全部で11曲あるベートーヴェンの序曲中、最後を飾る作品です。
「献堂式」はウィーンの新築劇場のこけら落し用の舞台劇。
ベートーヴェンがこの仕事の依頼を受けたのは直前であり、
その頃ミサ曲の作曲に専念していたため時間もありません。
そこでかつての作品「アテネの廃墟」を改訂し、本番に間に合うよう1ヶ月程度の限られた期間で完成させました。
しかし、この劇の序曲はまったくの新作です。
作品番号124が示す通り、123の荘厳ミサ曲と125の第9の間にあって、それらのエッセンスを感じさせる壮大な管弦楽曲になっています。