• 7 年前
【これホンと?】土用の丑の日になぜウナギを食べる?
「土用の丑の日」というと、いろいろな食品売り場でウナギの蒲焼がならび、何かこの日はウナギを食べる日に決まってしまったような光景がよく見られます。これはいったい、いつごろから始まった風習で、どんな起源があるのでしょう。
「万葉集」に大伴家持(おおとものやかもち)の有名な和歌で、夏の土用のころは、夏やせによいというウナギを食べて健康を保持しようという内容のものがありますが、この時代には「土用の丑の日」ということばはありません。このことばができたのは、江戸時代だといわれます。ところで、その起源の一つは、江戸時代の有名な学者の平賀源内が、知り合いのウナギ屋のために、「本日土用の丑の日」と大きく書いてやったところ、はやらなかった店が大繁盛するようになったという説です。
他にも似たような説はあるのですが、いちばん確からしいのは、文政年間に発行の「江戸買物案内」の「う」の部に出てくる話。文政年間の夏のこと、神田和泉橋通りのウナギ屋、春樹屋善兵衛のところに、藤堂という殿様からかば焼きの大量注文があり、一日ではつくりきれないので、子の日と、丑の日と、寅の日の三日間かかってかば焼きをつくったというのです。ところで、冷蔵庫など保存設備のないころですから、そのかば焼きは土がめに入れて密封され、床下に貯えておかれました。そして納品の日になって出してみたところ、子の日と、寅の日に作ったかば焼きはいたんでしまっていて、丑の日につくった分だけが、おいしく食べられる状態だったというのです。そして、「土用の丑の日」ということばは、この春樹屋善兵衛のエピソードに始まり、この日食べるウナギはおいしく栄養がある、というようにいわれるようになって、その後しだいに、土用の丑の日はウナギを食べる日、という風習が定着したのだというのです。

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