• 8 年前
試合が途切れる度、選手たちはコート上で円陣を組み、手をつないだ。敗れれば、リオへの道に黄信号がともる後のない戦い。「長年、バレーをしているが、これほどの逆転は何十年に1回の経験」とバレーボール女子の真鍋監督。日本が総合力で2時間57分の熱戦に決着をつけた。リオデジャネイロ五輪の出場権を懸けたバレーボール女子の世界最終予選兼アジア大陸予選は第4日の18日、東京体育館で行われ、日本はタイに3−2で逆転勝ちし、3勝1敗とした。

15点勝負の最終セットは6−12の劣勢から8連続得点でひっくり返した。そこで重ねた得点が、迫田のスパイクであり、石井のブロックだった。迫田は実にチームトップの24得点。普段は、控えに回っている途中出場の脇役が窮地を救った。

 初黒星を喫した前夜の韓国戦で右手小指を痛めた木村はベンチスタート。主将なきコートの中はぎこちなく、相手のサーブが選手の間に落ちた。

 真鍋監督の動きは早かった。第1セットを落とすと、すぐに3人を入れ替えた。手負いの木村や、迫田、山口のロンドン五輪組を投入して落ち着かせた。ラインすれすれに球が落ち、互いに再三、ビデオ判定を求めるほどの接戦。日本はその後も選手を入れ替えながら流れをつかんだ。

 敗れれば、強豪のイタリアやオランダ戦を残して2敗に後退する崖っ縁。「一人一人が『絶対に勝つ』という目をしていた」と迫田が言えば、「苦しい戦いを制したのは次につながる。また一致団結する」と石井。次の出番を待つ目は誇らしげだ。【藤野智成】

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