• 8 年前
新球場建設が話題になった日本ハムが、水面下でさらなる仰天構想を温めていた。

 4番打者の中田翔(27)を今オフ、放出するというのだ。

 今季年俸はチームナンバーワンの2億4500万円。全日本でも4番を打つこともある中心選手を、なぜ、出さなければならないのか。

「中田はこのまま順調にいけば、来季中にも国内FAを取得する。本人に日本ハムを出る気があるかどうかはともかく、球団内部での評価はガタ落ちだと聞いています」と、さる日本ハムOBがこう続ける。

「一昨年、100打点でタイトルを獲得し、昨年は102打点。勝負強さがクローズアップされる半面、チャンスでの凡打も同じくらい多いというのが首脳陣の評価だそうです。特に今季序盤はここで4番が打てば……という場面で何度も凡退しています。本塁打にしても、この週末、最下位の楽天から3本の固め打ちでようやく8本。4番にしては物足りない数字ですからね。昨年の打率が.263で、一昨年は.269。確実性に欠けるし、2億4500万円の価値はないと判断されたのでしょう。球団は今オフ、トレードで他球団に放出するか、それとも入札制度を利用するか検討中とか。中田にはメジャー志向もあるようですから」

■大谷に「エース兼4番」構想

 29日の楽天戦は大谷翔平(21)が「6番・投手」で出場。投げては7回を4安打1失点。打っては5打数3安打1打点と、単に投げるだけでなく自らのバットでも3勝目(4敗)を手繰り寄せた。大谷がパ・リーグの公式戦で指名打者を使わず、投手として先発出場したのは4年目で初めてのことだ。

「単純に、いい打者を置こうということ。(投手と野手)ふたつやるのは大変だし、ばたつくからね」

 試合後の栗山監督は大谷を「6番・投手」で起用した理由をこう説明したものの、わざわざDHを潰してまで投打の二刀流を実現させたのには理由がある。この“リアル二刀流”こそ「中田放出」の布石なのだ。

「大谷は今季、投げる方ではいまひとつでも、打率.359、8本塁打と打者としてブレーク。首脳陣は本気で大谷をエース兼4番打者として育てようと考えています。つまり近い将来、中田に代わる4番として起用する腹積もりなのです。そのための布石というか、準備がこの日の指名打者を潰した起用につながっている。投手としての実力は去年までで実証済みですからね。今後は投手兼野手としてこれまで以上にフル回転させる意向だといいます」(前出のOB)

■主力やベテラン放出でチームを活性化

 昨年までの過去10年間でリーグ優勝4回の強豪が、12年を最後に3年間、勝っていない。今年も29日現在、首位ソフトバンクから7.5ゲーム離された3位に甘んじている。

「優勝した12年オフ、3番打者の糸井をオリックスに放出して以来、大きなトレードはやっていません。フロントがボチボチ、思い切った活性化が必要と考えても不思議ではありません。チーム内には『働かない高給取りが増え、頭でっかちになってきた。大企業病かもしれない』という声もあります」と別のOBがこう言った。

「日本ハムはドラフトと育成が2大方針です。ダルが入札制度でメジャー挑戦した翌12年、生え抜きの吉川がブレークしてリーグ優勝した。足りない戦力をよそから取ってきて補おうと考えるのではなく、素質ある若手を生かすために、あえて高給取りの主力やベテランを放出するのです。これまでのトレードにしても補強というより、チーム内を活性化させる意味合いが強い。新陳代謝の激しいチームにあって、とかく高給取りの主力やベテランはプラスよりマイナス面が大きいというとらえ方をする。そういった意味で中田は今年がプロ9年目。ベテランの稲葉や金子がいなくなったいま、グラウンド外のことも含めて中田を戒めるべき選手もいない。ある意味、やりたい放題ですからね」

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