金融政策決定会合では、
04:58長期国債の買い入れ額の減額について具体的な計画を決めることになっています。
05:06円安ぶっか高の中、日銀は難しい舵取りを迫られています。
05:14今月7月30日、31日にですね、日本もアメリカも金融政策決定会合が同日に開かれるんですね。
05:22ここでの金融政策の変更がどんなものになるのかを今日は占っていきたいと思います。
05:27まず今週一番注目されたのが、FRBのパウエル議長の議会証言でした。
05:329日の発言をまとめています。
05:34こちら、もはやアメリカ経済は加熱していない。利下げが遅すぎれば経済活動に打撃を与えかねない。
05:43直近の指標は緩やかな進展を示しているといった発言がありました。
05:489月に利下げするとは言わなかったけれども、こうした業間を読むと、
05:539月への利下げは確実だというふうに市場は受け取ったようですね。
05:58やはりですね、消費の伸びが明らかに減速してきていますんでね。
06:02前は消費が強すぎたんですけどね、全体としてそろそろ利下げのデータが増えてきてはいますよね。
06:11市場の方はね、また9月利下げだと、年内3回だというふうに林立てていているんですけれども、
06:18どうですかね、物価の状況なんかから見てますとね、9月利下げの後もトントンと利下げしていくような環境なんでしょうか。
06:24やっぱり11月の大統領選でトランプ氏が選ばれると、利下げ圧力とか高まる可能性もありますんでね、
06:32ちょっとそこのを読まないといけないですけども、やっぱりあんまり利下げしすぎても、
06:38経済がまた良くなっていって、貫徹的になってきますからね、非常にバランスを取ると思うんですよね。
06:4411月がすごく大事だと思います。
06:46先ほど消費者物価のグラフを出しましたけども、そこでもおっしゃってましたけども、
06:50まだ完全に安心できる状況ではないんだと。
06:53そうですね、粘着性がある項目だけを見るとまだ高いんですよね。
06:57それから労働市場が難化してきているとはいえ、まだ歴史的に見て強すぎる、かなりタイトですから、賃金上昇率も高いので、
07:06安心して利下げできるというような状況ではないと思います。
07:09その意味ではデータを見ながらゆっくりと利下げしていくというのが一番ライクリなパターンだということなんですね。
07:17その一方でね、最近はやはり消費の統計も少し悪い数字が出てきたりすると、
07:22ひょっとして景気交代懸念が強まるんじゃないかという人もいるんですけども、このリスクはどう見てらっしゃいますか?
07:29かなり低いかなと思うんですよね。やっぱりアメリカはですね、やっぱりミックスでまだ強いデータもありますんでね、
07:35減速はすると思うんですけども、割と正常に向かっているという感じですのでね、
07:41ちょっと大きく景気が交代するとかいうことはちょっと考えにくいですね。
07:45あんまり心配しなくていいと。だから基本路線はソフトランニングに向かっていくということなんでしょうかね。
07:51さて続いて日本の今度金融政策決定会合の方を考えたいと思うんですが、
07:55今月は前回決めた今月6兆円程度を買っている国債の買入れを減額すると、
08:02その具体的な減額幅とペースを決めることにもうすでになっているんですよね。
08:07白井さんはどういう内容の決定が行われるというふうに見てらっしゃいますか?
08:12まず日本銀行の金融政策の基本的な枠組みをちょっと説明したいんですけども、
08:18これがやはり日本銀行の枠組みなんですね。これを理解する必要があると思います。
08:24買入れの減額に関しては、6月になぜするかというと、
08:28長期金利の自由な需要と供給による価格形成を作りたいと言っているわけですね。
08:35それは2%のインフレ目標とか景気とはつなげていないですね。ここが重要なんです。
08:41ですからここは景気とかインフレの達成度と関係なく粛々とやっていくということなので、
08:47おそらく今後の政策の中心はこっちです。
08:51減額の方が重要で、おそらく毎月の買入れ額を明確にして、
08:581、2年ぐらい見てストップエンドゴー、状況が悪かったらやめるような形で
09:02粛々とやっていく方が一番重要です。
09:05こっちの方は短期金利は2%のインフレ目標の安定的実現が金融政策の目的なので、
09:12ここが数ヶ月前に総裁がおっしゃったように、
09:16彼らのインフレ見通しよりもかなり上振れるとかいうことだったらば
09:22利上げができるんですけども、そうじゃないところで利上げをするというのは
09:26不可能ではないですけども、どんどん上げていくという感じではないと思うんです。
09:33この2つは分けて考えているんだと、日銀は。
09:36まず上の方からいきましょうか。
09:38東端リサーチの加藤さんが作ってくださったグラフから見てみましょうかね。
09:42今6兆円毎月買っているものを、5兆円なのか4兆円なのか3兆円なのか減らしていくと、
09:49全体として今100持っているものがどれくらい減るかというグラフなんですけど、
09:54白井さんはどの辺で決まるというふうに見ていますか。
09:57結局、銀行が相当日銀の東西預金を持っているんですよね。
10:02要するに国債を日銀が減らすということは、東西預金を減らしていくということなので、
10:07そこがどこまで減らせるかということなんです。
10:09銀行が過剰に持っているんですね、日銀の預金を。
10:14それを見ると、比較的金利が低い東西預金よりは、
10:19ある程度国債を持ちたいという思考はあると思うんですよ。
10:24バランスシートから見ると、私から見ると1、2年はこの3兆円ぐらいは可能なのかなと。
10:31つまり今6兆円買っているものを3兆円まで減らす、半分に減らすことができるのではないかということですよね。
10:37そのぐらい過剰に東西預金が膨張しているということです。
10:42そうすると、今に比べて国債の保有額というのが10%減ぐらいになると。
10:51ECBやFRBが今減らしている割合に比べるとベースは遅いけれども、損職ない。
10:57言ってみれば相応の額を減らしたと言えるということなんですかね。
11:00今、東西預金が580兆円ですからね。
11:02せいぜい60兆円ぐらい減らすような程度だから、
11:05まだそれでも大きなバランスシートがあるわけですよね。
11:08ただ一方で国債発行も増えていますから、国債の受給をしっかり見ながら、
11:13どれだけ日銀が減らしていく国債を銀行とか生命保険会社が買ってくれるかというのを見ながらね、
11:20ゆっくりと減らしていくと思います。
11:23その買い入れ要力がどれくらいあるかというのを伺えるのが次のグラフなんですね。
11:29こちらは国債を誰が持っているかを表したグラフです。
11:33今、日銀が576兆円と全体の半分以上を保有していて、
11:38他に金融機関や保険年金基金などが保有しています。
11:42確かにこのグラフを見ると、かつては金融機関がかなり多くの国債を買っていたものが、
11:48最近は金利が少しずつ上がってきて、国債価格が下落していることもあって少なくなっているわけですよね。
11:55これが先ほど知事さんおっしゃっているように、もう少し買えるんじゃないかと。
12:00だから日銀が減らしても大丈夫なんじゃないかと思うんですか。
12:03この間に銀行のバランスシートってものすごく大きくなったんです。
12:08家計と企業が預金をどんどんどんどんしているので、銀行の資産がものすごく大きくなっているんですね。
12:15大きくなっているのに国債はどんどん減らしてきていて、日銀の投材預金にものすごい金額を持っているわけですよね。
12:23それだとあまり利益も生まない。
12:25しかし国債に転換すると金利が上昇していけば、時価で見ると下がっちゃう恐れもあるから、
12:32金融規制の観点から見てそんなに持てないけれども、あまりにも投材預金を持ちすぎているので、
12:38一番の買い手というのはやっぱり銀行になると思うんです。
12:41ここが中心になるし、それなりの買い入れの要力はあるのかなというふうに思います。
12:45その消化具合を見て長期金利が跳ねないようにある種コントロールしながら、
12:50自由な金利形成を促していくということになるんでしょうね。
12:53あとここですね、保険と年金基金はやっぱり負債側が長期なので、長期の国債を持ちたいわけですね。
13:02ですからやっぱり金利も上がってきますので、ここももう少し保険年金も買い入れる余地はありますけど、
13:09やっぱりでも明確に銀行が中心になると思います。
13:13さてもう一つの決定会合の焦点は、利上げがあるのか、あるとしたらいつなのかということなんですよね。
13:21円安が進んでいることもあって、日銀に何か対応を求める声が出ているわけですけど、
13:29ここは見通しとしてはどうですかね。
13:32先ほど申しましたように、短期金利、政策金利というのは2%の物価安定目標というのが金融政策の目標ですから、
13:40やっぱりそこを対比で判断するはずなんですよね。
13:43それで見ると確かにインフレは2年以上、2%超えてます。
13:48皆さんの感覚ではもっと上がってますよね。
13:51だけど金融政策というのは中長期的にみんながどのぐらいのインフレがこの国で落ち着くかというのを見ていて、
13:59それは日銀の試算では1.5%。
14:02これが2位だったら大丈夫なんですけど、いってないわけですよ。
14:07いわゆる貴重的な物価上昇ということですね。
14:09はい。ですから中長期的に2%を達成できるかどうかがかなり不確実な状況。
14:14今は一時的に円安とかで高くなっているけど、収まってくれば2%を切ってしまう可能性が高いということを考えると、
14:22そこから見るとちょっと利上げというのは考えづらいんですよね。
14:25理屈からすると利上げの環境ではないんだというのが白井さんのお考えなんですよね。
14:30だけども円安もあって何かしなきゃいけないという状況に置かれていると思うんですけれども、
14:36そうすると7月なのか9月なのかということになっているわけですが、白井さんはいつ頃だというふうに見られますか。
14:443月、6月って日銀が成長化の方に見たときにがっかり感があって市場で円安が進みましたよね。
14:51ですからやっぱり今回もそういうことを避けたいということになるとやっぱり短期金利も0.3%ぐらいまで上げられると思いますので、
15:00一緒に資産会例の減額とともにやっぱり7月の31日に発表するのかなというふうに感じています。
15:07そうですか。その時は0.25%ぐらい。
15:100.3ぐらいですね。そんなに上げる余地はないと思うんですよ。
15:14そのことによって意思を示す可能性があるんじゃないかということですかね。
15:21はい。

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