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  • 2025/4/29
トランスクリプション
00:01みなさんは自衛官におなりになるわけですけれども、軍隊というものはですね、戦争をしない軍隊が一番いいんです。
00:12戦争をしない軍隊、そのために軍隊というのはあるんであってですね、軍隊というのは戦争を目的とするもんだと、実際はそうですけれども、
00:22しかしながら戦争をしないんだという、そういう平和な時代の軍隊というものに耐えられる人間が非常に優れた人間だと思います。
00:34日露戦争の話の続きですから、日露戦争の例で挙げますが、日露戦争の時に第一軍指定官で、やはり薩摩の人で大変強い将軍だった人で、黒木さんという大将がいますから。
00:49黒木さんのもとで、イギリスから艦船部官が来ておりまして、同盟国であったものですから、艦船部官というのは若い将校なんですけれども、
01:01この場合は中将が来ておりまして、ハミルトンさんという中将であります。文章の上手な人で、後でいろいろ文章を書いた人であります。
01:10このハミルトンさんというものが黒木さんを非常に惚れ込みましてですね、黒木さんは非常に偉い人だと。
01:18それは非常に褒めてある。
01:23戦争が、日露戦争が勝ったらですね、勝ったら黒木さんはどうなさいますかと、ハミルトン中将が聞いたわけです。
01:35そうしたら黒木さんは、田舎へ帰って白書をでもしますと。
01:40で、その、軍人というものは、その、おそらく戦争に勝って、その、自分が凱旋すれば、全国民がその、看護の声を上げて、我々を歓迎するでしょうと。
01:54しかし、それは3年も続きませんと。
01:57その、必ず忘れてしまわれると。
02:00忘れてしまわれるために、我々はおるんだと。
02:04軍人というのは、そんなものであって、その、すぐ忘れられてしまうと。
02:08やがて、平和が来て、軍人は必要がないんだと。
02:13あるいは、軍人というのは、つまらないというような声も、きっと聞かれてくるに違いないと。
02:19そのために、軍隊というのは、あるんであって、軍隊というのは、そういうことに耐えていかなきゃいけないものなんですと。
02:26黒木さんは、そんなに言ったのかなと。
02:28黒木さんというのは、薩摩の人ですから、あんまり喋らない人だろうと思うんですけれども、ハミルトンさんは、これ作ったのかもわかりませんですね。
02:34あんまり名言なもんですから。
02:36黒木さんというのは、母親戦争以来の歴戦の勇士ですからね。
02:43だから、10年目ごとくらいに戦争に出かけている人ですから。
02:48だから、戦争と平和ということは、実によく、彼の短い人生の中で実によく知ったんじゃないかと。
02:56母親戦争から帰ってきたときには、さっき言いましたように、みんな捨てられてしまったと。
03:00官軍の殺長、土の平和、全部捨てられてしまったと。
03:03失業したと。
03:04そういうことも黒木さんは経験しましたし、それから、西南戦争に出かけて行って、
03:10ロシウチのようにして、薩摩の西郷さんを撃ったと。
03:14そのことも経験しております。
03:16そして、帰ってきたら、もてはやされたけれども、
03:19あと、日清戦争までの間は、もう、いらざる者として、
03:23捨てられておったような、忘れられてしまったと。
03:26日清戦争に出て行って、勝ったらまた褒められたと。
03:29ところが、またすぐ忘れられたと。
03:32それが、今度の日清戦争が終わった後、また来るでしょうと。
03:36こういうことを言っているわけなんですけれども、
03:39我々の国というのは、おそらく、その、世界の情勢から見ても、
03:45戦争ということは、まあ、ありえないと。
03:47しかしながら、軍隊というものは、その中で、その、心理的に、
03:53その、いかに、その、謙虚に、いかに、その、執実な気持ちで、
03:58その、平和の時代を過ごすかと。
04:00それは、皆さん一人一人にかかっていることであって、
04:03僕らは、戦争をやっておる時に、兵隊さんに捉えておったわけですけれども、
04:10皆さんの方がきっと、その、いろいろ人生の問題をたくさんお持ちに、
04:15我々よりも、もっと深い経験を、心の経験をなさるに違いないんで、
04:22僕が、これ、壇上からこのことを言うわけいかない。
04:25つまり、僕は、その、戦争中に、
04:28お前は惑星であるが兵隊に取ると言って捉えて、
04:31そして、目的は戦争をすることだけだったわけ。
04:33そして、大抵は、その、負けて戦死するだろうと。
04:36僕は戦車隊だったもんですから、はっきり分かってるわけですよ。
04:39敵の戦車の方が、その、大きい、そして分厚くて、大砲が大きいわけ。
04:45今、子供だって、僕らに乗ってた戦車のプラモデル持ってまれんよ。
04:50そのぐらいつまらない戦車に乗せられて、すげん。
04:52ふっふっふっ。
04:55ですから、その、負けて戦死するだろうと。
04:58だけど、それは、目的が一つです。
05:01そのことさえ、つまり、考えてればいい。
05:05つまり、精神性が何もない、心の深みも何もなくて、
05:09若い頃ってものは、国家のためであろうが、何のためであろうが、死ぬのは平気であって、
05:1422、23ぐらいまではですね、自殺だって何だってできますよ。
05:19それは、だいたいその命、あんまり惜しくないんですよ。
05:22命がだんだん惜しくなるのは、30過ぎてからです。
05:25その、ですからですね、私どもは、別に命があんまり大して、こんなもの大した人生でもないし、
05:31その、捨ててもいいんだと。
05:33それは、国のためかどうかよく分からないけれども、
05:37かっこ悪いく出したくないというだけのことでですね、
05:41下手に捉えて、非常に単純な精神を送ったものですから、
05:45そういう単純な精神を送ったものがですね、
05:48防衛大学校の学生に、今日の時代、歴史時代においてですね、
05:54皆さんこうありなさいと。こういう気持ちで、こういう精神で、こういうことをしなさいと言って、
06:02壇上から教訓をたれるのは、やっぱりちょっと難しいんで、
06:06皆さんの方が、この点では深いだろうと。
06:10もうですね、人生というものがね、よく分かったり、悟ったりしてる人っていうのは、
06:17そんなにないか、みんなお互いに分からずじまいで死ぬんでしょ。
06:23九十いくつで死んだところでですね、
06:26だいたい人生っていうのは、やっぱり不可解です。
06:29不可解ですけれども、何を支えにしていけばいいかっていうことはね、
06:32私はよく分かりませんがね、
06:35おとつい、私は実は踏まれてね、説教というのはしたことないんですけど、
06:39実は妹の子供が大学生でおるもんですから、
06:43それに、おとつい初めて説教しましてね、
06:47それは医科大学に通ってる子なんですけれども、
06:50医者は嫌だと言って、学校辞めたいと言って言うもんですからね。
06:54学校辞めてどうするんだと言ったら、どうってことなくて、
06:57なんか人生にはもっと素晴らしいことがありそうだと。
07:01ただそれだけのことなんです。
07:03本当は一つ恋愛問題も絡んでるらしいんですけれども、
07:07私はそこで、非常に得意ではないんですけれども、
07:15説教をしましてですね、つらつらと振り返ってみるにですね、
07:19こういうふうに言ったんです。
07:21人生というのはもう日常の連続であって、
07:25日常というものは非常にくだらないものであると。
07:28朝起きて、かわらって、そして学校へ行くと。
07:31そして、実にその、興味を持てない授業を聞くわけであります。
07:37その日常というものを積み重ねていくというと、
07:50何事か出てくるかもしれんというのは人生だと。
07:53つまり、日常をきっちりやるとですね、
07:56やっても何も出てこないかもしれませんが、
07:59しかし、日常をきっちりやらないやつは、
08:02俺は使用できないと。
08:04その日常をきっちりやるということは、
08:07日常をきっちりやるということは、
08:11つまり、例えば、10年きっちり積み重ねていくと、
08:17その日常というのはファクトの連続、
08:20まあ、トゥルーとファクトに分ければ、
08:22その真実の方じゃなくて、
08:24ファクトの方に入りますですね。
08:26ファクトの連続であってですね、
08:29ファクトというのは足し算であって、
08:31その100年ファクトを重ねても、
08:33何事も出ないかもわかりませんが、
08:36しかしながら、そのファクトを重ねることによってですね、
08:40トゥルーが一滴ほど、
08:4310年先に出るかもわかりません。
08:46まあ、その日常というものは、
08:48非常にくだらないように見えるけれども、
08:51これをもう単年に積み重ねて、
08:55しかし何事も出ない人もあるし、
08:57何事も出る人もあるんで、
08:59その、積み重ねる以外に手がないんだと。
09:04それ以外に手がないんだと。
09:06って言いますとですね、
09:08そしてその、私に、その、
09:10おじさんは、
09:11私はおじさんになるものですから、
09:13おじさんは、その、どうだという、
09:15その、自分の頃はどうだというものですから、
09:18まあ、僕は学校へですね、
09:21僕ほど嫌いなものはなかった。
09:23僕は非常に学校が嫌いな人間であって、
09:26小学校に入った時から、もう絶望的に嫌いだった。
09:30しょうがないもんですから、その、まあ、
09:32学校へ通っておってですね、
09:36それが、兵隊さんに、私どもは、その、
09:39学徒出陣で、
09:41兵隊さんに取られちゃう時にですね、
09:43私はその、
09:44もう、私の性格はブータラですから、
09:47兵隊さんっていうのは、もう、実にその、
09:49私に会わなくて、
09:50そんなものは、なんなら、もう監獄行くか、
09:52もう、持参した方がいいと。
09:54思っておるのにですね、
09:56それで嬉しかったんです。
09:58学校の子、地獄のような学校の生活から、
10:00助かるということだけでですね、
10:02そのぐらい、学校嫌いだった。
10:04その、そのぐらい、
10:06学校嫌いだったんですけどですね、
10:08それでも、俺は、まあ、
10:10一日だけ休んだだけで、その、
10:12毎日行ってたと。
10:14そういったら、その、
10:15俺がバカにしましてですね、
10:16私の学校の成績っていうのは、
10:18その、入ったと。私はさっき、
10:20ご紹介を受けましたように、
10:22その、外国語を教える学校に行ってたんですが、
10:25入ったときは、成績良かったんです。
10:27そこが、その、
10:28末期の頃になると、もう、
10:30ビビン近かったもんですからですね、
10:32それで、毎日行ってたのかと言って、
10:35その、
10:37毎日行って、何してたんだ、
10:39というようなことを、
10:40言って、その、説教が全部、
10:42ダメになったんですけれども、
10:44まあ、その、日常の積み重ね以外、
10:46ないっていうことだけは、
10:47確かですね。
10:48まあ、その、日常の積み重ね以外、
10:50ないっていうことだけは、
10:51確かですね。
10:52ないってこともないって。
10:54はい。
10:55はい。
10:56はい。
10:57はい。
10:59ええ。
11:03まあ、
11:04ああ。
11:05どうぞ。
11:06そうか。
11:07ああ。
11:10ああ。
11:11はい。

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