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00:00:00優しく微笑む。まだあどけなさの残る若者。
00:00:09彼が19歳の時につけられた異名。
00:00:13それは、悪霊。
00:00:18地獄に火を放った怪物。
00:00:22小さな独裁者。
00:00:27若きドイツ軍人、ビリー・ヘロルト。
00:00:31一体何を死で勝ちたのか。
00:00:42あなたはまだ知らない。
00:00:45この世に隠された恐るべき謎。
00:00:49さあ、今宵も参りましょう。
00:00:52危険な驚きの世界、ダークサイドへ。
00:00:57あなたはまだだ。
00:01:00第二次世界大戦末期。
00:01:03敗北寸前のドイツ。
00:01:06軍人ヘロルトは、味方の兵士150人を処刑。
00:01:11ルーム無視の虐殺だ。
00:01:1419歳の若者が一体なぜ。
00:01:18もともとヘロルトは下っ端兵士。
00:01:21嘘とハッタリで上層を騙し、残虐な処刑を認めさせるため、衝撃的な大ボラまで。
00:01:30私はヒトラー総統から、全権委任を受けている。
00:01:35狂気の虐殺を、なぜ誰も止められなかったのか。
00:01:42さらに、ヘロルトの罪を問う裁判では、信じられない発言が。
00:01:48ヘロルトは立派な軍人だ。
00:01:50異常な判断と、嘘つきの暴走がまかり通る極限状況。
00:01:57その恐怖に迫る。
00:02:01これから1時間、闇の世界に光を当て、
00:02:06あなたと共に、謎を解き明かしていきます。
00:02:11ルパディーレノ。
00:02:14ミオルプディーレハナイザ。
00:02:17コルティーレフォーカン。
00:02:20デリシュナ。
00:02:24あなたたちの世界には、いろんな役割の制服があるそうで。
00:02:41あの学校に通いたい、と思わせるオシャレな制服に。
00:02:47仕事の役割や、責任感を感じさせる制服。
00:02:56でも、これから紹介するのは、150人もの虐殺事件。
00:03:02そのきっかけとなった制服。
00:03:06虐殺をした人物は、ビリー・ヘロルト、19歳。
00:03:12第二次世界大戦の末期、ドイツ軍の一兵士だったヘロルトは、
00:03:17偶然見つけた空軍隊員の制服を着用。
00:03:22味方のドイツ兵を150人以上射殺した。
00:03:27しかも、ヘロルトより年上の上級将校たちでさえ、
00:03:32彼の制服の階級を信じ込み、誰も虐殺を止めなかった。
00:03:38制服で嘘を語る19歳の暴走を、なぜ責任ある大人たちが止められなかったのか。
00:03:48権威ある肩書の前に、人間は簡単に保身と無責任に走る。その弱さを見るがいい。
00:04:03ドイツ北西部の小さな都市、オルデンブルク。
00:04:10ここの資料館で2008年、異常な事件の記録が掘り起こされた。
00:04:181945年、この中央で起きた凶悪事件。
00:04:25エロルト事件の裁判記録が。
00:04:2819歳の若き兵士が、年上の上級将校たちを騙して、
00:04:35ドイツ衛兵150人以上を虐殺した大事件。
00:04:40悪霊、地獄に火を放った怪物。
00:04:45呪われた存在として語られる若者。
00:04:49ベリー・エロルトとは何者なのか。
00:04:571944年6月。
00:05:01コルマンディから上陸したアメリカやイギリスなど連合国軍は、
00:05:063ヶ月後、ドイツ国境を突破。
00:05:13アクル、1945年3月には西部の大都市ケルンにまで到達。
00:05:21この地域のドイツ軍は北へ追い詰められる。
00:05:26ここ、ドイツとオランダの国境沿い。
00:05:31混乱状況の中、19歳の若者が逃げ惑っていた。
00:05:41うっすらと笑みを浮かべ、まだあどけなさが残るこの男。
00:05:48ドイツ国防軍のビリー・ヘロルト上等兵だ。
00:05:56彼が所属するパラシュート部隊は、連合国軍との戦闘で壊滅。
00:06:03部隊とはぐれ、さまよっていた。
00:06:10そこに。
00:06:11私は道端に、箱などがいっぱい積まれた車の残骸を見つけました。
00:06:23軍の車両。近づいてみる。この後、1か月の異常な出来事。全てはここから始まった。
00:06:37私はその中に、空軍隊員の制服を見つけ、それを着ました。
00:06:44タイは上等兵よりはるか上の階級。
00:06:51なぜこの時、ヘロルトはタイの服を着たのか。
00:06:58ヘロルト事件を30年以上調査。
00:07:03裁判資料から真相に迫ったパウル・マイヤーさん。
00:07:09彼はヘロルトの心の内をこう推理する。
00:07:15それはヘロルトにとって突然降って湧いた冒険でした。
00:07:20彼は2年間の軍隊生活で、上等兵より上には昇進できませんでした。
00:07:27それが今、隊員を演じることができるのです。
00:07:32どのように動き、何をすべきか。
00:07:36上司の将尉や隊員から学ぶことができた2年間は、
00:07:40今、この時の準備期間だったといえます。
00:07:44ヘロルトは隊員を演じることをとても気に入ったのです。
00:07:50実は、この時のヘロルトは大きな危険を抱えていた。
00:07:57部隊とはぐれたドイツ兵は、味方に殺される可能性がある。
00:08:04それは、脱走兵問題。
00:08:09敗北を重ねるドイツ軍では、脱走したり、連合国軍に逃げたりする兵士が急増。
00:08:20その数、25万。
00:08:24ヒトラーは、軍の秩序回復と指揮功用のため、
00:08:29脱走兵は処刑するという厳しい方針を命じた。
00:08:34この時、ドイツ軍は、敵と戦うだけでなく、
00:08:44味方の脱走兵を捕まえ、処刑することにも力を入れていたのだ。
00:08:50今のヘロルトは、確実に脱走兵と疑われる。
00:08:55その時、立場が弱い上等兵より、 隊員になりすました方が少しは安心だ。
00:09:05北へと逃げるヘロルト。
00:09:08ある村で、民家を見つけた。
00:09:14中に入ってみると、
00:09:17ドイツ軍の兵士が2人。
00:09:23我々は所属部隊と散り散りになったので、
00:09:262人で移動用の自転車を探していました。
00:09:29すると突然、戸口に隊員が立っていたんです。
00:09:32二人はヘロルトよりも歳は上だが、 階級は隊員よりも下。
00:09:43誤調と上等兵。
00:09:45予期せぬ遭遇に、お互い凍りついた。
00:09:49こいつは脱走兵なのか。
00:09:52こっちをどう思ってるんだ。
00:09:55そこに…
00:09:57敬意の示し方が足りない。 軍人手帳を見せろ。
00:10:06二人は慌てて軍人手帳を見せ、 自分の身分を明らかにした。
00:10:12目の前の若者を本物の隊員と信じてしまったのだ。
00:10:20ヘロルトの自信に満ちた威圧的態度と、
00:10:24いざという時のハッタリ精神。
00:10:27これは、幼い時から持ち合わせたものだ。
00:10:31ドイツ東部、チェコスロバキアとの国境に近い、 田舎町、ルンツェナウ。
00:10:42ビリー・ヘロルトは、1925年、 この町の比較的裕福な家庭に生まれた。
00:10:49幼少期の1930年代、 総統ヒトラーが率いるナチ党政府に、 国民の多くが熱狂していた。
00:11:06ヘロルトは10歳で、 夏党の少年組織、 ユング・フォルクに入隊。
00:11:15そのイデオロギーを叩き込まれた。
00:11:21ところが1年後、なんと除名。
00:11:30組織を追い出されたのだ。
00:11:33その理由は。
00:11:36ヘロルトは、ヘロルトは、 ユング・フォルクの中で、 暴れ者集団を結成。
00:11:45リーダー核として、 年下の少年をいじめるなど、 問題を起こしたのだ。
00:11:541943年、18歳で、 ドイツ国防軍に死が。
00:12:03第二次世界大戦開始から、 5年目の戦場に出る。
00:12:09階級は、一般兵士の上等兵。
00:12:19しばらきして、 ヘロルトが町に帰ってきた時。
00:12:24その異様な姿に、皆が驚いた。
00:12:31私服を着ようとせず、 常に軍服で町を歩いた。
00:12:36しかも、どこで手に入れたのか。
00:12:39上等兵ではありえない、 高級な勲章をいくつもつけて。
00:12:45さらに知人を見かけると。
00:12:50おい、貴様。
00:12:52よ、ヘロルト。どうした?
00:12:55挨拶がない。 敬礼はどうした?
00:12:59まるで、軍服や勲章の権威が 乗り移ったかのようだ。
00:13:05ヘロルトは二面性を持っていました。
00:13:12人を完全に参らせてしまうほどの激しさで、
00:13:15頭がおかしくなったかと思うほど叫ぶ。
00:13:19かと思うと、 とてもにこやかで魅力的に振る舞う。
00:13:24後日裁判で裁判官と検事が、 彼の巧みな話し方に見せられてしまったほど。
00:13:31この二面性です。
00:13:33叫ぶ、そして残酷であること。
00:13:36もう一方で、魅力的なエンターテイナー。
00:13:39このような手段で彼は人々を、 まんまと騙したのです。
00:13:45二人の兵士と別れたヘロルトは、 その翌日。
00:13:52今度は、憲兵隊の検問にぶつかる。
00:13:55上等衛兵だとばれたら、 懲罰は間違いない。
00:14:00脱走兵の取り調べを行っているのは少佐らしい。
00:14:05ヘロルトの隊員よりも階級は上だ。
00:14:10ここで、ヘロルトの口のうまさが炸裂する。
00:14:15自分は25歳の、ドイツで最も若い隊員であります。
00:14:20以前、私はギリシャのクレタ島で任務に就き、 オランダでも戦いました。
00:14:27年齢や立場、戦場での活躍について、 出まかせの言葉を魅力的に語り続けるヘロルト。
00:14:38その話しぶりに、少佐は思わず聞き入ってしまう。
00:14:46そこに偶然、昨日出会った二人の兵士が、 天文所に現れた。
00:14:52食料が欲しいらしい。
00:14:55すると、ヘロルトは。
00:14:57チリジリになった部隊を再建したいのですが、 彼らを加えてもよろしいでしょうか。
00:15:03そうか。ならばその二人に加え、 私の隊からも3人の兵士を出すので、 5人の兵士を君の部隊の所属にしなさい。
00:15:14なんと、5人の兵士を部下に持つ部隊長に、 後にこう思い出している。
00:15:23私は戦闘部隊を作りたかった。
00:15:28そして、イギリス部隊の進軍を阻止したかった。
00:15:32イギリスと戦うために、 部隊を作りたいと語ったヘロルト。
00:15:38果たしてそれは本心なのだろうか。
00:15:47ヘロルトは、第一次大戦後の、 義勇軍の男のようでした。
00:15:53暴力的で、無秩序な軍隊組織の義勇軍です。
00:16:00彼らの本質は、法秩序または、 国家秩序を守るために戦うのではなく、
00:16:08自由にあちこちで銃を撃つなどして生きていたことです。
00:16:14ヘロルトは、そのようなタイプの男だったと、 私は思っています。
00:16:21ヘロルトは、調査の前で、 兵士たちの軍人手帳に記入した。
00:16:29ヘロルト部隊。
00:16:33こうしてヘロルトは、嘘で固めた ヘロルト隊として、 小さな部隊の指揮官となったのである。
00:16:42偶然手に入れた軍服の力を借りて、自分の舞台まで作り上げた、 ヘロルト。
00:16:54でも、なぜ大勢の大人たちが、 口先だけの19歳のヘロルトを本物の大意と信じ、 簡単に従ってしまったのでしょうか。
00:17:06異常な出来事が起きた現場。
00:17:10敗北直前のドイツとは、一体どんな状況だったのか。
00:17:14専門家の方に聞いてみましょう。
00:17:22今回の舞台が、この第二次世界大戦の末期、 ドイツ北西部です。
00:17:27ヴィリー・ヘロルトという人物は、 研究者の間では有名なんですか。
00:17:32専門家による研究というのが、 ほとんどないという状態です。
00:17:37ドイツでは第一次大戦の前の時期なんですが、 ケペニックの大意事件という別の事件がありまして、
00:17:45ある不老者が大意の軍服を着て、身分を殺傷して、 町のお金を盗むというような大きな事件を起こして話題になっています。
00:17:55このヘロルトの事件もこのケペニックの事件とよく似てるというような説明はしばしばされます。
00:18:03第二次世界大戦末期っていう時期自体がそんなにようやく近年になって緊急が盛んになってきたそういうところなんですよね。
00:18:12ナチ体制とか国防軍とかがかなりもう統制不能な状況に陥っていてかなり極限的な状況の中で人それぞれがどういうふうに動いたのかっていうそういう例として見ていくのが大事なのかなと私は考えています。
00:18:27ヘロルトは所属部隊からはぐれてしまっていましたこれ扱いとしては脱走兵になるものなんですか脱走っていうのはもう意図的にこの部隊から逃げるっていう行為で非常に厳しく処罰する恐らくヘロルトもそうだと思うんですけれどもえっとまあ不注意によって1日以上はぐれてしまう許可の切りたいっていうのと2つに分けていて見つけ次第銃殺するっていう命令が1945年の3月に出ていて脱走の意図はなくてもあの
00:18:56厳しい状況にあったと考えられます上等兵が単位の制服を着て身分を差称していますけど当時の法律では6週間以下の懲役かまたは罰金という扱いなんですねしかしこれは1935年というまだ戦争始まる前の段階に作られた法律ですねですから大戦末期の時期になりますとそういう行為を犯したというのを見られたらばその場で即刻射殺されています
00:19:26というような可能性は十分あったと思いますしヘロルトもそのことは覚悟していたというふうに思います先ほどお話ししたように第一対戦の前から似たような出来事が起こっていてその制服が持つ権威っていうものに対する服従っていうのはヘロルト個人だけではなくてかなりドイツの社会全端に蔓延してたような傾向かなと思います
00:19:53ドイツ社会ではまあ厳しいというのもありますし相手との関係をどうするかっていうことを考える時にやっぱ相手の階級性を見てお互いの関係が決まるっていうところがやっぱ軍隊内では当然の論理だと思いますので
00:20:12これあのすごくうまい具合に周りの人だませてるなっていう印象を受けるんですけどこの時代だったら周りの軍その軍の組織的にだまされてもしょうがないななのか彼特有の何かがあるとどちらを見てますか?
00:20:28ヘロルトのようなハッタリとかそういうのがうまい人でもやっぱり社会が安定してたりとかあの彼がこういうことをやるチャンスがなければ全くあの実現することはなかったと思うんですけど社会が崩壊状況にあるっていうところと彼のそういうハッタリっていうのがなんかピタリあってしまうっていう
00:20:47そこが非常にあの興味深いところだなとは思いますよねはい
00:20:521945年4月 ドイツでは東はベルリン近くまでソビアト軍が侵攻
00:21:08西は大都市ミュンスターが連合国軍によって陥落寸前 敗北のカウントダウンが始まった
00:21:18ミュンスターから10キロ北 ヘロルト部隊も北へと逃げていた
00:21:25その間も所属からはぐれた兵士たちを見つけるや 次々と吸収
00:21:35エロルト部隊は30人に膨れ上がる
00:21:404月2日 オランダ国境にほど近い町 リンゲンに到着
00:21:48憲兵隊の検問で呼び止められる
00:21:53憲兵隊を率いるのはエロルトの隊員より 階級の低い軍装
00:22:04軍人手帳の提示をお願いします
00:22:09身分を確認するため 軍人手帳を見せるよう求められた
00:22:17軍人手帳とは 氏名 青年月日 出身地 階級 所属部隊などの身元情報のほか
00:22:27服装や装備のリストなどが記載されたもの
00:22:32エロルトの軍人手帳は もちろん上等兵のもので 隊員ではない
00:22:40このままでは 階級の査証がバレてしまう
00:22:45分かった まず私の部下の軍人手帳を確認させよう
00:22:51エロルトは 先に部下たちの軍人手帳を調べさせた
00:22:58確かに ヘロルト部隊と書かれている
00:23:02そして自分の番になるや
00:23:06原兵隊の軍装に対して 隊員として振る舞い始めた
00:23:11ミュンスターの戦況はどうだ?
00:23:16非常に危ないと聞いております
00:23:19私がいた第6空艇手段はどこにいる?
00:23:23は? その部隊については 私は知りません
00:23:26知らない? 知らないとはどういうことだ?
00:23:29役に立たんやつだな
00:23:32などと威圧的な態度で質問責め
00:23:37ヘロルトの圧力に 軍装は軍人手帳を確認できなかった
00:23:46さらに北に向かい 次の検問では
00:23:49自分と同格の隊員が相手だ
00:23:56軍人手帳を見せろ
00:24:01相手のいったけ高な態度に ヘロルトは
00:24:05その言い方はいかがなものでしょう
00:24:09私も同格の隊員であります
00:24:12機関が先に見せるなら 私も見せましょう
00:24:17じゃあいい そのまま通れ
00:24:26行く先々で 騙し通すことで
00:24:29ヘロルトは隊員として すっかり自信をつけていく
00:24:34翌日の4月3日 国防軍の司令部が置かれる 要所の町 メッペンに到着
00:24:43ヘロルトはここで これまでとは違う 無謀な行動に出る
00:24:53なんと 国防軍の司令部に 自ら挨拶に向かったのだ
00:25:01軍の幹部たちの前でミスをすれば 耐久詐称がバレるかもしれない
00:25:08なぜ そんな危険な行動を選んだのか
00:25:14ヘロルトは常に認められたかったのです
00:25:18自己演出がうまく 隊員の素振りが通用し続けたことで
00:25:23自分が隊員として 認められたと感じたのです
00:25:27そして できるだけ高い階級の人たちにあって
00:25:32認められたいという 欲求に駆られました
00:25:35とても危険で 化けの皮が剥がれるかもしれない状況を
00:25:40わざわざ求めたのです
00:25:45ヘロルトはメッペンの司令部で
00:25:47中流部隊の指揮官 中佐と面会することになった
00:25:54出迎えた中佐に ヘロルトはこう進言する
00:26:02私は何とかお力になりたい
00:26:06自分は砲兵隊を帯同し その中には榴弾砲もあります
00:26:12ここメッペンの防衛に 役立つはずです
00:26:19平然と大嘘
00:26:21彼の部隊に砲兵隊はいないし
00:26:24ヘロルト自身 榴弾砲がどのようなものか 分かっていなかった
00:26:30ところが中佐は
00:26:36ありがとう大尉 ご協力に感謝する
00:26:41中佐は ヘロルトの申し出に感激
00:26:44自分の部隊の兵士を提供し 食料とガソリン 宿舎まで準備してくれた
00:26:51ヘロルトの部隊は 十分な補給を得た上
00:26:5780人もの兵士を抱えることに
00:27:02ところが2日後
00:27:05ヘロルトは もらうものをもらったら
00:27:08なんと街の防御には加わらず メッペンを後にしてしまう
00:27:14かと思えば
00:27:17撃て!
00:27:224月8日
00:27:24連合国軍に占領された街
00:27:27ラーテン近郊の村を奪還すべく 単独で攻撃を開始
00:27:33しかし
00:27:36指揮官として実戦経験のない ヘロルトは
00:27:39連合国軍の激しい反撃に遭う
00:27:44残ったのはわずか12人
00:27:47タイの真似事で得られた自信は 実際の戦闘には通用しなかったのだ
00:27:574月11日
00:28:00北部の拠点 パーペンブルク
00:28:02ヘロルトは この地の司令部に入った
00:28:08そこで彼は 司令部の管理下にある
00:28:14アッシェンドルフ収容所の存在を知る
00:28:18そこには ドイツ軍の脱走兵や政治犯など
00:28:253000人が収容されている
00:28:27この収容所の何かが ヘロルトの心に引っかかった
00:28:34そして これまでとは違う要望を言い始めた
00:28:39アッシェンドルフ収容所を見てみたい
00:28:44連れて行ってもらえないか
00:28:46ヘロルトはこの収容所に
00:28:49もう一度認められるチャンスを見いだしていたそれが最悪の悲劇を生むのである
00:29:03連合国が攻めてくる中ヘロルトは北へと交代していきます
00:29:08その中で資産兵を自分の部隊に編入させていきますがこれは大尉の制服を着ていたからこそのことなんでしょうか?
00:29:17やっぱり1人になっていると敵に遭遇した時に危険が高いということですね
00:29:23それから脱走兵じゃないかということで味方に見つかった場合にも処刑される可能性があるということですから制服を着た大尉という人物が現れた時にそこに一緒になるっていうのは安心感を得られるっていうことだったと思います
00:29:39ヘロルトは自分の部隊を強化することに成功しましたけれども司令部のあるメッペンの防衛には加わらずさっさと北に行きますと思ったら村の奪還作戦に携わります
00:29:52彼の行動をどう見ますか自分でも恐らく判断がしっかりついてない状態だったと思うんですね冷静な判断をして作戦を成功させるっていうことよりもその場その場で決断力を示してですね周りを引っ張るっていうようなそっちの方に意識が行ってたというような印象を持ちます
00:30:14これは他ならぬやっぱりヒトラー自身が周りの部下たちがですね止めているにもかかわらずですね思い切った作戦を実行して結果としてですね大変な損害を出すとかっていうようなことをやっぱり積み重ねているんですね
00:30:33そのあたりはよく似てるかなと思います
00:30:36やっぱり彼は自分がやっぱりハッタリでここまで来てるっていうハギコの虎だっていう自覚はあったからやっぱりメッペン防衛がやるかっていうとやっぱりそれはやらないと
00:30:46でもやっぱり一方で最初に彼がばったり会ったですね2人の中にうちの1人がラインハルトフライタークっていう22歳の兵長がいまして
00:30:56彼はノルマンディで多くの戦車を撃破したりとかそのフライターク以外にも何をも恐れない兵士たちが自分の周りにいるから自分たちは勝つことはできないかもしれないけど相手の軍隊を食い止めることができるはずだと
00:31:11そう思っていたっていうふうにヘロルトは後に述べています
00:31:15彼がたどり着いたのがアッシェンドルフ収容所
00:31:19敵の捕虜であったりあとユダヤ人収容所っていうのはもうよく聞きますけれども
00:31:23同じ国民のドイツ兵を収容する施設というのが当時あったっていうのは驚きなんですが
00:31:30ナチスにおいて収容所っていうのは国のシステムの根幹みたいなところがあって
00:31:36これは政権ができた時からそうですけど
00:31:39特に大戦末期になりますとその収容所システムっていうのはさらに拡充されていって
00:31:45まさに収容所システムに国全体が飲み込まれるようなそういう状況時期だったと考えています
00:31:53前線でずっとさまよってたヘロルトにしてみれば
00:31:57こういう収容所に入り込めば雨風をしのげるというか
00:32:02少し安全なところに入れるっていうのが一つあったと思います
00:32:06それからやっぱり遮断された空間ですから
00:32:09よそから誰かに邪魔されるっていうことなしに
00:32:13その空間の内部で絶対的な権力を震えるかもしれないというですね
00:32:18そういうような考えが出てきたかなと思います
00:32:21嘘の制服で自分がリーダーの舞台を作り上げ
00:32:31その快感に酔いしれる偽物隊員ヘロルト
00:32:36でも実際に戦いを指揮してみればあっさりボロ負け
00:32:43そりゃ偉そうな制服は着てても
00:32:46中身は指揮官の訓練など受けたこともない
00:32:50ただの若者
00:32:51現実の厳しさを思い知ったことでしょ
00:32:56そんなヘロルトが今度は
00:33:013000人の脱走兵たちがいる収容所に行きたい
00:33:05と言い出した
00:33:07自分は偉いと思い込んだ挙句
00:33:11プライドが傷ついた若者が
00:33:14そこで何をしでかすことやら
00:33:171945年4月11日
00:33:26ヘロルトが新たな野心を秘めて向かった場所
00:33:31ドイツ北西部アッシェンドルフ収容所
00:33:36当時この収容所は大きな問題を抱えていた
00:33:42南からの連合国軍に追われるように
00:33:46手前の収容所から
00:33:48ドイツ人の脱走兵や政治犯たちが
00:33:52次々と移されていたのだ
00:33:54そのため
00:33:56もともと収容人員1000人のはずが
00:33:593000人にまで膨れ上がっていた
00:34:02その上
00:34:06囚人たちの一部は
00:34:08移送される途中で脱走
00:34:10逃げた先の村々で
00:34:13食料を略奪
00:34:14女性に乱暴するなど
00:34:17問題を起こしていた
00:34:19収容所としては
00:34:25連合国軍の接近に対して
00:34:283000人もの囚人を抱えて
00:34:30逃げるなど不可能
00:34:32かといって問題のある囚人を管理しながら
00:34:36敵の攻撃を待つなどありえない
00:34:39解決策なし
00:34:43切迫したジレンマだ
00:34:45そんな困難の中
00:34:49突如現れた訪問者
00:34:52それが若き隊ヘロルトだったのだ
00:34:56収容所の警備隊長は
00:34:59ナチ島の突撃隊出身の地区指導者
00:35:03カール・シュッテ43歳
00:35:06シュッテはヘロルトを歓迎すると
00:35:11収容所の問題について不満を語り始めた
00:35:15ヘロルト大尉
00:35:18私はこう思うんです
00:35:20ここに移送される途中
00:35:22脱走して暴れた囚人たちは
00:35:24全員射殺すべきなんです
00:35:28問題を起こした囚人を
00:35:33容赦なく殺すことで人数を減らし
00:35:37管理しやすくすべきだと
00:35:39ところがこれに収容所の署長が
00:35:46反対しているという
00:35:48司法役人上がりの署長は
00:35:53こう言ってるんです
00:35:54法律の文言に従い
00:35:58彼らを扱わねばならない
00:36:00裁判の方法は絶対に守らねばならない
00:36:04などとです
00:36:05略式軍事法廷
00:36:10またの名を即決裁判に関する法律
00:36:14収容所において
00:36:18囚人を処刑するためには
00:36:21簡単な裁判を開かねばならない
00:36:24そのためには
00:36:26裁く権限を持つ高官が
00:36:283人必要だが
00:36:30この時誰も収容所にいなかったのだ
00:36:34警備隊長の指定は
00:36:37この即決裁判なしで
00:36:39囚人を処刑するよう主張していた
00:36:43一方
00:36:45収容所の署長は
00:36:47囚人を処刑するためには
00:36:49法律通り裁判を開くべきだと主張
00:36:532人の意見の食い違いによって
00:36:57収容所の運営は完全に行き詰まっていたのだ
00:37:01知っての不満を聞いていた
00:37:07ヘロルト
00:37:08やがて口を開いた
00:37:11捕まった囚人たちがいるところに私を連れて行け
00:37:16私が即決裁判を開く
00:37:19いやしかし
00:37:21即決裁判を開くには
00:37:23資格のある者が3人
00:37:25知り込みする知ってに向かい
00:37:30ヘロルトはとんでもない大嘘を言い放った
00:37:34私は全権移任を受けている
00:37:37ヒトラー総統ご自身から
00:37:39直接全権を移任されたのだ
00:37:41そんな馬鹿な
00:37:49驚く知っておきにも止めず
00:37:52ヘロルトは
00:37:53案内なしで勝手に収容塔へ向かった
00:37:59そして問題を起こした囚人たちに
00:38:04一体何をしたのか
00:38:06尋問を始めたのだ
00:38:08ある囚人は答えた
00:38:12村人から金を盗みました
00:38:16すると
00:38:20すぐに肩をつけろ
00:38:38一発の銃声
00:38:41収容所に衝撃が走る
00:38:44異変に気づき姿を表したのは
00:38:51収容所の所長
00:38:53ハンゼン
00:38:54これまで
00:38:55いくつもの収容所で
00:38:57所長を務めた
00:38:58ベテランの元司法官だ
00:39:01現場に駆けつけたところ
00:39:08すでに5人が殺されていた
00:39:11一体何だこれは
00:39:16このような処刑は
00:39:19正義に反する
00:39:20しかしヘロルトは
00:39:23私は総統閣下から
00:39:26全権限を与えられている
00:39:29突然のヘロルトの暴挙に
00:39:33収容所の管理者たちは大困難
00:39:36ハンゼンは
00:39:38直属の上司
00:39:40司法当局に相談する
00:39:42総統閣下に命じられたという男が現れ
00:39:46即決裁判を勝手に開き
00:39:48処刑を行っています
00:39:50一体どうすれば
00:39:53そんなやり方は違法だ
00:39:56認められない
00:39:57司法当局は責任を取れない
00:39:59では当局の誰かが
00:40:02こちらに来て
00:40:03対応していただけますか
00:40:05急にそんなことが
00:40:07できるわけがないだろう
00:40:09一方処刑を主張していた
00:40:13シュッテだが
00:40:15ヘロルトの暴走の責任は
00:40:17取りたくなかった
00:40:18そこで
00:40:21様々な組織に
00:40:23処刑を認めるよう相談
00:40:25どの組織も
00:40:27関わりを拒否する中
00:40:29ただ一つだけ
00:40:32そのヘロルトという男は
00:40:37何人処刑すると言ってるんだ
00:40:39何人ほど処刑を
00:40:41340人だ
00:40:43はい
00:40:4530人から40人と言っています
00:40:48そうか
00:40:50そのくらいなら我々も同意する
00:40:52勝手にやれ
00:40:54処刑を認めると言っています
00:40:56処刑を認めた唯一の組織とは
00:40:59国家の敵を粛清するためには手段を選ばぬ
00:41:05悪名高きナチスドイツの秘密警察
00:41:10通称ゲシタポだ
00:41:12ヘロルトが相当ヒトラーの全権委員を主張する上
00:41:18ゲシタポが承認した
00:41:20もはや誰もヘロルトを止めようとしない
00:41:24ここに戦争末期の状況があります
00:41:29ドイツのあらゆるところで空襲警報が鳴り響く中
00:41:34司法当局の関係者は
00:41:37わざわざ収容所まで足を運びたくなかった
00:41:41そこでゲシタポに委ねようとあっさり決めたのです
00:41:46ゲシタポが法に基づき実行する
00:41:50処刑に猛反対していた人も
00:41:53ヘロルト大尉の独断によるものではない
00:41:56となればこれで満足しました
00:41:59つまりあらゆることが
00:42:02ヘロルトのために一日でお膳立てされたのです
00:42:06ゲシタポの承認からわずか2時間
00:42:11ヘロルトはまるで収容所の独裁者のように
00:42:16振る舞い始める
00:42:18囚人に長さ7メートル
00:42:21幅2メートルの穴を掘らせ
00:42:24その中に30人を並ばせた
00:42:27その前に放射機関砲を設置
00:42:33その威力は本来
00:42:35戦闘機を撃墜するためのものだ
00:42:38そして
00:42:42とっさに穴の中に隠れたものも
00:42:58ヘロルトの部下たちが
00:43:03とどめを刺す
00:43:08処刑は一晩中続いた
00:43:13死者およそ100人
00:43:16ゲシタポに伝えた人数を
00:43:20はるかに上回る
00:43:21これは戦争終結後
00:43:36収容所から掘り起こされた死体
00:43:39この時の遺体発掘調査と
00:43:43関係者の証言によると
00:43:46一週間続いた虐殺の犠牲者は
00:43:50150を超えるという
00:43:52年上のベテランたちが解決できなかった
00:44:00収容所のジレンマを
00:44:03ヘロルトは見事解決したつもりでいた
00:44:06有能な若き隊員として
00:44:11ヘロルトは喜びの中にあった
00:44:14ドイツ人の脱走兵であったり
00:44:22政治犯が収容されていた
00:44:23アッシェンドルフ収容所
00:44:24キャパオーバーだったんですけれども
00:44:27実態としてはどういうものだったんでしょうか
00:44:29処刑を実行するというのが
00:44:32これは手っ取り早いというのは
00:44:33多くの人が本心では
00:44:35思っていたのではないかと思うんですね
00:44:38誰もやっぱり重大な責任を取りたがらない
00:44:42決断が下せないような状況ですから
00:44:45物事をはっきり言うような人間が現れてくると
00:44:49その人物の言ったことに従いやすいというような
00:44:52そういう状況だったかなと思います
00:44:54ヘロルトはここで切り札ともいえる言葉
00:44:57相当ご自身から直接全権を委任されたと言い放ちます
00:45:02この言葉かなり重みがある言葉だろうなと思います
00:45:06一つは権威をちらつかされる
00:45:08もう一つはやっぱり恐怖心煽られるということの中で
00:45:13彼に対する不信感よりも
00:45:17この状況を何とかしてもらえるのではないかという
00:45:21そういう期待感が上回ったということだと
00:45:24そう思います
00:45:25相当の名前を勝手に使うという
00:45:28こういったことを思いつくのを大胆だと思うんですが
00:45:31どうしてこういう思想になったと見てますか
00:45:33ナチ体制を考える上で
00:45:36最近の研究で言われているキーワードに
00:45:39相当の意を呈して働くというキーワードがあるんですね
00:45:42日本語で言うとこの忖度に近いんですけれども
00:45:46ヒトラーはこう考えているに違いないとか
00:45:48ヒトラーがこうすれば喜ぶはずだというのは
00:45:51当時の結構ナチスの支配の基本原理みたいなところがあって
00:45:56肌感覚でですね
00:45:57この社会がどういう原理で動いているかというのを
00:46:00彼は理解していたのかもしれないなと思います
00:46:02ヘロルトの暴走で
00:46:04ついに収容所で処刑を決行してしまいます
00:46:08処刑を決行したかった
00:46:10収容所の警備隊長の主って
00:46:12ヘロルトの行為を正当化しようと
00:46:15最後に行き着いたのが
00:46:17ゲシュタポです
00:46:18この流れどう見ますか
00:46:21ナチスというのは
00:46:22常に2つのシステムが同時に動いている体制なんですね
00:46:25国民の目に見えても大丈夫な
00:46:28特に問題ないことは法律のルートでやって
00:46:31国民の目に触れるといろいろな問題があるところは
00:46:34法律の枠外でやるという
00:46:36ゲシュタポというのはまさに後者
00:46:38法律を関係なく
00:46:40汚れ仕事みたいなのをどんどんやっていくというですね
00:46:44そういうことになっていたところなんですね
00:46:47シュッテとしてはもしかしたら法律の枠外で動いているゲシュタポとしては許可を出してくれるだろうなという考えがあった可能性はありますか?
00:46:56はいそう思います
00:46:58囚人の多くっていうのはヘロルトと同じドイツ人
00:47:02銃の先が敵ではなくて
00:47:06自分と同じ民族であるドイツに向かってますけど
00:47:101944年の7月20日ですけれども
00:47:14この時ヒトラーは危機一髪で
00:47:17暗殺を免れるっていう経験をしているんですけれども
00:47:21やはりその後は周囲を信用しなくなってですね
00:47:26いわゆる内向きの暴力っていうのを強めていくっていうことがありますので
00:47:30まあ体制のトップからそういうふうになっていたなという印象を持ちます
00:47:351945年4月半ば
00:47:47連合国軍とソビエト軍はベルリンに接近
00:47:52ナチスドイツは最後の時を迎えようとしていた
00:47:584月19日
00:48:03ヘロルトがいたアッシェンドルフ収容所は
00:48:09連合国軍の爆撃を受ける
00:48:12ヘロルト部隊の活躍の場は破壊された
00:48:19ヘロルトは部下20人を引き連れ収容所を脱出する
00:48:26その後10日間ヘロルト部隊はさらに北へ
00:48:36逃げ込んだ街では民間人や部隊の仲間を
00:48:45陸人な理由で処刑と称して殺害
00:48:49もはやヘロルトは無機動な荒くれ者だった
00:48:54そして4月30日
00:49:03夜戦憲兵だ起きろ同行せよ
00:49:08アブリヒの宿舎でついにドイツ軍の規律を守る憲兵により逮捕された
00:49:16ドイツ北部海沿いの小さな町ノルデン
00:49:265月3日ヘロルトの軍法会議が開かれた
00:49:33問われた罪はタイの制服を無許可で着用したことに加え
00:49:42収容所での大虐殺 そして逃亡中の乱暴狼跡
00:49:48ヘロルトへの裁きは死刑に向かいつつあった
00:49:54ところが
00:49:55ヘロルトの方が一枚上手だった
00:50:01軍を交換たちを前に4時間もの間直立不動を続けたところ
00:50:07この態度を見た大佐がこう評価する
00:50:15ヘロルトは裁判中4時間もの間ずっと直立不動のまま微動だにしなかった
00:50:24立派な軍人だ
00:50:27さらにヘロルトに対して驚くべき用語を始める
00:50:34ドイツが経験した混乱の日々を考えれば
00:50:39ヘロルトの行為は上記を意したものではない
00:50:43困難な時代には困難な決断が重要だ
00:50:49これをきっかけにヘロルトは死刑を免れたのだ
00:50:56ヘロルトが虐殺したのは階級の高い兵士ではありません
00:51:05逃亡の恐れや敵に寝返る危険がある囚人でした
00:51:11そのためヘロルトは正しいことをしたという驚きの判断が下されたのです
00:51:214日後の5月7日
00:51:28ドイツは降伏
00:51:29異常な極限状況は終わりへと向かう
00:51:36一方ヘロルトは軍法会議の後
00:51:45軍を抜け出し
00:51:47ドイツ国内で何食わぬ顔で
00:51:50煙突戦争員の職に就いていた
00:51:53降伏から半月後の5月23日
00:52:01ヘロルトはドイツ北西部の港町で
00:52:07イギリス海軍によって逮捕
00:52:09イギリス側の取り調べに対し
00:52:15ヘロルトは隊員になりすまし
00:52:18部隊を率いた1ヶ月を洗いざらい証言した
00:52:23翌年の2月1日
00:52:29虐殺の地アッシェンドルフ収容所後では
00:52:34イギリス軍が事件を検証するため
00:52:37遺体の発掘が行われた
00:52:40遺体を掘り起こす作業には
00:52:45ヘロルトや元部下たちが借り出された
00:52:49この時イギリス側から作業を命じられた
00:52:54ヘロルトは異様な振る舞いを見せた
00:52:58私の部下は腹に何か入っていた方が働きやすい
00:53:05昼食を取れないか
00:53:06いや貴様と仲間たちには穴掘りの仕事がある
00:53:12何かを食べるのはその後だ
00:53:15ヘロルトは作業現場に駆け足で戻ると
00:53:23みんな頑張れ
00:53:24作業を終えたら飯が出るぞ
00:53:27すると元部下だったメンメンは
00:53:33すでにヘロルトが自分たちを騙したと知っているにもかかわらず
00:53:39その声に素直にしたかったという
00:53:421946年8月
00:53:48ドイツの新聞は
00:53:50ヘロルト事件は一般社会でも起こり得ると警告した
00:53:5519歳の偽隊員が100人を超える虐殺を命じた
00:54:01そして虐殺を命じられた者の中に
00:54:07力強く拒否できる者は一人もいなかった
00:54:10彼らは軍服に従ったのだ
00:54:16この性質が私たちの魂をガンのように蝕んでいる
00:54:21自分で考えようとせずただ服従する
00:54:28暴君が100人の奴隷を作るのではない
00:54:33100人の奴隷が暴君を作るのだ
00:54:371946年11月14日
00:54:47ビリー・ヘロルト・ギロチンで処刑
00:54:51ヘロルトはなぜ虐殺をしたのか
00:54:57その真相は今も謎が多い
00:55:03私は自分が射殺した人々について
00:55:07なぜそうしたのか本当に言うことができません
00:55:11唯一の理由はおそらく
00:55:15私も私の隊員も誰も戦争を欲していたわけではなく
00:55:20収容所で処刑し続ければ
00:55:23戦場に行かなくても済んだということかもしれません
00:55:27爆撃された収容所を後にしたヘロルト
00:55:37その後も無軌道に処刑を繰り返しています
00:55:40どういう心境だったと見てますか
00:55:43暴力の社会化という一言で語れる状況だと思うんですけれども
00:55:48自分の強さだったとか優越性とか
00:55:51そういうことを確認できる絶好の場だったのではないかと思います
00:55:56暴力を振るっていうことに対して
00:55:59感覚が麻痺していたっていうことがあると思うんですけれども
00:56:03その暴力を行使し続けることこそが
00:56:06自分たちの集団としての結束を維持する手段になっていたという
00:56:11そういう側面があると思います
00:56:13軍法会議にかけられたヘロルト
00:56:15その中で裁判に参加している大佐が
00:56:19ヘロルトの行為は上記を意思したものではないと
00:56:22困難な時代には困難な決断が必要だからねと
00:56:26言えちゃう状況がかなり
00:56:29異常ですよね
00:56:32このセリフを聞いた時に
00:56:35この時代はヘロルト個人であるとか
00:56:38前線の一地域というだけではなくて
00:56:42より広くですね
00:56:43社会全体が正常な判断をできなくなっていたんだな
00:56:48っていうようなことを感じました
00:56:49ヘロルトのあの最後の言葉から
00:56:52どのようなことを感じましたか
00:56:54彼の思惑をかなり超えた形で
00:56:58さまざまな偶然が重なって
00:57:00本当に数日前には
00:57:02自分でも想像してなかったようなことが
00:57:05次々起きたということだと思うんですよね
00:57:08なぜこのようなことになったのか
00:57:11彼自身も恐らくきちんとは
00:57:13理解していないままに
00:57:14逮捕されると
00:57:16そういう状況だったのかなというふうに思います
00:57:19このヘロルト事件
00:57:21あるいはこのドイツの戦争末期の暴走
00:57:24も含めてです
00:57:25ここから学べることっていうのは
00:57:28どういったことが考えられますか
00:57:30やっぱりこの極限的な状況にこそ
00:57:33その社会であるとか
00:57:34その人間の本質が
00:57:36パッと出てしまうっていう
00:57:38ヘロルトという人間がやってしまったことっていうのは
00:57:41確かにそれだけ見ると
00:57:43対戦末期の非常に極端な一事例
00:57:46なのかもしれないんですけれども
00:57:48ナチ体制とかですね
00:57:50戦争っていうものが
00:57:51持っている本質っていうのが
00:57:53はっきり学べる時期なのかなと
00:57:55私は研究者としては思っています
00:57:58私たちがヒトラーのような
00:58:00独裁者とか虐殺者をイメージする時っていうのは
00:58:04ついそうした人物を
00:58:06異常な存在という風に
00:58:08イメージしがちだと思うんですね
00:58:10しかしヘロルトの事件っていうのは
00:58:13そうした人物が
00:58:15ひょっとすると
00:58:16我々の社会の中にいるかもしれないとか
00:58:19我々自身の中にも
00:58:21そうした真理が潜んでいるかもしれないと
00:58:23そうした事を改めて感じさせる事件だという風に思います
00:58:28ご視聴ありがとうございました
00:58:31ご視聴ありがとうございました
00:58:35チャンネル登録よろしくお願いします
00:58:37チャンネル登録よろしくお願いします
00:58:41チャンネル登録よろしくお願いします
00:58:49ダークサイドミステリー
00:59:04悪と欲望を追求した作家
00:59:07佐渡
00:59:07問題作が暴く
00:59:09人間の闇とは
00:59:11NHKBS
00:59:1224日金曜夜9時
00:59:15スポーツヒューマン
00:59:18スピードスケート
00:59:19森重渉
00:59:20表情での
00:59:27人類最速の戦いに密着
00:59:29井上さくら
00:59:33トレランレースに初挑戦
00:59:35過去最大の試練が
00:59:37さくらを襲う
00:59:39今夜11時30分
00:59:44プレミアムドラマ
00:59:48トゥルーカラーズ
00:59:50公園に開いたら
00:59:51本物場見に帰ってこい
00:59:53小ギャン雲や空は
00:59:55天草でしか見れん
00:59:56翔太郎
00:59:57ここになれたかな
00:59:59アーメーカラーズ
01:00:02アーメーカラーズ
01:00:03アーメーカラーズ
01:00:03先々渡堂
01:00:09stairs
01:00:09iero
01:00:13座州
01:00:14
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01:00:17熱力
01:00:17持っている
01:00:18
01:00:18

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