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00:00広島市中区のアリスガーデンに置かれた印象的なオブジェそして宇治な鳩羽公園にそびえる巨大な塔さらに平和公園に設置された献花台これらを手がけたのはとあるカンパニーその工場を訪れてみると目に飛び込んできたのは意外にも鋭いカンパニー!
00:29輝きを放つ洗練されたデザインのキッチンですすべて職人の手作りで作り上げたものになりますそうここは最先端のオーダーメイドキッチンを生み出す職人たちの工場だったのです
00:50国内屈指のフルオーダーメイドのキッチンメーカーしかしそのこだわりが成長の壁となっていましたまだそれはもう地元だけでしたからね基本はねただ値段も高いですからね
01:09限られた販売エリアそして高価格帯職人技を守りながらどう事業を拡大するのかカンパニーが下した大胆な決断とは?
01:39ここは職人の手で作り上げるオーダーメイドキッチンの工場がある
02:09ステンレス加工の工場とショールームを構えています カンパニー最大の強みは熟練の職人技
02:18ステンレスの板がまるで芸術品のようなキッチンへと生まれ変わります しかし完成したキッチンをよく見ると本当にこれが手作りと思うほど
02:31ステンレス同士を組み合わせた継ぎ目は一切なくまるで3Dプリンターで作られたかのような美しい仕上がりいかに溶接した部分をきれいに仕上げるかとこれもやはり職人の技というところでございますけれどもこの美しいキッチンは一体どのようにして生み出されているのでしょうか
02:57通常ステンレスを加工するときにはプレス加工と呼ばれる方法が一般的 例えばシンクを製作する場合ステンレスの板にシンクの形をした金型を押し当て強い圧力をかけることで成形します
03:13この方法により同じ形のシンクを何千何万個と大量生産することが可能に一般的なキッチンはマンションや縦売り住宅に設置済みのものやカタログから選ぶ既製品が主流しかしカンパニーは
03:43形にしていくかというところですね カンパニーでキッチンを製作するときはまずお客さんの要望を丁寧にヒアリングし展開図を作成します
03:55図面をもとにステンレスの板をレーザーカッターで切断
04:00続いては折り曲げの工程
04:03特に大きな板の場合は数人がかりで慎重に作業を進めます
04:08かつてはこうした折り曲げや切断の工程も全て手作業でした
04:14先ほど折り曲げたステンレスの板を今度はこちらで溶接して組み立ててみます
04:23なるほど
04:24折り曲げただけでつながっていない角の部分
04:28ここで重要なのが職人による溶接
04:321カ所ずつしっかりとつなぎ合わせていきます
04:35さらに溶接した後は指定された大きさで角に丸みをつける作業
04:41これももちろん手作業で丁寧に仕上げます
04:48やっぱり最初は軽く叩いて
04:51今度は強く立ったり
04:53仕上がりを決めるのは職人の経験と感
04:59力加減一つで美しさが大きく変わるため機械ではなく手作業が求められます
05:06そして最後の仕上がりを決めるのは自分の目と手
05:12わずかな穴や歪みも見逃さず完璧に仕上げます
05:17続いての工程は
05:21溶接されたシンクを今度は天板にはめ込んで天板とシンクを合体させているところです
05:30そうあのステンレスのカウンターとシンクの美しい一体感はここで職人の手によって生み出されていたのです
05:40扱ってるものが薄い板なんで溶接したらちょっとグニャグニャになったりするのでそれをさせないように溶接しないといけないのでよく見て肌で感じたくなって感じですかね
05:55すごいな皆さん感覚がステンレスは鉄に比べると強度が強く加工しにくいのが特徴
06:02それに加え溶接時の高温によって歪みが発生しやすいという課題があります
06:09こちらのカウンターとシンクの接合部分をよく見るとわずかに波打っているのが分かります
06:17これが歪みです
06:20ダメこれ
06:21こうした溶接による歪みは職人の手により丁寧に叩いて修正
06:29またわずかな変形も目と手でしっかりと確認しながら形を整えていきます
06:36何回も見て
06:37するとご覧の通り歪みは消えて美しく仕上がりました
06:43綺麗についてるな
06:45しかしここで終わりではありません
06:48溶接した部分にはまだ跡が残っています
06:52今の溶接したままですけれども
06:55これは違和感なく
06:56鍵盤と同じ仕上げに今から仕上げていきます
07:00ボコボコとした溶接の跡を消し
07:03まるで一枚の金属のように滑らかにする
07:07それが仕上げの鍵盤
07:10職人の繊細な技が光るこの工程では小さなコーナーも決して手を抜かず丁寧に磨きます
07:19仕上げにカウンターと同じ模様を施し境目を自然になじませると
07:25はい完成です
07:27溶接の跡はきれいに磨き上げられ
07:32さらにカウンターと同じ模様を施すことで
07:35継ぎ目は最初からなかったかのように溶け込んでいます
07:39まるで一枚のステンレスから成形されたかのような
07:43完璧な仕上がり
07:45まあ継ぎ目がやはりこう出てきてしまうと
07:50そこがこうカビが発生したりとかですね
07:53汚れがたまってしまったりとか
07:55カンパニーではこうした衛生面や掃除のしやすさにも配慮して
08:01シンクと排水溝を溶接で一体化した商品を開発
08:05継ぎ目のないデザインが汚れのたまりにくさと美しさを両立させています
08:12なかなかこれはプレスでは難しい加工になりますので
08:17ハンドメイドならではのものかなと思います
08:21高い技術力が生み出したまさに夢のオーダーメイドキッチン
08:28誰もが憧れるヒット商品になりそうですが
08:31実はそこには大きな壁が立ちはだかっていました
08:36まだそれはもう地元だけでしたからね気温はねただ値段も高いですからね
08:42手作りだからこそ生み出せる究極のオーダーメイドしかしそれが故に価格の高さや市場が広がりにくいという大きな壁が立ちはだかりますカンパニーはこの難題をどのようにして乗り越えたのでしょうかやっぱり増田さんもおうちでお料理をされると思うんですけどどうですか?のキッチン。
09:06見た目も素敵ですしやっぱりお掃除とかもすごくしやすそうだからいいですね
09:15というわけでスタジオには松岡製作所の松岡社長にお越しいただきました
09:22よろしくお願いします よろしくお願いします
09:25会長さんもVTR出ていらっしゃいましたけど受け継いだということですか?
09:30そうですね2022年おじから受け継ぎました おじさんということで
09:34先ほどもこちらで話してましたけどもオーダーメイドのキッチン
09:40どういうふうにオーダーメイドしていくのかっていうことなんですけど
09:43本当に設計レイアウトもそうですし形大きさ素材もデザインも自由に選んでいただけるというところとですね
09:54あとは組み込むコンロだったり食洗機だったり国産のものから海外製のものまで選んでいただいて
10:02それを組み合わせたりということがあるんですね
10:04そんなカンパニーが手掛けたオーダーメイドキッチンをスタジオにご用意いただきました
10:12こちらなんですけれどもショールーム用に使用していたものを特別にお持ちいただいたということで
10:18ステンレスのシンクと天板部分のみとなっています
10:22台はテレビ局のものなんで勘違いしないでくださいね
10:26ここを溶接しております
10:31本当ですか本当にです
10:33ここ洗剤ポケットも全部一つ溶接をしているところ
10:38ちょっと信じられない美しさですね
10:42お掃除もしやすいという
10:44すごいお掃除しやすそうだし
10:46洗剤とか使ってここにビョンってやって
10:48でも下からちゃんと流れるしというようなことですね
10:52見た目もですけど機能的なポイントもあるんですか
10:55ステップシンクといいまして
10:57プレートを置いた状態で天板とフラットになると
11:02完全にフラットですね
11:03あとはこの排水ですね
11:05シンクと一体に溶接されてますので
11:07お掃除もしやすいような
11:09めちゃくちゃ掃除しやすそう
11:11滑らかになってるし
11:13これいいですね
11:14きれいなんだよなそして
11:17なんか温かみすら感じるっていうかね
11:20不思議な
11:21VTRにもちょっとありましたけど
11:24価格の相場はどのくらいあるでしょうか
11:27オーダーメイドですから結構差がありまして
11:30200万300万円のものから
11:32上はやっぱり1000万を超えるものだったりとかですね
11:36果たしたらもうここに住まなきゃいけないみたいなこともあるわけですね
11:40そんな1000万を超えてくるとなると
11:44オーダーメイドキッチンの価格の高さという難題を乗り越えた販売方法とは?
11:49カンパニーの創業は1927年
11:58ステンレスが普及する前は鉄や銅の加工を手掛け
12:02主に利用機関向けの製品を製作していました
12:06昭和でいうと27、8年ぐらいからもステンレスの加工を始めてます
12:11日本でも先駆けだと思いますけどね
12:15なるほど
12:15錆びにくく耐熱衝撃にも強いステンレスは
12:21それまで主流だったモルタルやタイル製の作業台シンクに革命をもたらしました
12:271956年には大手メーカーがプレス加工を開発し大量生産が加速
12:34そんな中、いち早くステンレスに注目していたカンパニーは
12:40一つ一つ注文を受けては大きさを測ってそれに合わせて作るとか
12:47担当者がお客さんと密にやり取りしながら作るため
12:52カンパニーの販売エリアは広島県内に限られていました
12:57そっか
12:57地元だけでしたからね、基本はね
13:01今さらに知らないわけですから
13:03広島にこういう工場があって
13:05ステンレスでいいのを作るのか知らないわけですから
13:08家庭用キッチンをオーダーメイドで作るという発想が
13:13まだ普及していなかった時代
13:16カンパニーを支えていたのは意外な分野の仕事でした
13:20結構モニュメントとかですね
13:23そういうものもきましてね
13:25かなり大きなものを作ってますよ
13:27時はバブル経済の真っただ中
13:31全国各地から舞い込んだのは
13:33キッチンではなくステンレス製のオーブジェやモニュメントの製作以来
13:38広島の大海と島の博覧会のシンボルタワーも
13:41その一つでした
13:43イタリアのメンディーニというデザイナーですけどね
13:47それがデザインしてるんですけど
13:49どこもよう作らないんですよ
13:51デコボコしてますしね
13:52円錐形ですね
13:53作り方から全部提案して
13:56分割してだるま落としのようにこう
13:58現地で詰め上げていくと
14:00うん職人の確かな技術はあらゆる要望を形にし平和公園の献花台や掘り鶴台といった場所にも生かされました
14:11しかしこの光景気は永遠に続くわけではありませんでした
14:17バブルの崩壊と同時に博覧会みたいなのがなくなったんですよ
14:23まあステンレスのキッチンを細々とやるような感じでしたね
14:28モニュメント製作は1件ごとの発注額が大きくカンパニーの屋台骨を支えていました
14:36しかし景気の後退とともにその需要は激減
14:41カンパニーにとって大きな打撃となったのです
14:45結構答えましたねうんやっぱり10年近くダメージがあったですね
14:53かなりオーダーキッチンの世界ってニッチな世界ですよね世の中の99.9%ぐらいは既製品の量産のキッチンなわけなのでその残りの0.0何%のところがやっぱりオーダーメイドっていうところかなと思ってますから
15:10ケーキが加工し一般家庭でも節約ムードが広がる中量産品のキッチンでも十分だと考える人が増加さらに販売エリアが広島県内に限られていたためバブル期のような売り上げには届かない状況が続いていました
15:29そんなある日カンパニーの未来を変える出来事が東京で開催されたインテリア関連のイベント
15:50カンパニーが持ち込んだのは完成品のキッチンではなくステンレス製のカウンターとシンクつまりキッチンのパーツのみすると予想外の反応が待っていました
16:04結構皆さん人気が良くてびっくりされてすごくいいもの作るねいうことでねそれから少しずつつながりが出来だして全国的にその後カンパニーは同業者でもある全国各地のキッチンメーカーを訪問自社の高品質なステンレス製品を提案していきました
16:28木のキャビネットそちらを自社で作られる方は結構いらっしゃるかなと思いますけれども自社でステンレスの工場まで持ってやられているのがかなり少ないかなと思います
16:40そんな中カンパニーの高品質な製品はこだわりを持つお客さんの心をつかみキッチンの完成品ではなくステンレス製のパーツだけを注文する同業者が増えていったのですこちらは自宅のキッチンをカンパニーでオーダーメードした住宅メーカーの社長
17:02まあ大量に作られている規格のキッチンに比べたらどうしてもお値段は張るかもしれませんが毎日何度も使ってかつ何十年も使うキッチンですねであれば経済的な面だけではなくてやはり毎日使うその満足感を考えたら非常にお手頃なんではないかなというふうに思ってますなるほどなるほど
17:32こうしてオーダーメードキッチンの完成品に加えステンレスパーツの販売で全国展開を実現したカンパニーはバブル期を超える飛躍を遂げました
17:56しかしその挑戦はまだ終わりません次なる舞台は世界さらなる高みを目指し新たなプロジェクトが動き出しています果たしてカンパニーが引き開く世界への一歩とは?
18:16やっぱりプロ同士がそうやって見るから本当かこの技術っていうね素人は分からないけどプロが見たらはぁーってなる技術ってでもちょっと一つ思ったのはそのVTRの東京の展示イベントでステンレスのパーツのみを持っていかれたわけじゃないですか
18:34それはどうして全体も持っていかなかったのは?
18:38何を出展しようかと仙台が考えられた時にやはり自社の一番の強みであるステンレスのカウンターであれば東京でも勝負できるんじゃないかと
18:48さらには自社のステンレスの工場ですね職人を抱えてますから常にこう稼働させないといけないと
18:56まあそのような気持ちも強かったのではないかなと
18:58その技術さえ見てもプロに見てもらえれば絶対に分かるというまあやっぱり自信も終わりになったのかもしれないですね
19:05そうですねそこは強く思っていたと思います
19:07パーツのみとキッチン全体だと今どれぐらいの割合で注文が来てるんですか?
19:13ほぼ半々ぐらいですかね完成形とカウンターのみ
19:18でもVTRを見ているとそれが注文がまた殺到してきて
19:23全国北海道から沖縄までと結構輸送は今まであんまりしてこなかったわけだから
19:28結構その辺のご苦労というのがあったりするんですか?
19:31そうですねやはりキッチンのカウンターといいますとかなり大きいものもありますので
19:35トラックをチャーターして運んでもらったりとか
19:39あとは現場に物が入らないと
19:42そういった時にはですね現場に持ち込んで職人が現地に行って溶接をしたりとかですね
19:49いろいろ工夫しながらご要望にお答えしていると
19:53そこんちの人逆にいいですね
19:55なんか溶接技術も目の前で見れるっていう
19:59感動ですよね
19:59感動しますよ
20:01あれ?あれ?って言ってる間に
20:03つながってるとか元からつながってるみたいな感じになるわけでしょ
20:06そうですね
20:06面白いですね
20:08カンパニーの技術を世界にPR
20:12そのために作ったものとは?
20:14折り紙から折り鶴
20:20広島平和の象徴で鶴だな
20:24この日カンパニーでは何やらミーティングの真っ最中
20:30こちらはですね
20:32今年の5月にドイツのケルンでインターツムという展示会があるんですけども
20:38今回初めてそちらのように出展しようと計画をしてまして
20:43何を展示してどう見せるかというのを今打ち合わせをしているところです
20:48インターツムは家具やキッチンに使用されるパーツなどの展示会
20:54150カ国以上からおよそ6万2000人が来場し
20:58建築家やインテリアデザイナーをはじめ
21:01各国のトップ企業が最新のトレンドを求めて集まる
21:06世界最大級の家具展示会です
21:09やはり我々のクオリティというものを
21:12世界でどこまで通用するかとチャレンジしてみようかなと考えました
21:17ステンレスパーツの販売によって全国展開を果たしたカンパニー
21:23いよいよ職人たちの技が海を越えます
21:26今回は主にステンレスのシンク
21:30あとはステンレスのキャビネット
21:32そちらを展示して世界中の皆さんにPRしていきたいなと思ってます
21:37そしてこのイベントでは
21:40カンパニーの技術力を世界に示すため
21:43象徴となるオブジェの展示も企画
21:45その作品とは
21:48板金の世界はですねやはり板を折り曲げて溶接して作り上げていくものですから日本の企業広島の企業というところをですね同時に発信できるかなと
22:01オーダーメイドの技術を全国へ拡大したカンパニーそして今その技術は世界へ職人の技が世界のキッチンに新たな可能性をもたらそうとしていますむしろ海外の方があのかっこいいステンレスの感じってなんかウケるような気がしますね
22:26カンパニーが展示会のために作ったという折り鶴のオブジェ今日はお持ちいただきました
22:32すごいね
22:33これはどうやって作ってるんですか
22:36折り曲げと溶接とあと研磨をして最後仕上げております
22:41本当に折ったんじゃないかなと思わせるこの溶接の後の無さというか
22:48一枚からできたみたいな感じ
22:50これはこういう三角のやつをギュンってやったわけじゃないですか
22:54そこも溶接をして
22:55これはここの溶接なんですね
22:57はい
22:58曲げてんのは
22:59ここが曲げて
23:01ここは羽のここは曲げ
23:05だけど頭とは溶接
23:09全然わかんないな
23:13今回の展示会をきっかけにどのような展望を描かれていらっしゃるんですか
23:18我が社の強みであるそのハンドメイドオーダーメイドそしてクオリティですね
23:24その強みをですねしっかりPRして世界の方々ヨーロッパの方々のニーズに沿ったものをですね
23:32これからも提案していけるように努力し続けたいなというふうに思っております
23:37それでは八嶋さん
23:39今日の学びをお願いします
23:41今回は
23:44本当にすごいものは分からない
23:50メイドインジャパンの技術が世界的にもすごいということはよく言われることですけれど
23:56超絶技巧みたいなもののすごく見栄えのいいものも確かにすごいというのがありますけど
24:03日常を使うそのキッチンの中でものすごくすごい技術って
24:09やっぱり僕らは何にも分からずただ心地よく使ってるだけだったなっていうことがね
24:15今日分かってちょっとびっくりしておりますので
24:18本当に今後の世界の展開楽しみにしておりますので
24:21今日はどうもありがとうございました
24:22ありがとうございました
24:23ありがとうございました
24:26ありがとうございました